ANA SFC修行を終えると享受できるサービスに「優先搭乗」というものがあります。ビジネスクラス利用時や、上級会員だったりすると受けられる、この優先搭乗のメリットが自分にはよくわからなかったんですよね。
「え? 別に早く搭乗しても意味なくない? その分、狭い機内で離陸を待つだけの退屈な時間が伸びるだけだし、搭乗口の行列が無くなる頃を見計らって乗り込めばよくない?」と。自分、マイルはそれなりに貯め込んでますけど、年に1〜2回、ハワイに行くくらいしか飛行機に乗らないもので……。
なので優先搭乗のメリットを調べて考察してみました。わかっている人にとっては当たり前の話なんですが。
一般的に言われている優先搭乗のメリット
- 機内持ち込み手荷物のスペースを先に確保できる
- 何かと時間がかかる乳幼児がいるときに楽
- 搭乗口の行列を回避できる
- 配る部数に限りがある新聞・雑誌を選べる
優先搭乗最大のメリットは、限りある機内収納スペース(オーバーヘッドビン or オーバーヘッドコンパートメント)に真っ先に手荷物を置くことができるということに尽きるようです。
満席時、大荷物を持ち込んで乗り込むときには、自席すぐ上のオーバーヘッドビンに荷物を置けないと確かにとても不便です。CAさんにお願いして、遠く離れた空きスペースに置かれたりすると、フライト中に気軽に荷物を出し入れすることもできません。
自分の場合は国際線ばっかりなので、預け荷物が主で、持ち込み手荷物は前方座席下に置ける大きさだったのでよくわかっていませんでした。
3の行列を回避できるということについては、持ち込み手荷物が小さくて前方座席下に置けるのならば、最後に搭乗すればいいだけなので、1と連動ですね。
4の新聞・雑誌も、自分は一度も機内で読んだことがないのでよくわかりませんでした。最近は機内に入るとiPadで電子書籍を読み始めます(機内モードで読めますし)。
航空会社側から見た優先搭乗のメリット
優先搭乗を受ける客の多くは、飛行機に乗り慣れている人たちと見做すことができます。そういう人たちが先に搭乗することによって、全体の搭乗時間が短くて済むというメリットはあるかもしれません。慣れていない人が先に乗り込めば、手荷物の収納等で通路を塞ぐ時間が増えると考えられるからです。
また、当然ながら、優先搭乗という特権を上級会員に与えて、自社便に囲い込めるということもありますよね。
優先搭乗が無効化される地獄路線
東京ー大阪路線は日本最大のビジネス路線であり、客の半数近く、時間帯によってはそれ以上が優先搭乗権を持つ上級会員だったりします。優先レーンにも行列ができる状態になり、これでは優先搭乗の意味がほとんどありません。
優先搭乗強迫症にならないために
以上のことを踏まえ、あえて優先搭乗せず、行列が解消する頃合にゆっくり搭乗した方がいいんじゃないか? と思われるパターンの優先順位を考えるとこうなります。
- 機内持ち込み手荷物が小さく、前方座席下に置けるとき
- 席が通路側のとき(後から窓側の人が来たら立たないといけない)
- 乳幼児と同乗しないとき
- ラウンジでゆっくりしたいとき
- 新聞・雑誌を読まないとき
- 地獄路線のとき
条件に全て当てはまるにも関わらず、それでも優先搭乗したいというのは、「与えられた特権は行使しないと気が済まない」という意地汚さが否めません。SFCを取得しても、そうならないように気をつけたいと思います。所詮陸マイラーは航空会社の利益にならないフリーライダーみたいなもんですからね……。