当ブログで、しつこいくらいに報告している「ANAのホノルル線機材がしょぼすぎるよなんとかしてよシリーズ」の第4弾。またしてもJALに差をつけられました……。
JALが2016年1月7日より、羽田ーホノルル線にプレミアムエコノミーを導入することになりました。機材はB777-200ER。ビジネス56席、プレエコ40席、エコノミー149席、計245席。JL80 羽田(23:40)→ ホノルル(11:55)と、JL89 ホノルル(17:55)→ 羽田(翌22:00)です。
プレミアムエコノミーってそもそも何?
プレミアムエコノミーとは、1990年代初めにエバー航空が導入を始めたもので、エコノミークラスよりは席が広く、ビジネスクラスよりは狭い席のことですね。ただ、各航空会社によってサービスには大きな差があり、空港&機内サービスまで含めてかなりビジネスクラス寄りのものから、単純にエコノミークラスのシートピッチをちょっと広げただけというものまで、全部ひっくるめてプレミアムエコノミーと呼ばれています。
従来の「ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラス」という区分はもう遠い過去のモノで、ファーストクラスを廃止してプレエコを新たに設けるというのが世界的な流れになっています。
富裕層は財布のひもを締め、出張予算が削られた法人客もビジネスクラスで辛抱するか「マイルをためてファーストクラスにアップグレードしている」(ウォールストリート・ジャーナル紙)のが実態だ。
調査会社によると、正規料金でファーストクラスを利用する乗客は国際線で約25%にとどまり、米国内線では約15%しかいない
2012年の時点で、国際線ファーストクラス客の7割以上がアップグレードか、マイル特典航空券だったというショッキングなニュースがありました。これではファーストクラスを設置しておく意味がありませんね。
逆にビジネスクラスの方は、フルフラットシートが登場して以降、座席の快適さも機内サービスも、ほとんどファーストクラスと大差ないものとなっており、エコノミーとの差が開く一方でした。その間を埋めるものが、プレミアムエコノミーだったわけです。
たった7cmのシートピッチの差で天国と地獄
私自身は2009年に一度だけホノルルからの帰りに、ユナイテッド航空B747のエコノミー・プラスというものに当日アップグレードしたことがあります。東京-ホノルル線の場合、当時$80くらいでアップグレードできました。
ユナイテッドのエコ・プラは特にエコノミー寄りで、シートも機内サービスも空港サービスも全てエコノミー同等。単純にシートピッチがエコノミーの79cmから、86cmに広がっているというだけでしたが、それでも身長182cmの私にとっては、天と地ほどの差を感じました。
79cmだと膝が前の席にべったりくっついてしまうんですが、86cmだとそれがないので、自由に足が動かせるんですよね。快適さがまるで違います。逆に言うとシートピッチ79cmのエコノミークラスが地獄すぎるんですが……。
気になるJALホノルル線のプレミアムエコノミーはどんな感じ?
実は2015年3月からホノルル線での運航が始まったJAL SKY SUITE 767(B767-300ER)のエコノミークラスは、私が乗ったユナイテッドのエコノミー・プラスと同じ86cmのシートピッチがあります。
もうその時点でプレミアムエコノミーがなくてもJALの完勝なんですが、今回羽田ーホノルル線に導入されるB777-200ERのプレミアムエコノミーはシートピッチ97cm。前の席に膝が当たらないとかそういう次元ではありません。
また、シェル構造のため、リクライニング時に後ろの人に気を遣う必要もありません。シェル構造の座席はANAのB767-300ERビジネスクラス(アジア線)にも使われていますが、ANAのプレミアムエコノミーにはない仕組みです。
さらにレッグレストとフットレストを装備。これがあるのとないのとでは全然違うんですよねー。
他に、空港&機内サービスではエコノミーとこれだけの差があります。
- 優先チェックインカウンターが利用可
- JALサクララウンジが利用可
- 希望すればエコノミー機内食にプラスして間食が出てくる
- 預け荷物の優先出し(ビジネスクラスの次に出てくる)
ラウンジが利用できるのは嬉しいですよね。座席と機内食以外はほぼビジネスクラスに匹敵するサービスと言えます。ただ、これはANAのプレミアムエコノミーでもほぼ同じです。違うのはただひとつ。この素晴らしいプレミアムエコノミーが、ホノルル線に導入されるのがJALだけだということです。
ANAの努力が地味すぎる
大々的に広報していないようなんですが、ANAのB777-300ERとB787-9のエコノミーも、シートピッチは86cmに拡大しており、地味に機材はよくなっているんですよね。ただその恩恵が、どれだけ待ってもホノルル線にもたらされない。
こういうことを言っていると「ホノルル線みたいなリゾート路線は儲からないんだから、機材更新が後回しになるのは仕方ない。航空会社はボランティアでやってるんじゃない。陸マイラーの分際で何を言っているのか」と、正規運賃で乗っているANAファンからお叱りを受けそうですが、JALだけじゃなく、他の全ての航空会社がホノルル線のテコ入れを既に完了している以上、もうそんな擁護に意味はないと思うんですよね。
一刻も早いANAホノルル線の機材更新を望みます。