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ANAマイルからANA SKYコインへ交換するメリットとは

最終更新日:2016年8月25日

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ANA SKYコインは1コイン=1円として、10コインから使うことができます。SKYコインを使って購入できるものは、ANAの航空券とANAの旅行商品のみ。

 

他の電子マネーやポイントと比べると、商品の幅が狭すぎて、非常に使い勝手が悪いように思えます。わざわざANAマイルを、電子マネーではなくANA SKYコインに交換する意味はあるんでしょうか? 

 

マイルをSKYコインに交換する理由

ANAマイルをANA SKYコインに交換する理由はいろいろあります。

  • 思っていたほどマイルが貯まらなくて、特典航空券の必要マイル数に届かないため仕方なく
  • 狙っている特典航空券の人気が高すぎて取れないため仕方なく
  • マイルの有効期限切れが迫っていて仕方なく
  • やっぱりマイル特典航空券による個人旅行よりツアーが安心だから、ツアー代金に充てるため

 

ずらっとネガティブなものが並んでしまいました(笑)。これでは理由になりませんよね。「だったら、もっと使い勝手のいいSuicaとかnanacoとかTポイントとかEdyとか、電子マネーに交換した方がいいじゃない。その方がいろんなものの購入費に使えるじゃない」と思ってしまいます。

 

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しかし、他の電子マネーへの交換は1万マイル単位でしかできず、年間で最初の2万マイルまでは等倍交換なんですが、3万マイル目以降は0.5倍と半分に目減りしてしまうんです。たとえば4月に1万マイルをEdy1万円に交換、5月に1万マイルをnanaco1万円に交換、ここまではいいんですが、それ以降1万マイルを電子マネー等に交換しようすると、5000円分にしかなりません。等倍が復活するのは翌年4月からとなります。

 

うまくできているものですよねー。「大量マイルを現金化してほしくない。ANAで貯めたものはANAで使ってね」という意志を感じます。

 

一応例外も設けられていて、ANA VISA Suicaカードを持っている場合はSuicaへの交換、ソラチカを保有している場合はメトロポイントへの交換、ANA TOP&ClubQ PASMOマスターカードを保有している場合は東急ポイントへの交換が3万マイル目以降も等倍のままで済みます。なので、マイルを等倍で現金化するつもりの人は、これらANAカードの保有が大前提となります。

 

ANA SKYコイン誕生の理由

前段で、ANAマイルからSKYコインへの交換理由が、ほとんどネガティブなものだったということを示しました。ただ、これは、元を正せば「マイルによる特典航空券の取得」に対するユーザーの不満が大きかったことの裏返しでもあるんですね。

 

  • クレジットカード決済でどんどんマイルが貯まると勘違いしていたユーザーにとっては、意外に必要マイル数のハードルが高い
  • マイル特典航空券は開放枠が少ないため、ただでさえ取りづらい
  • マイル有効期限は3年しかないため失効することがよくある

 

たとえば、年間1,500マイルしか貯められない人は、有効期間の3年でもやっと4,500マイル。これでは国内線の片道にすら使えません。せっかく貯めた4,500マイルに全く使い道がないのでは、不満の方が貯まるばかりです。

 

この不満を解消するために作られたのが、ANA SKYコインと言えます。

 

以前からeクーポンという名の似たような制度があったんですが、これは12,000マイルを18,000円分の電子クーポンに交換できるというものでした。でも12,000マイルもあったら、普通に特典航空券にしますよね。その方がお得です。

 

ANA SKYコインは1マイルを1円分のコインに交換できるというところが肝です。少ないマイルしか貯められなかった人も、航空券購入費の足しにはできるわけですから。これで最初の不満を多少は解消できました。

 

1年先の特典航空券を押さえられる人は限られる

当ブログのアクセス解析を見ても一目瞭然なんですが、マイルに興味を持っている人、マイルを実際に貯めている人のほとんどは30~50代の働き盛りの人たちです。時間に余裕のある学生や年配の人たちには縁遠い世界。

 

つまり、好き放題に、まとまった休暇が取れるわけではありません。3ヶ月前になって、やっと休暇が貰えることが決定しても、もう国際線特典航空券に空きはないですよね。特典席は開放枠が少ないので、常に激しい争奪戦に晒されています。

