ブログタイトルに『ANA』と銘打っている通り、ここ9年間、毎年マイルを貯めて、ANAのビジネスクラスでハワイに行くのがならわしでしたが、今年は初めてJALのビジネスクラスで行ってみることにしました(もちろんマイル特典航空券です!)。
「ビジネスクラスなんて、お金持ちじゃないと乗れないでしょ……。自分には関係ない話だ……」。そう思っていませんか? お金のかからないマイルの貯め方を覚えれば、ビジネスクラスに乗るのは簡単です。
今回は、旅の始まりを盛り上げる、JALファーストクラスラウンジと、サクララウンジを、ANAとの比較という観点から写真たっぷりでご紹介します。
- JALファーストクラスチェックインカウンターは素早くチェックインが終わる
- JALファストセキュリティレーンは素早く保安検査が終わる
- JALサクララウンジの概要
- JALサクララウンジに行ってみた
- 成田空港JALサクララウンジの内部
- JALファーストクラスラウンジの概要
- JALファーストクラスラウンジに行ってみた
- チェックインからラウンジまでのANAJAL比較
- まとめ
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JALファーストクラスチェックインカウンターは素早くチェックインが終わる
2017年度、私はJMBダイヤモンド会員となっているため、まずはファーストクラスチェックインカウンターに向かいました。時期と時間帯の関係で空港全体がガラガラだったので、ビジネスカウンターでもJGCカウンターでも、どこに行っても良かったんですが、そこはそれ。最上級の場所に行きたいのが人情というものです。もちろん混雑時なら、エコノミーカウンターとはかかる時間が全く違います。
このファーストクラスチェックインカウンターを利用できるのは、ファーストクラス搭乗者、JALダイヤモンド会員、JALグローバルクラブプレミア会員、ワンワールドエメラルド会員だけとなっています。対象者が比較的少ないため、混雑時でも、ここだけは素早くチェックインを終えられます。
この素早さ、快適さを求めて、上級会員になるために何度も飛行機に乗る、いわゆる「修行」を行なう人たちがたくさんいるわけですね。修行については、『一生のステータス ANA スーパーフライヤーズカード(SFC)の全て』という記事に詳しいです。ANAについての記事ですが、内容はJALでもほぼ同じです。
他とは違い、ダークブラウンの木目調でまとめられたカウンターに、赤絨毯。右奥にソファらしきものが写ってますよね?
これがファーストクラスチェックインカウンター奥の対面にあるソファ。このあたり、ANAのZカウンターを思わせる部分ですが、普通に目の前を一般客も通り過ぎたりしますから、特別感はほとんどありません。座っている人も一人もいませんでした。
JALファストセキュリティレーンは素早く保安検査が終わる
ANAの場合、Zカウンターから保安検査所までが一体化していますが、JALの場合はチェックインを他の乗客とほぼ同じ場所で終えてから、すぐ目の前にあるファストセキュリティレーンという名の保安検査所に向かいます。
エコノミークラス搭乗者や一般会員は通れないため、ここも通常の保安検査所と比べると通過にかかる時間が段違いに短くて済みます。混雑時のエコノミークラスと比べると、先ほどのチェックインカウンターと合わせて、合計で1時間近く短縮できる場合がありますね。
これがJALファストセキュリティレーン。入り口で、入室資格を確認されます。入室できるのは、ファーストクラス、JMBダイヤモンド、サファイア、JGC会員とワンワールドエメラルド会員。
ファーストクラス搭乗者かダイヤモンド会員しか入れないANAのZカウンターと違って、平JGCやサファイア(ANAプラチナ相当)でも通れるのでハードルは低めです。
ここを通るとすぐ目の前が出国審査、さらにその目の前がJALファーストクラスラウンジとサクララウンジとなっており、移動が実にスムーズです。
これは公式サイトからの画像ですが、私が書き加えた赤の矢印を見ていただくと、カウンターからファストセキュリティレーン、出国審査、ラウンジと、ほとんど無駄な動きがないのがわかりますよね。あっという間にラウンジに到着という感じでした。
成田空港第1ターミナルのANAの場合、Zカウンターはスムーズですが、2カ所あるラウンジまでは、どちらもかなりの距離があります。JALも結局は搭乗口までかなり歩く事にはなりますが、すぐにラウンジでくつろぐことができるのはポイントが高いと思いました。
JALファーストクラスラウンジと、サクララウンジは、いずれも「航空会社ラウンジ」です。ゴールドのクレジットカード保有者が入ることができる、いわゆる「カードラウンジ」とは中の様子もサービスの内容も大きく違います。この違いについては以下の記事に詳しく解説してあるので、是非読んでみてください。
