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最強ANAカード ANA VISA ワイドゴールドの最大還元率1.72%はどうやって実現するか

最終更新日:2018年1月1日

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2018年現在、ANAマイラーにとっての還元率最強クレジットカードは、ANAカード『ANA VISA ワイドゴールドカード』*1。当ブログでは何度か「ANA VISAワイドゴールドカードのマイル還元率は最大で1.72%になる」と紹介してきました。

 

しかし、ただ何も考えずに使っているだけでは還元率1%にしかなりません。還元率を最大化するためには、いくつかやらなくてはいけないことがあるんです。今回はその仕組みを詳しく解説します。

 

ポイントサイトではなく、あくまでもカード決済だけでマイルを貯めたい人はもちろん、ポイントサイトとカード決済の両方で貪欲にマイルを貯めたい人、どのANAカードでマイルを貯めるか迷っている人にとっても、必読のテクニックです。

 

 

ANA VISAのマイル還元率最大化に必要な3つの行動

 

  1. マイ・ペイすリボの利用
  2. ソラチカルートの利用
  3. 年間300万円以上の決済

 

優先順位の通りに並べてあります。最後の条件が満たせない場合でも、上の2つさえ満たせば初年度から還元率1.45%までは上げられるので、最低限、上の2つはやる必要があります。決済額に自信のある人は3つめも実践してください。3つ全てをクリアすれば、翌年から還元率1.72%となります。

 

1. マイ・ペイすリボの利用でボーナスポイントを獲得する

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マイ・ペイすリボは三井住友カード特有の制度で、買い物の全てをリボ払いにすれば、ポイントが2倍もらえて、さらに年会費まで安くなるというものです。他社のANAカードにはこの制度はありません。

(「リボ払いなんかしたら、金利というか、手数料が大変なことになる!」と思った方は、後述する金利抑制策を読んでください。毎月10円程度のわずかな手数料で済ませられます)

 

ワールドプレゼントポイントは、1,000円につき1ポイントが付与され、これは10マイルに交換することができます。ちなみに1,000円につき1ポイントというのは、決済毎に1,000円以上の買物をしなくてはいけないということではなく、1ヶ月の合計利用金額で決定されます。

 

たとえば、ANA VISAカードで1ヶ月合計1,400円決済したら、もらえるワールドプレゼントポイントは1ポイント。マイ・ペイすリボを利用していれば、これに加えてさらに1ポイントがもらえます。ただし、「通常ポイント」としてではなく、「ボーナスポイント」としてです。

 

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通常ポイントの方は1ポイント=10マイルで移行できますが、ボーナスポイントの方は1ポイント=3マイルにしかなりません。ゆえに見かけ上は、倍の2ポイントがもらえていますが、マイルに移行すると、13マイル。実質還元率は1.3%になるということですね。

 

計算がしやすいように、仮にANA VISA ワイドゴールドで1千万円決済したとすれば、通常ポイント分で10万マイル。ボーナスポイント分で3万マイル。計13万マイルになります。

 

マイル還元率1.3%でも充分に高いと言えますが、わざわざ高い年会費を払うのですから、さらに還元率を上乗せしていきましょう。

 

2. ANA VISAにおけるソラチカルートの利用

上記の通り、ワールドプレゼントポイントのボーナスポイントは、直接マイルに移行してしまうと、1ポイント=3マイルにしかなりませんでした。しかし、ボーナスポイントをいったんPeXに移行して、ソラチカルートに乗せれば、還元率はさらに上がるんです。

 

三井住友ワールドプレゼントは、通常ポイントとボーナスポイントがしっかりと分けられて表示されるので、ボーナスポイントだけをPeXに交換します。

 

  • 通常ポイントは直接ANAマイルに交換する。(1ポイント=10マイル)
  • ボーナスポイントはPeX経由でANAマイルに交換する。(1ポイント=4.5マイル)

 

ポイ探で、「ANA VISA(マスター)カード(ボーナス)」をANAマイルに移行するルートを確認してみましょう。先ほどの例にならい、1千万円決済したと仮定しての計算です。

 

ワールドプレゼントポイント(ボーナス)→PeX→メトロ→ANA

 

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1千万円決済で得られるボーナスポイント10,000は45,000マイルになりました。つまり、ボーナスの方の還元率は0.45%。通常ポイントの方は1%。合わせて1.45%となります。

 

ボーナスポイントをソラチカルートで交換するには、当然ながらPeXへの登録と、ソラチカ(ANA ToMe CARD PASMO JCB)の発行が必要です。ソラチカの詳細は以下の記事を読んでみてください。 

 


