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一生のステータス ANA スーパーフライヤーズカード(SFC)の全て

最終更新日:2017年7月17日

ANA VISA スーパーフライヤーズゴールドカード

 

陸マイラーの憧れ、ANA スーパーフライヤーズカード(通称 ANA SFC)とは一体何なのか? どうやったら入手できるのか? SFC修行とは何なのか? 入手したら、何がどう変わるのか? プレミアムメンバーサービス(プラチナ)との違いは? どのカードを発行すればいいの? その全てを解説いたします。

 

飛行機の世界は、鉄道と違い、「たくさん乗る人」に対するVIP待遇があります。乗れば乗るほど手厚いサービスが受けられるようになるんです。

 

 

ANA スーパーフライヤーズカードの基本

プレミアムメンバーサービス│ANAマイレージクラブ

 

ANAの上級会員制度「プレミアムメンバーサービス」には、ダイヤモンド、プラチナ、ブロンズの3つの区分があり、これらは全て1年間限定の資格です。毎年何回も何回も飛行機に乗り続けなければ、このステータスは維持できません。しかし、もうひとつ、準上級会員的な区分として、ANA スーパーフライヤーズが用意されています。

 

ANAスーパーフライヤーズカードは一言で言うと、「年会費さえ払い続けていれば、一生ANA上級会員の資格を持ち続けることができる特別なクレジットカード」ということになります。

 

ANA SFCの取得条件とは

そんなすごいクレジットカードが、そう簡単に入手できるはずはありません。いくつかの段階を経て、やっと手に入ります。

 

  1. ANA便やスターアライアンス便に何度も何度も乗って、1月1日から12月31日までの1年以内に、5万プレミアムポイントを達成します。(50,000のうち、ANAグループ便で25,000ポイント以上が条件)

  2. すると、翌年4月から1年間、プレミアムメンバー「プラチナサービス」となります。ただし、5万プレミアムポイント達成の翌月からすぐに「プラチナ事前サービス」というものが始まるので、年初に一気に達成すれば、実質2年近くこのサービスが受けられます。

  3. プラチナサービス、ダイヤモンドサービスの提供期間中にだけ、SFCの申込をすることができます(事前サービス期間中も含みます)。逆に言うと、せっかくプラチナメンバーになっても、SFCの申込を忘れて提供期間を過ぎてしまうと、またイチからやり直しです。

  4. 審査を通過すると、ANAスーパーフライヤーズカードが自宅に届けられます。審査というのは通常のクレジットカード審査と同じです。

 

一番困難なのは、5万プレミアムポイントを達成することで間違いありません。ただ、意外とカード審査も曲者ですよね。たとえば「せっかくのSFCだから、カードもゴールド、いや、プラチナカードにするか!」と思って申し込むと、審査に落ちて入手できないという可能性がなきにしもあらずです。その場合はグレードを落として再度申し込む必要が出てきます。

 

もしもゴールド、あるいはプラチナカードでSFCを作るつもりなのであれば、申込のずっと以前から当該カードを保有しておくのが安心です。たとえばANA VISA ワイドゴールドカードを予め保有している人なら、ANA VISA SFCゴールドに切り替えるのは、実質無審査で済みます。「同一ブランド同一グレードなら、切替時の審査落ちはない」と覚えておくといいでしょう。

 

ちなみにSFC一般カード(青いカード)は、名前こそ一般ですが、実質的にANAワイドカード同等なので、ANA一般カードからSFC一般カードへの切替時には審査落ちの可能性がわずかながらあります。SFC一般カードを申し込むつもりなら、申込のずっと以前にANAワイドカードを保有しておき、同一ブランドでの切替にすると審査落ちがありません。

 

SFCではない各ANAカードのグレードやブランドによる違いは下記リンクを参照してください。

 

 

5万プレミアムポイントはどうやって貯めるのか

マイルとプレミアムポイント

 

プレミアムポイントは、マイル残高とは別に記録されており、ANAマイレージクラブにログインすると、トップページに表示されます。上の写真はあと120プレミアムポイントで「プラチナサービス基準に到達」となっていますね。何回も何回も飛行機に乗った結果、ここまでたどり着いたということです。

 

