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ANAのホノルル線A380導入で変わるかもしれないハワイ旅行5つのポイント

最終更新日:2017年7月10日

Flying honu

 

2019年春頃からの導入が決まっているANAホノルル線のエアバスA380。この超大型機材にはファーストクラスが設定されることが既にアナウンスされており、海ガメ(ハワイ語でHONU=ホヌ)をイメージした特別塗装も決定し、期待は高まるばかりですね。日系航空会社初となるA380導入は、ハワイ旅行に何をもたらすんでしょうか。

 

各種ニュースソースを引用し、その中身を改めて確認しておきたいと思います。

 

 

ANAがA380を導入した経緯

既報の通り、ANAがA380導入を決定したのは、元を正せば、スカイマーク破綻に絡んで、エアバスとの取引が不可避だったからです。流れとしてはこうですね。2015年から2016年にかけての動きです。

 

  1. 国内線にA380を大量導入するという無謀な経営計画が原因でスカイマークが破綻
  2. 喉から手が出るほどスカイマークの羽田発着枠を取りたかったANAがスカイマーク支援に名乗り
  3. 同じく支援に名を上げたデルタ(&イントレピッド)との一騎打ちに勝つためには、大口債権者であるエアバス、ロールスロイス、CITの3社の支持を取り付ける必要があった。
  4. エアバス社を説き伏せるため、A380を購入することに。(スカイマークがキャンセルした分はエミレーツが購入。ANA購入分は新造機)

 

A380という恐竜のような、時代にそぐわない、滅び行く運命にある超大型機材を導入する必要があったかと言われれば、「ANAにその必要はなかった」というのが一致した見解だと思われます。スカイマークの破綻がなければ、A380を導入することは100%なかったでしょう。しかし、ANAは羽田発着枠とのトレードオフで、A380導入を決めたんですね。

 

この判断が正しかったかどうかは、あと10年は経たないとわからないと思いますが、決めたからにはなんとしても利益を出していかなくてはなりません。鍵になってくるのは路線です。

 

ドル箱の米本土路線には2021年からB777-9Xの導入を見越して、ボーイング社に既に発注済み。ロンドンはワンワールドの牙城のため以遠への乗継ぎが期待できず、フランクフルトは同じスターアライアンスで緊密な提携をしているルフトハンザがあるため、大型の自社便を飛ばすメリットが少ない。いったいどの路線に投入すれば、A380を持てあまさずに済ませられるのか。

 

白羽の矢が立ったのがホノルル線でした。

 

ANAがA380をホノルル線に就航させる理由

  • 500を超えるA380の座席数を埋められるだけの旺盛な需要が安定してあり、ビジネスクラス利用を見込める富裕層需要も一定数ある。
  • 治安、衛生ともに良好で、テロや疫病、経済ショックといった外部要因による需要減がほとんど起きない場所。
  • 団体旅行一辺倒だった一昔前と違い、「個人客」「リピーター」の台頭により、以前よりハワイ線の収益性が高くなってきた
  • 乗客は日本発の日本人がほぼ全てなので、外国人の乗継ぎを考慮して発着時刻を調整する必要がない。また、外国人と違い、比較的割高な日系航空会社の料金で乗ることに抵抗が少ない。むしろ好んで乗る。
  • ハワイはJAL最後の砦。「ハワイといえばJALパック」というイメージを、A380なら覆せるかもしれない。

 

「乗客は日本発の日本人がほぼ全て」という部分に関しては、ANAは別の見解を持っているようです。2016年6月28日に行なわれた株主総会では、次のような説明がされました。

 

アジアからの接続でホノルルへ向かう外国人や団体客を取り込む。 

http://www.aviationwire.jp/archives/93268

 

しかしアジアからホノルルへは、ソウル、上海、台北、シンガポール、マニラから直行便が飛んでおり、以遠権で接続するLCCエアアジアXのようなところもあります。この辺の需要を奪うのはそう簡単なことではありません。株主向けの耳障りの良い説明だと思われます。

 

いずれにしても、持てあまし気味のA380を就航させるには、ホノルルしかないということがわかりますよね。消去法的に、黒字を出せる可能性が高いところはホノルル以外にありません。

 

ここまでは皆さんよくご存知の流れだったと思います。では、2019年春、A380が実際に導入されると、何がどう変わるのか、ANAの公式アナウンスや雑誌の取材、インタビューから推測していきましょう。

 

ハワイ線の航空運賃は全体的に少し安くなる見込み

A380

 

2016年1月29日に発表されたANAホールディングスの中期経営計画より。グループ経営戦略室長の長峯豊之・取締役執行役員の言葉。

 

A380導入後のホノルル線の運賃設定については、「具体的な価格は話せない」と明言を避け、「少なくとも現在よりは下がると予想している」と述べるに留めた。現在は10%程度を占める日本-ホノルル線での座席供給量は、A380の投入で24%程度まで拡大できるとの見通しを示した。

http://www.aviationwire.jp/archives/80861

 