JALサクララウンジの概要
成田空港JALラウンジは本館側とサテライト側にそれぞれあります。今回訪問したのは本館3F。成田空港サクララウンジには以前にも何度か訪れた事がありますが、2016年3月に中がリニューアルされ、かなりキレイになっていました。
営業時間
- 本館3F 07:30~22:00
- 本館4F 07:30~12:30・15:30~19:30
- サテライト 07:30~19:30
入室条件
- JMBダイヤモンド
- JGCプレミア
- JMBサファイア
- JALグローバルクラブ
サクララウンジの入室条件は、JMBクリスタルを除く全ての上級会員資格を持つ人、プレミアムエコノミークラス以上の搭乗券を持つ人、それと、JALラウンジクーポンを持っている人となります。ビジネスクラス搭乗者なら、特に上級会員資格を持っていなくても入れますし、もちろんマイルで取得したビジネスクラス特典航空券であっても入れます。
JALサクララウンジに行ってみた
写真正面に見えているのがサクララウンジの受付。中に入って左側の奥にはダークブラウンの色調の別な受付があり、そちらがファーストクラスラウンジの受付になっています。
サクララウンジ側で受付してもらったところ、「あちらのファーストクラスラウンジがご利用になれます」と言われたんですが、「いえ、こっちも中を見たいんです(笑)」と言って、先にサクララウンジに入らせてもらいました。
受付のカウンターには搭乗口の地図が置いてあり、各搭乗口まで、このラウンジから歩いてどれだけかかるのか、時間が書かれています。親切ですね。一番遠い搭乗口までは最大20分もかかるので、その場合は本館ではなく、サテライト側のラウンジに行った方が無難です。私が乗る予定だったのは64番搭乗口。本館側ラウンジから7分となっています。
サクラのパネルを見ながらエスカレーターで2Fへ。降りたところがサクララウンジです。
成田空港JALサクララウンジの内部
エスカレーターで2Fに降りてくると、正面に案内図があります。この写真はPCサイトでクリックしていただくと大きく見られるようにしてあります。
かなり歪な形ですよね。とりあえず正面の方向に向かって歩いてみます。
エスカレーターから正面方向
エスカレーター降りてすぐ右手にはケータイ通話コーナーとキッズルーム。キッズルームはそれほど広くありませんが、元々ラウンジに入室してくるお子さんの数が少ないので、これで充分なのかもしれません。あるのとないのとでは大違いですよね。
ANA国際線にはキッズルームはありません。唯一、羽田空港国内線ANAラウンジにのみ、スターウォーズをテーマにしたキッズルームが2017年8月11日から開設されています。
左側には鍵がかけられるクローク。
エスカレーター正面の細長いスペースです。アースカラーを基調とした明るい雰囲気ですが、高級感はあんまりないですね。窓からは飛行機がよく見えます。窓の反対側にはドリンクが置いてあります。
ドリンクコーナー
コーヒーマシンと日本酒、ワイン。
各種アルコール。ANAでもそうでしたが、日本のウィスキーが高騰により姿を消しています。念のためラウンジスタッフさんに確認したところ、ANAのように奥に隠してあるわけではなく、在庫自体が皆無だそうです。
ソフトドリンクとビールサーバー。
サクララウンジのビールは、細長いスペースがアサヒスーパードライ、広い方がサントリーモルツでした。
2Fにはスナック類しかありません。ちゃんとした食事はひとつ上がった3Fにあります。
JALとANAのラウンジ内最大の違いは喫煙ルーム
エスカレーターから正面の細長いスペースをどん詰まりまで行ったところに喫煙ルームがあります。これがANAとの最大の違い。見てわかるとおり、かなりのスペースがあり、快適な椅子でゆったりとタバコが吸えます。JALは喫煙者にとても優しいのです。
どうでもいいことですが、ガラスの清掃をもっとしっかりした方がいいですね。ヤニがすごいので拭いた跡がくっきり見えてしまってます(笑)。
喫煙ルームを中から撮ったところ。
さらに奥には立って吸う場所があります。
窓側はカウンターのようなスペースになっていて、飛行機が見えます。この眺めでビールを飲みながらタバコを吸えるというのは喫煙者にとって天国ですね。
成田空港のJALラウンジでは、本館4階のサクララウンジ、サテライトファーストクラスラウンジに喫煙ルームがありません。あるのは、本館3Fサクララウンジ、本館3Fと4Fのファーストクラスラウンジ、サテライトサクララウンジとなります。
エスカレーター左側の広いスペース
エスカレーター左側の広いスペースです。こちらにも独立してドリンクコーナーがあります。窓が大きく、とても開放的な雰囲気ですねー。
食事は3FのTHE DININGで