5万プレミアムポイントを手に入れるには、有償で一体どれだけ飛行機に乗る必要があるんでしょうか。プレミアムポイントのシミュレータが用意されているので、そこで調べることができます。

ANA SKY WEB : ANAフライトマイル・プレミアムポイントシミュレーション

 

羽田-伊丹のプレミアムポイント

 

上の写真は、出張族に多いパターン、羽田ー伊丹を「普通運賃」で乗った場合の片道のプレミアムポイントになります。普通運賃は「運賃3」なので、960プレミアムポイントですね。結構厳しい数字です。

 

もしもこの路線だけで5万プレミアムポイントに挑戦するとなると、50,000÷960=52.08となり、1年間でなんと26回往復+αしないと無理という計算になります。羽田ー伊丹の普通運賃片道は約25,000円。52レグ乗ると、130万円(!)。自腹では到底出せない金額ですよね。この巨額の出費が、ANA SFC取得の前に立ちはだかる大きな壁です。会社のお金で乗る出張族なら、いとも簡単に達成できるんですが……。

 

もちろん路線によっては、もっと少ない金額で済むものもたくさんあります。私がSFC修行でよく使った、羽田-那覇線のプレミアムクラスで得られるプレミアムポイントも見てみましょう。プレミアム株主優待でも、プレミアム旅割28でも得られるプレミアムポイントは同じです。

 

羽田-那覇のプレミアムポイント

 

羽田-那覇をプレミアムクラスで乗ると片道2,860プレミアムポイントです。羽田-大阪よりだいぶ多くなりました。この路線だけで5万プレミアムポイントを達成するには、50,000÷2,860=17.4 ですから、片道18回。9回往復すればいいということになります。

 

片道の価格は約3万円。30,000×18=540,000円。全て株主優待割引で乗るなら、これとは別に、株主優待券を18枚入手する必要があります。1枚4千円として72,000円。総額で612,000円。羽田-伊丹を普通運賃で飛ぶよりはずっと安く済んでますが、それでも60万円超。「飛行機、好きなんですよね~」というレベルの人間が容易に手を出せる金額ではありません。

 

この「巨額の出費」「ただ上級会員資格を得るためだけに何度も飛行機に乗る」という苦行をSFC修行(えすえふしーしゅぎょう)と称します。プレミアムポイント(PP)を効率よく得るため、1日に羽田-沖縄2往復のような、一般的な感覚からすると異常とも思えるフライトを敢行する者を、修行僧(しゅぎょうそう)といいます。そして、50,000PPを達成し、ANA スーパーフライヤーズカード発行の権利を得ることを解脱(げだつ)と、俗にいいます。

 

陸で貯めた大量ANAマイルをスカイコインに交換することによって、この「巨額の出費」を乗り越えることもできます。ANAワイドゴールドカードを保有していれば、5万マイル以上いっぺんにANA SKYコインに交換する場合、1.6倍の交換率が適用されるため、5万マイルは8万SKYコインに交換できます。54万円の航空券を購入するには、34万マイルほどあれば足りる計算です。

 

大量のマイルを保有していると、SFC修行は全て無料で済ますことが可能なのです。JALではなかなかこうはいきません。これは、陸で効率よくマイルを貯められる、ANAならではの特権です。

 

お金をほとんど使わずに、陸で大量ANAマイレージを貯める方法は、以下のまとめリンクを参照してください。順番通りに読み進めることによって、ANAマイルの貯め方が理解できるようになっています。

 

 

ANA スーパーフライヤーズで受けられるサービスとは

ANA スーパーフライヤーズを入手すると、同時にスターアライアンス*1のゴールドメンバーにも昇格します。ANAのサービスが受けられるだけでなく、スターアライアンス便に乗る時も同様のサービスが受けられるということです。

 

ANA スーパーフライヤーズのサービスは大きく4つに分けられます。「」がついているものは、スターアライアンスでも受けられるサービスです。スターアライアンスはほぼ空港関連ですね。

 

マイレージ関連

  • フライトマイルに加え、35%~50%のボーナスマイルが加算される
    SFC一般カードが35%。SFCゴールドカードが40%。プレミアムが50%。スーパーフライヤーズ会員でなおかつプレミアムメンバーでもある場合、より好条件の方が適用されます。

