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車椅子でハワイ旅行? 余裕で行けますよもちろん!

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私の親友Azuは、若い頃の不慮の事故で頸椎C7~8を損傷。それ以来車椅子を利用していますが、ユナイテッド航空マイレージプラスを40万マイル以上保有する陸マイラーでもあり、2回のハワイ旅行経験者でもあります。1回目は2007年の新婚旅行、2回目は2008年、私も一緒に行きました。

 

「車椅子だけどハワイ旅行に行きたい! でもちょっと不安……」という人に役立つ情報をお届けしたいと思い、今回はAzuにインタビューしてきました。

 

Azuの車椅子利用はこんな感じ

「車椅子利用者」と一口に言っても、障害の度合いは人によって千差万別。Azuの場合、C7~8損傷という比較的重い方ではありますが、上半身は自由に動かすことができ、元々体格が良いのと、運動神経がいいこともあって、一人でもアクティブに移動できる状況にはあります。エスカレーターも両手が届く幅なら介助や補助器具なしで余裕で乗れますし、自動車の運転も問題ありません。普段の通勤も車です。

 

 

ハワイでのAzuのウィリー坂道降りです。これですね、一度でも車椅子に乗せてもらったことがある人ならわかるんですが、めちゃめちゃおっかないですからね。相当に慣れてないと、普通に後ろに倒れて後頭部強打するか、前につんのめって椅子から投げ出されて顔面強打するかのどちらかです(笑)。Azuの運動能力はこれくらいだということを念頭に置いて、以下の文章を参考にしてもらうといいと思います。手指まで動かせないという状況だと、あまり参考にはならないと思います。

 

ハワイは街全体がバリアフリー

  • ハワイの前に海外旅行で行ったことがある場所は? 
  • ハワイに行ってみた率直な感想は?

初海外旅行は韓国です。韓国もよかったですよ。日本よりバリアフリー度は低いけど、その分、人が親切でした。助けてあげようっていう気持ちがありましたね。

 

でもハワイは、街全体が隅々までバリアフリー化されているんで、ほとんど助けてもらう必要がないというか、向こうの人も、さほどこちらに気を遣わなくていいというか。お互い気を遣わない分、すごしやすいです。

 

空港と飛行機での車椅子利用

  • 空港で何か不便はあった?
  • 航空会社に何か望むことはあった?

何もないです。事前に何かを手配しておいたということもないです。 全て問題なくやってもらえるので、心配は何もありません。現地到着後もすぐに職員が自分の車椅子を持ってきてくれて乗り換えられます。ただ、強いて言えば、車椅子利用者は最初に機内に乗って、一番最後に降機することになるので、手持ちぶさたの時間が長いのがイヤと言えばイヤですね。仕方ないですけど。

 

  • 機内では何か不都合はあった?

特にないです。たまたまなのかもしれませんが、3席のところに2人で座らせてもらえたので、比較的楽でした。背が高いので、3席に3人だったらかなり厳しかったと思います。

 

空港職員や航空会社職員の、バリアフリーに対する取り組みはかなりハイレベルと言っていいと思います。飛行機に乗ること自体に関しては何も心配要りませんね。避難誘導等の問題もあるため、非常口横の足下が広い席はさすがに無理なんでしょうが、隣席ブロックに関しては一定の配慮があるようです。

 

満席だとそうもいかないでしょうから、特に背の高い人は除圧用の円形クッション等は機内に持ち込んだ方がいいかもしれません。到着したら大変なことになっていた、というのでは旅が台無しです。

 

また、トイレに関しては非常にセンシティブな問題であり、障害の度合いによって排尿の方法が異なるので一概に言えないのですが、基本的にはトイレまでの移動は困難なため、せき損の人の場合はカテーテル等に頼ることになるそうです。容器いっぱいになってしまったら、同行者に捨ててきてもらう必要があります。同行者も含めて、あんまり熟睡するわけにもいかないということになりますね。