食事はひとつ上の階にあるTHE DININGに上がって食べます。残念ながら非常に混雑していたため、食事の内容は撮影できませんでした。別の機会に訪問した際、この記事に写真を追加しておこうと思います。
THE DININGのテーブルの様子。ほとんど食べている人がいませんね(笑)。スマホやノートPCで作業している人が多かったです。
成田空港サクララウンジには、この他に、シャワールーム、ビジネスセンター、マッサージチェア等の設備があります。
JALファーストクラスラウンジの概要
営業時間
- 本館3階 07:30~22:00
- 本館4階 07:30~12:30・15:30~19:30(日・月曜のみ)
- サテライト 07:30~19:30
入室資格
- JMBダイヤモンド
- JGCプレミア
サクララウンジと違い、こちらはさすがに「ただ単にビジネスクラスの搭乗券を持っている」というだけでは入れません。それなりの上級会員資格を持っているか、ファーストクラス搭乗者(とその同行者)でないとダメです。
どうしても入りたい場合は、上級会員の人と一緒に海外旅行するか、自分自身がJMBダイヤモンド、もしくはJGCプレミアという上級会員になるしかありません。
JALファーストクラスラウンジに行ってみた
サクララウンジでは写真を撮影しただけで、すぐにファーストクラスラウンジの方に行ってみました。
レセプションから色調がガラリと変わり、ダークブラウンで統一されています。気分が落ち着く、いい雰囲気の色調です。JALも「重厚感のある上質な空間」と自分で言い切ってます(笑)。
サクララウンジはエスカレーターで一度2Fに降りますが、ファーストクラスラウンジは3Fをそのまま奥に行くようになっています。
ラウンジへ続く長い廊下の途中にはクローク。この廊下にはシャワールームもあります。自分の場合、シャワーを浴びてから家を出発するので、利用する機会がなかなかないんですよね……。仕事帰りに直接海外というパターンの人だととても便利だと思います。
成田空港JALファーストクラスラウンジの内部
廊下を奥まで行くと、ラウンジの入り口に案内図。この写真も、PCサイトでクリックすると大きな画像が見られるようになっています。
入った瞬間の第一印象は「ん? ちょっと狭い?」という感じでした。単純に混雑していたのと、細長い造りだったからで、決して狭いわけではありません。時間とともにだんだんと空いてきたら、「いやいやいや、普通に広いわ」となりました。
PCコーナー。落ち着いて仕事できそうですね。
2カ所あるドリンクコーナー
さすがにサクララウンジと比べると、ファーストクラスラウンジはアルコールのグレードが上がりました。マッカラン12年、ボウモア18年、バランタイン17年などが用意されています。
しかしここにも日本のウィスキーは置いていませんでしたね。どれだけ高騰が続くんでしょう。
焼酎もいい感じ。
もちろんシャンパンも。
ビールもアサヒスーパードライプレミアムと、一番搾りプレミアムにグレードアップしています。
おつまみ類はサクララウンジとほぼ変わりません。JALのドライ納豆美味しいですよね(笑)。
THE DININGのビュッフェコーナー
パン。三種のチーズの盛り合わせ。ブルーチーズがとても美味しかったです。
サラダと和のアミューズ。どれもとても美味しかったです。
オマール海老のビスク! こちらは妻が大のお気に入りでした。確かに美味しいです。
温かい食べ物は、この時期、中華推しみたいです。残念ながら途中でお腹いっぱいになってしまったため、この辺は食べていません。
変わり種として、自分ではさんで作るパーカーハウスサンドイッチというものがありました。
そしてJALと言えばこれ! 特製オリジナルビーフカレーですね。JALのラウンジでは毎回食べていましたが、今回はこれを食べてしまうと、別のアレが食べられなくなってしまうため、やめておきました。
本館3Fファーストクラスラウンジのみの握り寿司サービス
これこれ! これを食べたかったんですよねー。成田空港本館3FのJALファーストクラスラウンジでだけ供されている、握り寿司です。時期によってネタの内容が変わり、3種類から好きな3貫を選べるようになっています。このときは中トロ、ヤリイカ、玉子となっていました。
国際線ANA LOUNGEでも実演の握り寿司はありますが、「ネタの方はそれなりでございますから、是非にとは申しません(笑)」とスタッフの方から聞いた事もあり、そちらはまだ食べた事がありません。比べるために食べておけばよかったと後悔しました(笑)。
ダイニングコーナーのど真ん中にこんな感じのSUSHI BARが設置されており、3人の職人さんが目の前で握ってくれます。
職人さんから寿司を受け取るカウンターの逆サイドにはSAKE BAR。日本酒が3種置いてあります。全部飲んでみました。うーん、イイ感じ。SAKE BARに置いてあるワイングラスじゃなく、お猪口で飲みたかったような気もしますが。