予約関連

  • プレミアムメンバー専用サービスデスク
    一般会員のデスクより格段に電話がつながりやすくなります。特に電話が混雑する繁忙期には強い味方となります。

  • 予約時の空席待ち優先取り扱い
    国内線、国際線ともに、本人だけでなく同一予約の同行者の空席待ち予約も優先されます。同じ上級会員同士だと先着順になりますが、一般客が先に空席待ちをしていても、プレミアムメンバーの方が優先されます。天候悪化等のトラブル時には非常に有効です。

  • 特典航空券の優先取り扱い
    本人および同行者(事前に特典利用者登録をしてある人)の特典航空券の予約、および空席待ちが優先されます。仮に、一般客が先に空席待ちをしていたとしても、後から空席待ち申請をした上級会員の方が優先されるのです。また、一般会員には開放されていない特典席が、上級会員には開放されているという優遇もあるため、一般会員の2倍ほど、特典航空券が取りやすくなります。

  • 国内線座席指定の優先取り扱い
    通常は24時間前にならないと指定できない非常口座席や、バルクヘッド席(前方が上級クラスと普通席を隔てる壁である席)等、足元が広くて窮屈ではない座席を予約時から指定できるようになります。また、一般会員よりも前方の座席を指定できるようになります。(ダイヤモンド会員の方がより優先されます)

  • 座席のアップグレード
    アップグレードポイントの利用により、国内線はプレミアムクラスへ、国際線はビジネスクラス、ファーストクラスへのアップグレードができます。ただし、国内線は搭乗当日、空港にて空席がある場合のみ。また、国内線は有償航空券だけでなく、特典航空券からのアップグレードも可能です。

空港関連

  • 優先チェックインカウンター
    国内線ではANA PREMIUM CHECK-INを、国際線ではビジネスクラスチェックインカウンター、もしくはスターアライアンス・ゴールドのサインが表示されている優先チェックインカウンターが利用できます。行列ができている一般のチェックインカウンターより素早くチェックインができ、無駄な待ち時間が生じません。特に繁忙期の伊丹空港や新千歳空港、那覇空港の行列は凄まじいですから、非常にありがたいサービスです。

    国内線PREMIUM CHECK-INがあるのは以下の13空港です。羽田、成田、伊丹、関西、神戸、新千歳、名古屋、福岡、那覇、小松、広島、宮崎、鹿児島。

  • 専用保安検査所
    国内線ではANA PREMIUM CHECK-INから直結している専用保安検査所が利用できます。こちらも一般の保安検査所より断然早く通過することができます。国際線の場合、成田ならスターアライアンスゴールドトラックおよびプライオリティレーン、羽田ならプライオリティレーンが利用できます。

    国内線で専用保安検査所があるのは以下の4空港です。羽田、新千歳、伊丹、福岡。

  • 手荷物受け取りの優先
    預け入れ荷物にプライオリティタグが付き、バゲージクレームに真っ先に出てくるようになります(ダイヤモンドメンバーの次に出てきます)。ここでも無駄な待ち時間を削ることができ、すぐに次の行動に移れます。

  • 手荷物許容量の優待
    国内線の場合、通常、プレミアムクラスが40kg、普通席が20kgまでとなっている無料手荷物許容量が、プラス20kg増えて、それぞれ60kg、40kgまで無料となります。どんなに大きなスーツケースでも40kgを超えることはまずないため、実質無制限といった感じになります。

    国内線手荷物許容量



    国際線の場合、無料手荷物許容量が、プラス1個まで無料となります。エコノミー23kg、プレミアムエコノミー23kg、ビジネス32kgは通常2個無料のところ、3個まで無料。ファースト32kgは通常3個無料のところ、4個まで無料。

    「旅慣れた人は荷物が少ない」とよく言われますが、それはバックパッカー等の格安旅行をする人の話。ビジネスクラスで旅行するような人は逆に荷物が増えることの方が多いですから、3個まで無料になるととても余裕ができます。

    国際線手荷物許容量



  • 空港での空席待ち優先取り扱い
    出発当日、希望の便や希望クラスの座席が満席でも、空席待ちの呼び出し順位が優先されます。(優先順位はダイヤモンドメンバーの次となります)