 

 

最新鋭機B787では2つのトイレの仕切りを開けて、車椅子のままトイレに入ることもできるようになりました。自力排尿できる人ならこちらを利用することもできます。残念ながら2015年現在、ハワイ路線にB787は導入されていませんが……。

 

ホノルル空港職員に足止めを食らった事件

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Azuとのハワイ旅行時、帰りの便のセキュリティチェックで、長時間足止めを食らうという事件がありました。見るからに経験の浅い熱血青年職員が、Azuのボディチェックを念入りに行ない、いつまで経っても通してくれなかったのです。

 

日本人で、車椅子で、どこからどう見ても危険物や薬物を持っているようには見えないはずなんですが、しつこくしつこくチェックを続けるんですよね。周りの同僚職員たちも肩をすくめて私たちに同情し、「ごめんね。こいつ、やる気満々なのはいいけど、ちょっとマヌケなのよ」といった呆れ顔で。

 

後で聞いてわかったのですが、これはAzuがズボンの中に通していたカテーテルと袋を、「何かを隠し持っている」と勘違いしての行動だったそうです。職務に熱心なのは頼もしい限りですが、車椅子利用者に関する知識がないと、こういったことも起こってしまうんですねー。英語での説明が非常に難しいので、職員側の、障害に対する理解が必要な問題です。

 

ハワイ現地での車椅子利用について

  • 初めてハワイに行く前に不安に思っていたことは? 心配したことは?

2つの軸があります。必要最低限の生活設備として、トイレとお風呂は大丈夫なんだろうか? ということ。あと、娯楽の設備として、砂浜に出られるんだろうか? ということは考えてました。せっかくハワイに行って、海に入れないのでは、行く意味がないくらいに思ってました。

 

ハワイはバリアフリーが徹底されているというか、それが当たり前になっているので、トイレは問題なかったです。日本だと、男用、女用、障害者用って3つあるじゃないですか? ハワイは男用の中にも女用の中にもそれぞれ、車椅子でも利用できる十分なスペースを取ったトイレがあるんですよ。特に障害者用って分けてもいないっていう。

 

風呂は、手すりがあるという程度の普通の風呂でした。ザ・カハラ ホテル&リゾートは大きかったので入れましたけど、ホリデイ・イン・ワイキキ・ビーチコマ-は浴槽もなく、シャワールームが狭くて入れなかったのであきらめました。H.I.Sのバリアフリーデスクっていうのがあったんで、そこで両方手配してもらったんですけど、ビーチコマ-に関しては意味なかったです。

 

カハラの目の前の海に入ることは可能だったけど、後の砂の処理に難儀しました。

 

H.I.S.のバリアフリーデスクは14年の実績があります。ホテル側の対応ミスで普通の部屋になってしまったのかもしれませんが、風呂とトイレは切実な問題なので、事前のチェックは必要ですね。

 

2008年、2回目のハワイで私と一緒に行ったときは、ハイアットリージェンシー・ワイキキのバリアフリーの部屋を個人手配。この時は特に問題はありませんでしたが、やはりバリアフリーと言っても特別な設備が充実しているといった感じではなく、風呂とトイレに手すりがあるという程度だったそうです。風呂では除圧クッションを用意する必要がありますね。バスタオルで代用できるでしょうが。

 

その代わり、ホテル全体がバリアフリー化されており、ちょっとした段差すらもなかったそうです。ここらへん、車椅子に乗っていない者にはなかなか気付かない部分ですが、乗ってる人はすぐに気付く、ハワイの素晴らしいところです。

 

Azuのホテルの感想では、「車椅子ならザ・カハラ最強」とのこと。値段も最強に高いですけどねー。ホテル内のショップの試着室すらバリアフリーで広々した造りになっていたそうです。ワイキキからはちょっと遠いので、あの喧噪を味わえないのはちょっと寂しい気もしますが。

 