 

「1年先のスケジュールを組める。その日は何が何でも休む」ということができる人によって、特典航空券はどんどん取られていくんです。

 

せっかく貯めた大量マイルも、思ったように特典航空券が取れないのでは意味がありません。

 

交換比率で大量マイル保有者の不満も解消 

「やっとたくさんマイルが貯まったのに、全然狙った特典航空券が取れない!」この不満を解消するのが、マイルからANA SKYコインへの交換比率です。

 

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1~9,999マイルまではコインと等倍交換ですが、大量マイルをいっぺんに交換すると、最大で1.7倍にまで増えます。1.7倍のためには上級会員資格が必要ですけどね。

 

しかし比較的ハードルが低い「ANAゴールドカード保有」という条件を満たせば、5万マイル以上の交換で1.6倍となります。5万マイルが8万円分のANA SKYコインになるんです。

 

エコノミークラスならSKYコインにもメリット 

たとえば「マイルでハワイ旅行に行きたい!」と考えている人がいるとしましょう。5万マイルが貯まりました。ではそのうち4万マイルを使って東京ーホノルルのエコノミークラス特典航空券を取ることにしましょう。しかしここで気付くわけですね。「ないじゃん。特典の空席ないじゃん」と(笑)。

 

でも5万マイルを8万SKYコイン(8万円分)に交換して、普通に航空券を買ったとしたら? ANA SKYコインは、現金で買うのと同じなので、席数に制限はありません。空席がある限り、自由に買うことができます。問題になるのは値段だけです。値段を見てみましょう。

 

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羽田ーホノルルのエコノミークラス航空運賃は87,750円でした(もちろん日付によって全然違います)。7,750円足りませんけど、4万マイルで特典航空券を取得すると、マイルとは別に、燃油サーチャージ等で22,000円も取られます。上の画像の価格は燃油等を含んだ価格ですからね。それくらいの差額は別に支払ってもいいかな? と思いますよね。SKYコイン8万円を購入費に充当して、足りない額はクレジットカードで支払うことができます。

 

しかもよく見ると「積算マイル:3,830マイル」とあります。5万マイルをSKYコインに交換しましたが、3,830マイル戻ってくるので、実質的には50,000-3,830=46,170マイルで済んだ気がします。これに対して、特典航空券で乗った場合は積算マイルゼロです。

 

どうでしょうか。「あれ? 意外とANA SKYコインって使える?」という気になりませんでしょうか。実に絶妙な交換比率が設定されていると言えます。ビジネスクラスとなると話は全然違ってくるんですが、そこまでマイルが貯まらないという人にとっては渡りに船と言えるでしょう。

 

プレミアムクラスならSKYコイン

国内線特典航空券では普通席しか予約できないため、どうしても国内線プレミアムクラスを確実に押さえたいという場合はSKYコインが活きてきます。

 

特典航空券でも9,000円を支払ってプレミアムクラスに当日アップグレードすることができますが、チェックイン時に空きがあるときに限ります。確実ではないんですね。

 

SKYコインなら積算マイルも プレミアムポイントもある

ここまで主に、ANA SKYコインを「ANAがユーザーの不満を解消する目的で作った制度」という観点で見てきました。少ししかマイルを貯められない人、マイルはあるのに特典航空券が思うように取れない人。こういった人たちが飛行機に乗るのをやめてしまわないように、ANAから離れていってしまわないようにと、実によく練られたシステムだと思います。

 

ただ、もうお気付きでしょうが、ひとつだけ盲点がありますよね。ANA SKYコインで購入した航空券にはマイルとプレミアムポイントが付与されるということです。

 

陸マイラーには数十万マイルを貯めている人も少なくありません。こういった人は、特典航空券に交換するのではなく、あえて価値が減じてしまうANA SKYコインに交換して、SFC修行の費用とすることができるのです。

 

通常SFC修行には50万円ほどの現金が必要とされています。しかしANAマイレージが32万ほど貯まっていれば、その全てをANA SKYコインに交換することによって、費用を全て賄うことができるのです。無料でのSFC修行という夢のようなシステムを可能にしたのが、ANA SKYコインです。

 

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