    国内線普通席からプレミアムクラスへの当日アップグレード空席待ちにおいても、ダイヤモンドメンバーに次ぐ優先順位となります。ただし、当日アップグレード空席待ちはあまりおすすめできません。詳しくは以下の記事を参照してみてください。

  • 優先搭乗
    搭乗クラスに関わらず、優先して機内に案内されます。案内順は、事前改札搭乗(お子様連れや身体障害者等)→ダイヤモンド→スーパーフライヤーズ会員となります。窓際席を予約しているときや、荷物が多くて早めにオーバーヘッドコンパートメントの場所を確保したい場合、先に搭乗できるのは大きなメリットとなります。

    優先搭乗の順番



  • ANAラウンジの利用(同行者1名も)
    国内線はANAラウンジが、国際線はANAラウンジとスターアライアンス加盟航空会社のラウンジが、同行者1名も含めて利用できるようになります。ビールが無料で飲めるのが嬉しいサービスです。国際線ANAラウンジには食事もありますから、フライトまでの時間、飲食店で時間を潰す必要は全くなくなります。

    国内線の場合、羽田、新千歳、仙台、小松、伊丹、関西、岡山、広島、松山、福岡、熊本、鹿児島、那覇でANAラウンジが、成田ではANA ARRIVALラウンジが、中部ではセントレアエアラインラウンジが、宮崎ではラウンジ大淀が利用できます。

    国際線の場合、羽田、成田、関西でANAラウンジが、中部ではスターアライアンスラウンジが利用でき、併せてスターアライアンス加盟航空会社のラウンジも利用できます。

  • 国際線プレミアムエコノミーへの変更
    空席がある場合、対象運賃以外で搭乗の際にも、追加料金なくANA国際線プレミアムエコノミーにアップグレードされます。オンラインチェックインを利用すれば、搭乗24時間前からの早い者勝ちとなります。ANAプレミアムエコノミーは、路線によってはビジネスクラス並に価格が高いため、この効果は絶大です。

  • 香港国際空港の優先レーン
    香港国際空港の出入国手続きにおいて優先レーンが利用できます。同行者は不可。

その他

  • マイカー・バレーの優待
    成田空港の提携駐車場サービスが優待料金となります。帰国の際はANAアライバルラウンジでゆったりとくつろいでいると、「お車が到着しました」と呼び出しがあり、秘密の通路を通って車まで行ける、王族気分のサービスが味わえます。

  • 羽田空港駐車場の優先予約
    羽田空港第2ターミナルP3駐車場の予約が優先されます。

  • アップグレードポイント
    前年のANAグループ運航便の利用に応じてもらえるプレミアムポイント数に応じて、アップグレードポイントがもらえます。(SFC家族会員はもらえません)

  • マイルからANA SKYコインへ特別倍率で交換
    50,000マイル以上の交換で通常の1.6倍となる80,000コインに交換できます。(ANAワイドゴールドカードを保有していれば同倍率なので、あまり意味はありません)

  • IHG・ANA・ホテルズグループでの優待
    ベストフレキシブル料金から宿泊10%オフ、レストランやバーが5~10%オフ、朝食無料サービスあり。

  • スーパーフライヤーズ会員オリジナルネームタグ
    入会記念として、オリジナルネームタグがプレゼントされます。一生に一度しかもらえないので大事にしましょう。

  • カレンダー・手帳のプレゼント
    スーパーフライヤーズ会員限定手帳と限定手帳レフィルのいずれかから1点。壁掛けカレンダーと卓上カレンダーのいずれかから1点、計2点を選択してもらえます。

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これだけのサービスが、クレジットカード年会費だけで一生受けられるのはすごいですよね。なんといっても、搭乗クラスがエコノミーであっても、同行者1名までANAラウンジが利用可能というのが素晴らしいです。国際線のANAラウンジは食事とお酒がありますから、空港内飲食店に行く必要がなく、ゆったりと過ごせます。

 

また、国際線特典航空券の優先取り扱いも非常に嬉しいサービスのひとつです。ANAマイレージクラブ一般会員には開放されず、上級会員だけが予約可能な特典枠というものが存在しますから。

 

秘密のベールに包まれているので、何席なのか正確には把握できませんが、一般会員と上級会員で同時に予約画面を開くと、差があるのがわかります。実際に検証した記事がありますのでそちらも参照してみてください。