なお、三井住友カードのワールドプレゼントからPeXへの交換ルートは2017年6月から開始されました。それ以前はGポイントへの交換が必須で少し還元率が落ちていましたが、2017年6月以降は改善されています。

 

3. 年間300万円以上決済でボーナスポイントを最大化

三井住友カードは、決済額に応じてステージが決定され、翌年からボーナスポイントがもらえるようになります。こちらもマイ・ペイすリボでもらえるのと同じくボーナスポイントなので、ソラチカルートで還元率の最大化ができます。ただし、ANA VISAプラチナプレミアムにはこのボーナスステージは設定されていません。還元額に関わらず一定です。

 

ゴールドカードの場合、年間50万円以上の決済で、翌年からステージV1、100万円以上でV2、300万円以上でV3となります。

 

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V3の還元は50万円決済毎に300ポイント。先ほどの例にならい、V3達成の翌年に、仮に1千万円決済したとすると、ボーナス6000ポイントがもらえます。これはソラチカルートを使ってANAマイルに移行すると、27,000マイル。還元率は0.27%ですね。

 

マイ・ペイすリボ+ソラチカの還元率1.45%に、決済ステージの還元率0.27%を足すと、1.72%となります。これが、ANA VISA ワイドゴールドカードの実質マイル還元率の最大理論値です。

 

V2の場合は1.45+0.135=1.585%。V1の場合は1.45+0.09=1.54%となります。

 

毎年300万円決済するのは多くの人にとってきついでしょうが、年間50万円決済でも実質マイル還元率は1.5%を超えるのです。これはユナイテッド マイレージプラスや、ANA VISAプラチナプレミアムカードの基本還元率をも超える数字です。

 

マイ・ペイすリボは金利ゼロではボーナスポイントがもらえない 

ソラチカルートの利用と、年間決済額300万円に関しては特に難しいことはありませんが、マイ・ペイすリボには注意が必要です。ただ単にマイ・ペイすリボに登録して、全ての買い物をリボ払いにしただけでは、莫大なリボ払い手数料が発生してしまうからです。

 

普通リボ払いというと、毎月1万円とか2万円とか、少額を支払っていくイメージがあると思いますが、リボの設定で毎月の支払額をカード限度額と同じにしてしまえば、実質的に全て1回払いと同じことになり、手数料は1円も発生しません。賢い人はリボ払い専用カードをこういう風に使っていると思います。

 

しかし、マイ・ペイすリボによるボーナスポイントは、リボ払い手数料が発生しない限りもらえないというルールがあるんです。なので、どうしてもいくらかの金利を払う必要があります。

 

最小限の金利手数料を発生させるテクニック

  1. マイ・ペイすリボのお支払いコース変更で、毎月の支払い金額(元金定額コースの金額)を低めに設定する。
  2. 請求金額が確定したら、マイ・ペイすリボの支払い金額変更から臨時増額をする。
  3. 万が一請求金額がリボの設定(元金定額コースの金額)を下回ってしまった場合、金利を発生させるために支払いを減額する。

 

自分の毎月のカード決済額が平均して20万円だとしましょう。この場合、リボ払いの設定(元金定額コースの金額)は10万円くらいにしておきます。もっと少ない1万円とかでもいいんですが、万が一、増額申請を忘れた場合、すごい金利が発生してしまうので、「これくらいは毎月最低でも決済するな」という額にしておきます。

 

請求金額が確定すると三井住友からメールが送られてくるので、すぐに臨時増額を申請します。これは毎月必ずやらなくてはいけない作業となります。時間にすればわずか数分ですから、簡単ではありますが、やり忘れると多額の金利を支払う羽目になります。また、WEB上からの臨時増額申請は月に1回しかできません。金額を間違えたときは電話で増額申請をしましょう。

 

臨時増額の際、「手数料1円でも発生すればいいんだから、ギリギリまで増額しよう」と思ってはいけません。最初の一回だけは必ず残金が610円~1,610円になるようにします。そうしないと、手数料が発生しないケースが出てきます。さらに詳しく知りたい方は下記リンクを参照してください。

 

 

上手く金利を発生させることができたら、翌月からは残金が最低110円あればOKです。

 

しかし支払いの臨時増額は千円単位でしかできないので、ほとんどの場合、残金110円ぴったりにはできません。どうせ大した金利ではないので、厳密に考える必要はありません。ざっくり110円以上1,100円以下と考えてください。(ちなみに残金が1,000円の場合、かかる手数料はわずか12円ほどです)

 

臨時増額は千円単位でできますが、減額の方は元金定額コースの金額設定自体を変えることになり、1万円単位でしか変更できないので、余計な金利を支払うことになりがちです。何度もこれを繰り返すようなら、毎月の支払い金額設定をもっと低めにしておきましょう。

 

臨時増額はカード引き落としの銀行口座に注意!