「中トロ2貫、ヤリイカ」→「中トロ、ヤリイカ、玉子」→「中トロ3貫」という流れで3皿いただきました。え、多いですか? 5皿とか食べてる人もいました。職人さんからも「もっと食べに来てよ!」という雰囲気を感じました。客が途切れるとあからさまにテンション下がっていましたから(笑)。
文句なく良い中トロです。非常に美味しかったです。
この握り寿司は、成田空港JALファーストクラスラウンジのうち、本館3Fでしか供されず、時間も限られています。提供時間は07:30~12:30と15:00~20:00の2シフト。せっかくですから、この時間帯に是非ラウンジにいたいものですね。
19:30以降のみと、さらに提供時間が限られる、羽田空港国際線ANA SUITE LOUNGEの『Dining h』と比べて、どちらがより行きたいかと問われたら、私はDining hを取ります。これは意見の分かれるところかもしれませんが。
シューポリッシュサービス
こちらも本館3FのJALファーストクラスラウンジでのみ提供されているサービスになります。
泣く子も黙るジョン・ロブとのコラボで行なわれている靴磨きのサービスですね。革スニーカーも含め、どんな革靴でも磨いてもらえますが、ジョン・ロブと聞いてしまうとかなりの気後れが……(笑)。それなりのいい靴を履いていくときには利用したいと思います……。
ファーストクラスラウンジも喫煙ルームが広い
JALファーストクラスラウンジには、サクララウンジよりもさらに快適な喫煙ルームがあります。手前が喫煙、星座のような模様が描かれているガラスの向こう側が禁煙です。
ドリンクコーナーから少し離れているので、飲み物の持ち込みがちょっと面倒ですが、ここはまたゆったりできますねー。ただ、なんて言うんでしょう、若干ね、昭和のスナック感があるんですよね(笑)。いやいやそんなこと言ったらバチが当たります。このご時世、これだけ立派な喫煙ルームを残しておいてくれているJALには感謝しかありません。
ちなみにANAが誇る最上級ラウンジ、国際線ANA SUITE LOUNGEの喫煙ルームはこんな感じです。
これが成田のANA SUITE LOUNGEの喫煙ルーム。椅子が硬くて10分と座っていられません。
これが羽田のANA SUITE LOUNGEの喫煙ルーム。待合室かっ。リストラ部屋かっ。というくらい狭く切ない場所になってます。しかもベンチシートの奥行がわざと狭く作られていて、お尻が半分しか乗りません。全くくつろげません。一刻も早くここを出ていけというANAの圧力を感じます。
JALほど豪華な喫煙ルームにしてくれとは言いませんが、ここで吸っている限りは誰の迷惑にもならないんですから、もうちょっと優しくしてくださいよとは思いますね……。
チェックインからラウンジまでのANAJAL比較
まだ羽田国際線のJALラウンジを経験していませんが、ここまでで感じたことをいくつか。
- チェックインカウンターと優先保安検査が一体化している成田のANA Zカウンターはやはり素晴らしい。これはJALもやりたいことの一つだと思う。
- 空港での動線は成田JALが圧倒的に短く、わかりやすく、利便性が高い。
- 食事はANA、JALどちらも美味しいが、ANA羽田国際線SUITE LOUNGEのDining hは演出面も含めて頭一つ抜きん出ている。
- ANAの最上級ラウンジでは、入室時のアテンドとファーストドリンクの提供が行なわれており、気にしない人も多いだろうが、受けて気分がいいサービスであることも確か。人的コストとの兼ね合いが難しそう。
- キッズルームはJALに一日の長がある。
- JALは重厚感の演出が得意で、昭和の部長さん向けサービスに力を入れている。特に喫煙者に対する優遇はすごいものがある。
チェックインからラウンジまでは、ANA、JAL、それぞれに良い部分、足りない部分があり、甲乙付けがたいです。私が喫煙者であるために、少しJALに傾きがちですが、そうでない人にとっては大きな差は感じないのではないかなと思いました。
まとめ
成田空港第一ターミナルJALサクララウンジと、初めてのJALファーストクラスラウンジを体験してきました。サクララウンジは爽やかで明るい雰囲気。ファーストクラスラウンジは重厚感のある落ち着いた雰囲気です。
ファーストクラスラウンジの握り寿司は、想像以上にネタの質が良く、1皿だけでは止まりません。他にも美味しいものがたくさんあり、目移りしちゃいますね。
また、喫煙者にとっては天国とも言える、広くて快適な喫煙ルームがあることも、JALラウンジの大きな特徴です。このご時世、喫煙者を手厚く遇する必要まではないと思いますが、ANAもほんの少しは優しくしてくれたらなと思いました。
次回はホノルル線の機材をANAと比較します。