 

 

そして空港での動線。チェックインも、保安検査所も、搭乗も、荷物の受け取りも、何から何まで優先されるので、無駄な待ち時間が生じません。繁忙期の空港は特に混雑するため、チェックインや荷物預けだけで、長い行列に立ちっぱなしのまま数十分が浪費されることも珍しくありませんよね。

 

これはお金には代えられない絶大なメリットです。あなたにとって最も大事なものは、お金ではありません。時間なのです。

 

プラチナとスーパーフライヤーズで受けられるサービスの違い

プラチナサービス

 

ANAプレミアムメンバーサービスのプラチナは1年限りのステータスです。毎年5万プレミアムポイントを達成しないと維持できません。「カード年会費だけで維持できるSFCとは、さぞやサービスに大きく差がつけてあるのだろうな」と想像してしまいますが、これが意外とそうでもないんですよね。ANAスーパーフライヤーズカードにはない、プラチナサービスメンバーだけの特典を挙げてみます。

 

  • フライトボーナスマイルが90%~105%増し
  • 国内線座席指定の優先範囲の拡張
  • 国内線予約の先行受付

 

本当に微々たる差! フライトボーナスマイルはSFCが35%~50%なのに対し、プラチナだと90%~105%となります。座席指定や先行受付はそれほど重要ではありませんから、要するにプラチナだと、有償航空券で飛行機に乗った際、もらえるマイルが増えるということだけなんですよ。

 

今わざわざ「有償航空券」と言ったのは、陸マイラーにとっては、このプラチナだけの特典にはほとんど意味がないからです。陸マイラーはほとんどの場合、マイル特典航空券で無料で乗るわけですから、元々フライトマイルは1マイルももらえません。そして、国内線先行予約で航空券を買うこともほとんどありません。

 

陸マイラーが欲しいのは、空港関連と特典航空券のサービスなんですよね。これに関してはプラチナとSFCとでは差がないんですから、陸マイラーは無理に何年もプラチナを維持する必要はないということになります。

 

目に見えない、SFCだけの強力な特典

逆に、SFCだけにあって、プラチナでは受けられないサービスというものはあるんでしょうか? 「まさか、上位のプラチナよりSFCが優遇されるなんてあるわけがない」と思ってしまいますが、実はあるんです。

 

それは、家族カードの存在です。

 

あなたと、配偶者と、成人した子供2人、4人が同居しているとしましょう。この場合、SFC修行をした本会員のあなたに加えて、3枚のSFC家族カードを発行できます。家族4人全員がSFC会員となるわけですね。受けられる特典は、本会員も家族会員もほぼ同じです。

 

あなたの家族全員と友人家族で旅行にいく際、4人のSFCカード保有者がいることになるので、友人家族も4人まで同行者としてANAラウンジに連れて入ることができるわけです。これは極端な例ですが、家族にまで上級会員資格を持たせることができるというのは、非常に強力なアドバンテージです。家族の中で、SFC修行をするのはあなた一人だけでいいんです。

 

本会員だけが受けられて、家族カードでは受けられないサービスは以下。

 

  • アップグレードポイントの付与
  • カード更新時の継続ボーナスマイル(2,000マイル)
  • 手帳&カレンダープレゼント
 

たったこれだけです。つまり、空港関連や予約関連では、家族も本会員と同様のサービスをフルに受けられるわけです。また、マイル特典航空券の開放枠も本会員とSFC家族会員では違いがありません。本会員とSFC家族会員の特典枠については以下の記事に詳しく解説してあります。

 

 

SFC家族カード年会費を払う価値は充分にあると言えるでしょう。むしろ、SFCの真価は家族カードにこそあります

 

「家族カードではなく、夫婦二人がともにSFC本会員カードを持つメリットはありますか?」とたまに質問されますが、これには全く意味がありません。お金の無駄です。家族の中で、SFC修行をするのは一人だけにしましょう。2人分の修行費用が捻出できるなら、家族のうち、一人はSFC修行、もう一人はJGC(JALグローバルクラブ)修行をするべきです。

 