「臨時増額」をするには、支払口座の金融機関に関して注意が必要です。下の画像の中に、支払い口座の名前があるかどうか確認してください。

 

支払い銀行


画像で見にくい場合は三井住友カードの「リボ払いの臨時のお支払い方法」というページの「お申し込み期限」を見てください。

 

三井住友カードからANA VISAワイドゴールドの請求金額確定メールが送られてくるのは、毎月25日前後です。ですが、画像一番下の「上記以外」の銀行口座をカードの支払い口座にしている場合、臨時増額の申込期限が早すぎて、請求金額の確定メールが来てからではもう間に合わないのです。

 

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、マイ・ペイすリボで臨時増額するためには、三井住友や、三菱東京UFJ、みずほ、ゆうちょ、りそな等々、上記の銀行口座を引き落としの口座に指定しておく必要があるとだけ覚えておいてください。

 

カードの引き落とし口座は、万が一の支払い遅延を防ぐために、給与振込口座等の預金がたくさんあるメインバンクにするのが望ましいんですが、あなたの使っているメインバンクが上記に含まれていない場合、ANA VISAワイドゴールド用に上記金融機関の支払い口座を確保する必要があります。

 

支払い口座を変える場合は入金のし忘れにくれぐれも注意してください。支払いが遅れてクレヒスに傷がついてしまうと、陸マイラー活動は大きく制限されることになってしまいます。

 

還元率1.72%はANA VISA ワイドゴールドだけの特権

他のANAカード、たとえばANA アメリカン・エキスプレスや、ANAダイナースにはマイ・ペイすリボのようなボーナス制度はありません。還元率も1%で完全に固定です。どれだけ決済しようとも還元率は上がりません。

 

ANA JCBカードには、マイ・ペイすリボに当たる制度はありませんが、決済額によるボーナスポイントはあります。しかしそれも微々たるもの。ソラチカルートでボーナスポイントを移行するとして、ゴールドで年間300万円決済しても翌年の還元率は1.225%止まりです。

 

さらに、ANA VISA ワイドゴールドは、通常年会費14,000円+税のところ、マイ・ペイすリボとWEB明細の登録で、9,500円+税に減額することができます。この年会費割引も、他のANAカードにはない制度です。

 

ソラチカルートが既に渋滞している人は決済カードの再考を

ポイントサイトでの活動をしっかりやっていると、ソラチカルートは渋滞してしまいます。月に2万ポイントしか交換できませんからね。

 

こうなるともう、せっかくANA VISA ワイドゴールドでボーナスポイントをせっせと稼いでも、ソラチカルートに乗せることが出来なくなり、貯める意味がほとんどなくなってしまいます。その場合、カード決済でマイルを貯めるのはやめ、マイルはソラチカ1本に絞った方が得策です。

 

ではカード決済にはどのカードを使い、何を貯めればいいのか。ひとつ強力におすすめできるクレジットカードがあります。スターウッド プリファードゲスト アメリカン・エキスレプレス・カード、通称SPGアメックスです。こちらで決済をおこない、マイルではなく、ホテル宿泊用のポイントを貯めるのです。

 

SPGアメックスについては以下の記事に非常に詳しく書いてあります。ソラチカルートが渋滞していたり、「マイ・ペイすリボなんて面倒でやってられないよ!」という人は、こちらのカードで決済しましょう。

 

 

まとめ

最強ANAカード『ANA VISA ワイドゴールドカード』の還元率を最大化するには3つの工夫が必要です。マイ・ペイすリボの最低金利発生テクニックは、覚えるまでは面倒ですが、覚えてしまえば月に1度、3分で済む作業です。

 

カード会社は手ぐすねひいてリボ払いの利用者を増やそうとしているため、このような破格のボーナス制度があるのです。陸マイラーがこの制度を利用しない手はありません。毎月しっかり増額申請をして、わずかな金利で大きなポイントをいただきましょう。

 

マイ・ペイすリボと、ソラチカ。しっかり活用して、ANAマイルへの交換に役立ててください。ソラチカとポイントサイトだけでマイルが充分に貯められるようになったら、決済にはSPGアメックスを使うのがおすすめです。

 

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*1:ANAダイナース プレミアムのマイル還元率は2%、ANA VISA プラチナ プレミアムの実質マイル還元率は最大で1.95%とさらに高いですが、年会費がそれぞれ155,000円+税、80,000円+税と非常に高額であり、なるべくお金をかけない陸マイラーとしては非現実的と考えて除外しています