供給が増えれば価格が下がるのは当たり前ですが、それほど大きな価格下落は起きないと見ておいていいと思います。ジャンボジェットと呼ばれたB747を1日に何便も飛ばし、供給過剰だった団体旅行全盛期とは時代が違います。個人旅行、リピーターの比率が増えている現在、かつてのように包括旅行割引運賃で薄利多売をする構造ではなくなってきています。

 

チャイナエアラインが今以上に下がることは少し考えにくいので、ANA、JAL、デルタ、ハワイアンの価格が今よりも少し安くなってくるというイメージでしょうか。

 

総座席数は500~600席

同じく2016年1月の中期経営計画より。

 

ANAホールディングスの片野坂真哉社長は2月2日、2019年春に導入を予定しているエアバスA380型機について、総座席数を500席から600席の間で設定する方針を示した。片野坂社長は「500席以上を設定しても、シートピッチなどに影響はない」と述べた。

http://www.aviationwire.jp/archives/81333

 

参考までに、他航空会社のA380客室仕様を見てみましょう。ANAのA380にはファーストクラスが設定されることが公式アナウンスされているので、同条件の3 or 4クラス構成の機材で見てみます。F=ファーストクラス、C=ビジネスクラス、PY=プレミアムエコノミー、Y=エコノミークラスです。

 

  F C PY Y 合計
大韓 12 94   301 407
シンガポール 12 86   311 409
ブリティッシュ 14 97 55 303 469
カンタス 14 64 35 371 484
エミレーツ 14 76   399 489
マレーシア 8 66   420 494
エティハド 11 70   417 498
中国南方 8 70   428 506
タイ 12 60   435 507
カタール 8 52   457 517
ルフトハンザ 8 98   420 526
エールフランス 9 80   449 538
トランスアエロ 12 24   616 652

 

500~600席ということは、中国南方からエールフランスまでが該当しますね。 これらにはいずれもプレミアムエコノミーは設定されていません。ここからは完全に私の妄想になってきますが、ANAのホノルル線ではプレミアムエコノミーが設定される可能性が非常に高いと私は考えています。

 

また、ファーストクラスは1階に設定している航空会社が多いんですが、ここは日本人の特性を考えて、2階に設定されるのではないかと。特別感が違いますものね。2階にファーストクラス8席とビジネスクラス60席、プレミアムエコノミー40席、1階が全てエコノミーで420席。合計528席程度、というのが私の予想です。

 

アウトバウンド需要が圧倒的なので、外国人の超富裕層を狙う必要はありません。ファーストクラスやビジネスクラスは他航空会社のような、目もくらむような豪華仕様とはならないでしょう。現在北米に飛んでいるB777とそう変わらないレベルになるはずです。その代わりに、家族や恋人同士にとって、居心地がよくなるような工夫がなされるでしょう。

 

ただし、一度に大量の人数が空港に押し寄せることになるわけで、ホノルルの入国審査は今まで以上に時間がかかることになるかもしれません。

 

客室仕様は攻めのリゾート特化型に

「ほぼアウトバウンドの日本人のみ」「仕事ではなくレジャー目的」「A380が他路線に使い回される可能性はほぼない」という、他の路線とは性質が違う特異な状況にあるため、客室仕様は今まで他の航空会社で見られたA380とは全く違ったモノになると予想されます。

 

以下、雑誌『航空旅行』Vol.21(エアライン2017年6月号別冊)から引用。

 

現時点で具体的な発表はない。しかし、担当者に話を訊いたところ、いくつかのヒントが得られた。

 

ビジネスクラスの場合、近年のANAが開発したプロダクトは、高いプライバシーを求める傾向が強いビジネス客を意識して個室感覚を追求したものが多かった。しかし利用者の大部分がレジャー目的のホノルル線では2名以上で利用する乗客が90%以上を占めるといい、A380に搭載するプロダクトもこうした路線特性を勘案して隣席とのコミュニケーションが取りやすいものになりそうだ。

 

最新鋭B787-9のビジネスクラスには、わずかに2つだけ、隣席とのパーティションが可動式になっているところがあります。以下の記事に少しそのことについて書いてあります。

 


しかし、たったの2つだけですからね。2名以上の利用が90%というホノルル線では、並びの部分は全て可動式パーティションということになるんじゃないでしょうか。さらに、ファーストクラスに関しては、シンガポール航空スイートクラスのように、2名で1室のダブルベッド仕様もあり得るかもしれません。

 

A380はシートを配置できない部分の空間にも余裕があるため、すでに同機を導入している各社は機内ラウンジや機内免税ショップなどオリジナリティあふれる設備を施している。「こうしたスペースをどのように使うか、検討を進めている」と担当者は語る。

 

この部分も非常に楽しみですね。やはり先ほどの「アウトバウンド」「レジャー」「ホノルルオンリー」という3つの特性を踏まえて、「日本人が」「ワクワクするような」「ハワイらしい」設備になるのではないかと思います。すでに塗装は、ハワイそのものという感じが決定していますしね。

 

海外初のANAラウンジが設置されるかもしれない

羽田空港国際線ANA SUITE LOUGE

 

JALのサクララウンジは、海外空港にいくつもあります。フランクフルト、サンフランシスコ、バンコク、マニラ、そしてホノルルです。しかしANAラウンジは国内のみで、海外の空港にはひとつもないんですよね。