ブランド選定はやり直しが利く

SFC修行をしようという人で、ANAカードを持っていないというのは考えにくいので、既存のANAカードからSFCへの切替をする人が多いと思います。この際、どのブランドをSFCにするかは完全に自由です。また、保有していないブランドの新規発行でももちろん構いません。一般、ワイド、ゴールド、プラチナ間のアップグレード、ダウングレードもOKです。

 

ただし、VISAからJCBへの切替など、国際ブランドを変える場合は通常のカード審査があります。審査落ちを絶対に避けたい場合は、同一ブランド同一グレードでの切替がおすすめです。

 

また、以前はJCBの2枚持ちが禁止されていたので、ソラチカを保有していた場合は、JCBブランドのSFCを発行するにはソラチカを解約するしかなかったんですが、ルール変更により可能になりました。

 

 

家族カードの発行やブランドの切替に関しては、事前プラチナサービス、プラチナサービス期間中だけできるというわけではなく、本会員がSFCを保有さえしていれば、2年後でも3年後でも、いつでも申し込むことができます。

 

数年使って「あー、やっぱりアメリカン・エキスプレスじゃなく、VISAのSFCにすればよかった……」と思ったら、問題なく切替ができるということです。もちろんカード審査自体に落ちたらダメですが。それと、切替のたびに新たにカード年会費が発生してしまうので、できれば年会費発生月の前月に切替申請するのがお得です。

 

ブランドごとの年会費やサービスの違いはANAの公式サイトにあります。

スーパーフライヤーズカード|プレミアムメンバーサービス|ANAマイレージクラブ

 

結局SFCはどれを発行すべきか

スーパーフライヤーズカード ラインナップ

 

ANA スーパーフライヤーズカードは年会費が元々高く、最低でも10,250円(税別)になります。ただし、この一番安いSFC一般カード(名前は一般ですが、実質的にはワイドカード)では、マイル移行費用が5~6千円かかってしまうので、毎年マイル移行する人なら、移行費用無料のSFCゴールドカード以上を選ぶべきでしょう。ちなみにダイナースは券面の色こそ金色じゃありませんが、カテゴリとしてはゴールドカード扱いです。

 

国際ブランドに関しては三井住友のVISA/Masterが最もお得です。ANA  VISA/Master SFCゴールドカードでマイ・ペイすリボとWEB明細サービスを利用すると、本会員の年会費は10,500円(税別)、家族会員は6,000円(税別)に割引きされ、一番安いSFC一般カードとほとんど変わらない金額になるからです。JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースには年会費の割引き制度はありません。

 

余談ですが、JGC(JALグローバルクラブ。ANA SFCに相当)の場合は、プラチナカード以外、家族カードの年会費が本会員と同じなので、家族カードをたくさん発行すると総コストが非常に高額になります。CLUB-Aゴールドカードだと、本会員で最低17,280円、家族会員も同額の17,280円です。ANA VISA SFCゴールドカードの維持費がいかに安いかわかりますね。

 

また、VISA/Masterでは、マイ・ペイすリボをうまく運用すれば、マイル還元率が最大1.72%まで上げられます。ダイナースやアメリカン・エキスプレスでは還元率1%にしかなりません。還元率の上げ方は下記リンクを参照してください。

 

 

お金に余裕がありまくる人なら、ANA スーパーフライヤーズ プレミアムカードも選択肢に入るかもしれません。

 

ANA VISA プラチナ スーパーフライヤーズ プレミアムカードの場合、年会費は80,000円(税別)と非常にお高いですが、マイ・ペイすリボを利用すれば最大マイル還元率は1.9455%にできます。ANA ダイナース スーパーフライヤーズ プレミアムカードは年会費155,000円(税別)でマイル還元率2%です。年間1,000万円以上カード決済するという人なら、懐具合に応じてこのどちらかを使えば、マイルの貯まり方も加速します。

 

まとめ

ANA スーパーフライヤーズカードは1回取得してしまえば、年会費を払い続ける限り、一生プラチナサービスとほぼ同等のサービスが受けられます。家族が多い人にとって、SFCを保有するメリットは計り知れません。

 

SFC修行には最低でも50~60万円の出費が必要になりますが、大量マイル(31万~40万マイル)を保有していればこれもタダ。やる価値は充分にあると言えるのではないでしょうか。

 

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