車椅子でもビーチに出られるところ

基本的にタイヤの細い車椅子では、砂は鬼門ですよね。ずぶずぶと沈んでしまうので、一人はもちろん、たとえ後ろから押してくれる人がいたとしても、全然前に進めなくなってしまいます。しかしワイキキには、車椅子でもビーチまで出られるところが一カ所あります。フォートデルッシー・ビーチパークです。

 

 

場所はハレクラニとヒルトンの間にある芝生の公園。ここは舗装された小径がビーチ付近まで続いており、砂浜ギリギリまで自分の車椅子で行くことができます。また、ビーチ付近にはサーフボード等をレンタルしてくれる場所があり、ここでビーチ用車椅子を無料レンタルしてくれるので、砂浜や波打ち際まで突入することもできるんです。

 

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写真のビーチ用車椅子は2008年のものなので、最近はもう少しコンパクトでアクティブなタイプに変わっているようです。

 

この「ビーチ用車椅子無料レンタル」は、ホノルル市と郡が直轄しているサービスなんです。さすがハワイ。隅々までバリアフリーが行き届いていますね。英語ですが、公式サイトを参照してみてください。

 

Beach Wheelchair Access

 

フォート・デルッシー以外にも、西海岸ならポカイ・ベイ・ビーチ、東海岸ならカイルア・ビーチパークとクアロア・リージョナルビーチパーク、ワイキキ近辺ならアラモアナ・ビーチパークとサン・スーシ・ビーチ、ハナウマベイの、計7カ所でビーチ用車椅子レンタルサービスが用意されています。遠出するつもりなら、これらのビーチを是非チェックしてみてください。特にハナウマベイはおすすめです。

 

上半身だけで泳ぐのはちょっと怖いかもしれませんが、浮き輪やライフジャケット等を使い、同行者が近くにいればそれほど難しいことではありません。ハナウマベイならシュノーケリングで魚を見ることも可能です。

 

同行者が多ければ、多少の無茶も

Azu夫妻と、私と私の妻の4人で行ったときは、ノースショアのラニアケアビーチで海ガメを見ることができました。ものすごい段差があるので、道路からビーチに降りるのは正直無茶だったんですけど、どうしても見せたかったので、3人がかりで無理矢理ビーチまで車椅子ごと降りたんです。砂浜ではタイヤがハマって全然動けなくなりましたが(笑)。

 

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さらに、帰りは3人では道路まで登れなくなり、周りの観光客の皆さんに助けを借りることになりましたが、こちらから頼むまでもなく、自然と手助けを申し出てきてくれました。アロハスピリッツですねー。

 

レンタカーについて

  • レンタカーはどうだった? 何か心配はあった?

左ハンドルっていうところだけ心配していたんで、これは車椅子関係ないですね。

 

Herzで借りたんですが、ハンドコントロールが自分の車とは違っていました。自分の車の場合は床からレバーが生えてて左手でブレーキとアクセルを操作する感じなんですけど、向こうのレンタカーはステアリングの横にあるコラムシフトタイプです。ただ、左ハンドルなのに左側(ドア側)に装置があったので、狭くて扱いにくいんですけど、左手で操作するので手の感覚は日本と同じでやりやすかったかも。

 

ナビがいまいちで、かなり道に迷いました(笑)。

 

レンタカーに関しては、予め車椅子利用者用に改造した車があるわけではなく、貸し出す直前に突貫工事的にハンドコントロールを取り付けるようです。そのため、床からレバーが伸びているような大がかりな装置ではないんですね。

 

普段から日本国内で自動車の運転をしている車椅子利用者なら、問題なく運転できます。臆せず挑戦してみてください。

 

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上記内容はダラーレンタカー。ハンドコントロールの取付位置は指定できるようです。Azuの場合は指定なしで左になってしまったのかもしれません。

 

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こちらはHertzです。ダラーよりもハンドコントロールを取り付けられる車種が多く、痒いところまで手が届く感じなので、ハーツの方が安心かもしれません。