 

もしかしたら、初めての海外ANAラウンジが設置されるかもしれません。『航空旅行』Vol.21より。

 

機内だけでなく、1便で500人前後の乗客を受け入れる空港サービスでも、ホノルル空港での自社ラウンジ設置が可能かどうかなどといった調査・検討が進められているようだ。

 

上記引用は記者の発言で、ANA側からの言葉ではありませんが、少なくとも調査・検討がされていることは確かなようですね。

 

2017年現在、ANAの上級会員やビジネスクラス利用者がホノルル空港を利用する場合、ユナイテッド航空が運営するUnited Clubというラウンジを使うことになります。これが、まあ見事なくらいひどい場所なんですよね……。

 

「動物の餌かと見紛うようなひどい食べ物」「アルコールが有料」「まずいソフトドリンク」「全く寛げない椅子、内装」「いつ行っても大混雑」「スタッフがろくに仕事をしてない」「ゴミ箱がゴミであふれてる」と、挙げていったらキリがないくらいの惨状です。私自身も、もうホノルルのUnited Clubは使わないことに決めています。空港内飲食店で過ごす方が何倍もマシです。

 

特にA380ではファーストクラスが設定されるわけですから、富裕層の需要に見合ったラウンジの設置が急務だと思われます。どれだけ成田空港と機内で素晴らしいサービスを提供しても、United Clubで全てが台無しになってしまいますから。

 

イチから自社ラウンジを設置してもいいですし、ユナイテッド航空からUnited Clubの場所を譲り受けて、スターアライアンス全体に対してANAのサービスを提供するというのも良さそうです。こうすれば、北米に帰るアメリカ人乗客に対しても、ANAの良さをアピールできるのではないでしょうか。

 

特典航空券の枠が確実に増える

特典航空券に関しては、陸マイラーとして見逃せない発言が複数のソースで散見されます。まず2016年株主総会での殿元専務の発言。

 

ホノルル行き特典航空券の取りにくさをA380で改善する。

http://www.aviationwire.jp/archives/93268

 

そして、雑誌『航空旅行』から。

 

提供座席数の拡大によりANAマイレージクラブの会員が特典航空券を利用しやすくするのも狙いの一つであるという。巨大なキャパシティにより特典航空券向けの提供座席数も増やせるわけだ。

 

一方で、「特典利用者が増えても収益の向上には結びつかないのでは?」との疑問も湧くが、必ずしも路線ごとの収益性が問題となるわけではないのだという。実はAMCの特典航空券でもっとも人気が高いのがホノルル線で、同路線で特典航空券の予約がしやすくなれば、利用者としては再びANAでマイルを貯めようという意欲が高まることになる。ANAではA380のホノルル線投入でマイレージプログラム全体の魅力を向上させ、それによってANAファンを増やしたいと考えている。

 

当ブログでもANAホノルル線の特典航空券の取りにくさは、幾度となく取り上げてきました。需要の大きさに比べて、供給が全く追いついていなかったんですよね。現状、JALと比べると総座席数自体が半分以下。当然ながら、特典枠もそれに準じた数字になっていたはずです。

 

A380が導入されるとこの状況は一変し、便数こそJALに負けるものの、座席数ではほぼ同程度になります。現状からは、約2倍の席数となるのです。特典枠も2倍近く広げられるということになります。

 

355日前に開放される特典枠は、ホノルル線の場合ビジネスが4席(うち2席は上級会員優先)、これが2倍になる可能性は低いかもしれませんが、エコノミーの方は2倍拡大が確実と思われます。「家族4人でハワイ!」といった取り方が、JALと同程度にはやりやすくなるかもしれませんね。ただし、必要マイル数に関しては、もしかしたら若干引き上げがあるのではないかと私は危惧しています。

 

特典航空券ZONE区分

 

ANAの特典航空券Zone区分はホノルルだけ独立してZone 5が設定されているためです。たとえばメキシコの必要マイル数を引き上げたいと思っても、該当するZone 6を引き上げてしまうと、北米やアラスカにまで影響が出てしまいますから。

 

まとめ

ANAのホノルル線A380導入で変わるかもしれないハワイ旅行5つのポイント。

  1. 運賃が少し安くなりそう
  2. 座席数が500~600になり入国審査は長時間に
  3. ファミリーやカップルに配慮した構造・座席配置になりそう
  4. 海外初のANAラウンジが設置されるかも
  5. 特典航空券の枠が確実に増える

 

ANAラウンジの設置に関しては少し可能性が低いかもしれませんが、他はまず間違いなく変わると思われます。2019年の春導入予定と、少し先の話にはなりますが、今のうちからイメトレしておきましょう。

 

あとは就航の日付がいつになるのか、A380特典の開放がいつ行なわれるかといった部分が気になりますね。355日前ということはないでしょうから、2019年春以降の特典を取った人には、機材変更のお知らせがまず届くことになるはずです。そこからが本当の争奪戦スタートですね。楽しみです。

 

私自身も、就航初日のファーストクラスを是非狙っていこうと思っています。

 

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