 

レンタカー全般に関することは、関連記事を参照してください。

 

 

「海外レンタカーはちょっとなあ……」という人なら、市営バスの『THE BUS』にリフトが付いているので、時間さえ気にしなければ、ほとんどどこまでも行くことができます。また、ワイキキトロリーにもリフト付きの車両があります(全車輌というわけではないようです)。

 

お金に余裕があるなら、「車椅子ハワイ・ドットコム」の福祉タクシーをチャーターするという手もあります。1時間$65で最低2時間から。だいぶお高いので、自分で運転ができる人なら、レンタカーをおすすめします。

 

車椅子でアクティビティ

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  • どんなアクティビティに挑戦した?
  • どこがおすすめ?

2人で行ったハワイではガンシューティングをやりました。ワイキキにあるやつです。あれは何も問題なかったですね。

 

ポリネシアン・カルチャー・センターも楽しかったです。あそこおすすめ。あとマイランのカレーが美味しかった。

 

テラヤマさんと4人の時は『キャプテン・ブルース』の天国の海ツアーでシュノーケリングしましたね。でもこれは2人だったらちょっと無理だったかも。船のクルーに元お相撲さんの人がいて、ものすごい力持ちだったので船から海、海から船への乗り降りはできましたけど、ずっとそばに付いていてくれるわけじゃないので、海の中ではちょっと危ないです。

 

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シュノーケリングに関しては、ライフジャケットを付けているので溺れる心配はないはずなんですが、やはり上半身だけで泳ぐ恐怖感もあるので、運動神経のいいAzuもかなり苦戦していました。上体を起こせない状態でパニックになってしまうと危険なので、同行者が1人だけだとちょっと難しいかもしれません。健常者でも、深いところでのシュノーケリングは怖くなってパニクってしまうことがありますからね。

 

しかし水の中では浮力がある分、足が不自由でも意外と動きやすいのも事実。安全なフォートデルッシービーチなどでシュノーケリングの練習をしておいてから、3人くらいの同行者と共に、こういう深いところでのシュノーケリングに挑戦するのはいいかもしれません。滅多に見られない、素晴らしい海中の景色を見ることができます。

 

キャプテン・ブルースは、バリアフリーツアーを謳っており、車椅子利用者への対応も経験豊富。介護者がついていればツアー参加は充分に可能です。Azuの回答にもあるように、元大相撲力士の力持ちもいます。

 

ただ、経験は豊富でも知識が完璧なわけではないので、海から船の乗り降りで、硬い船の甲板にストンと座らされる危険があります。常に同行者が除圧用のクッションを用意して、褥瘡には充分気をつけてください。船への車椅子の持ち込みはできず、送迎バスの中に置いていくことになります。

 

車椅子ハワイへのアドバイス

  • 持っていけばよかったなあと後悔したものはある?
  • ハワイに行きたい!という車椅子利用者に何かアドバイスは?

デジタル一眼レフですね。ハワイに行った当時はコンパクトデジカメだったんで、今見ると画質が……。

 

アドバイスは……。ハワイは日本より全然すごしやすいですよ。あっちはバリアフリーっていう言葉自体がそもそもないという感じ。それが当たり前っていう感じなんで。

 

いろいろ余計な心配する暇があったら、トラベル英語の言い回しのひとつも覚えた方がいいです(笑)。英語が話せるかどうかが一番!

 

元々Azuは、新婚旅行でタヒチに行こうと思ってH.I.S.のバリアフリーデスクに行ったそうなんです。でもそこで強力におすすめされたのがハワイ。車椅子でのハワイに心配は要らないという証拠です。

 

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大事なのは英語力。というより、むしろコミュ力。最後は全然車椅子関係なくなりました(笑)。車椅子でもマイルをガンガン貯めて、ハワイ旅行、楽しんでください。Good Luck!!

 

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