ANAカードの決済額を増やすため、ご夫婦のうちどちらかが本会員のANAカードを使い、どちらかがその家族カードを使っているというパターン、多いと思います。当然ANAカードファミリーマイルにも登録していますよね? していない!? それは必ず登録しておいてください。
今回はANAカードファミリーマイルについて解説します。陸マイラー上級者向けの複雑でわかりにくい話になりますが、その効果は絶大です。また、記事を読み終わったら、下記リンクの公式ページも熟読することをおすすめします。
家族と特典航空券の基礎知識
- 特典利用者登録をしてあれば、2親等以内の家族に対して、自分のマイルを使って特典航空券を発券してあげることができる。(家族がANAカードを保有する必要も、ANAファミリーマイルに登録する必要もなく可能)
- ANAカードには本会員カードと家族カードがある。
- ANAカードファミリーマイルにはプライム会員とファミリー会員がある。
- ANAカードファミリーマイルに登録すれば、家族みんなが貯めているマイルを合算して特典航空券を発券したり、ANA SKYコインに交換したりできる。
ファミリーマイルを登録せず、家族それぞれがANAカード本会員の場合
家族カードを発行せず、夫婦それぞれがカード本会員というケースもありますね。たとえばANA Suicaカードは家族カードを発行できません。この場合はあなたも、配偶者も、それぞれ別個にANA Suicaカードの本会員となります。
この状態でマイルを貯めると、カード決済によるマイルも、フライトマイルも、夫婦それぞれで別個に貯まることになります。ファミリーマイルに登録していないとマイルは合算できないので、2人それぞれが3,000マイルずつしか貯まっていない場合、特典航空券は1人分すら発券できません。
ファミリーマイルを登録せず、家族カードを発行している場合
次はあなたがANAカード本会員、配偶者が家族カードを使っている場合を考えてみます。
あなたもANAカードで日々の買物をする。配偶者も家族カードで買物をする。こうしたANAカードの決済によって貯まっていくポイントは、全て本会員のポイントとなります。このポイントをマイルに交換すると、当然ながら、マイルは本会員だけのものです。配偶者にはマイルは貯まりません。しかし、特典利用者登録というものがあるので、本会員のマイルを使って、家族の特典航空券を取得することは可能です。
カード決済ではなく、フライトマイルの方はどうなるかというと、これは本会員と家族カード会員とで、別個に付与されていきます。ファミリーマイルに登録していないと、家族会員のフライトマイルは合算できません。
決済によるマイルは本会員に集中するため、先ほどのケースと比較すると、恐らく本会員には5,000マイルほどが貯まり、家族会員には1,000マイルが貯まるといったような、大きな偏りが出てくるでしょう。
しかし5,000マイルあれば、なんとか国内線特典航空券が1人分発券できます。この航空券は、特典利用者登録をしてあれば、あなた名義で発券することも、家族名義で発券することも可能です。
ANAカードファミリーマイルを登録してある場合
ANAカードファミリーマイルに登録すると、配偶者がANAカード本会員であっても、家族カード会員であっても無関係に、全てを合算してマイルを使うことができるようになります。ただし、合算して利用する場合、プライム会員がその役を担います。家族の中でプライム会員になれるのは本会員カードを持っている1人だけ。他の家族は、本会員カードであっても家族カードであっても、全てファミリー会員となります。
つまり、あなたがプライム会員になり、家族全員からかき集めたマイルを使って、家族に対して特典航空券を発券してあげるというイメージです。決済マイルもフライトマイルも全て含めたマイルを合算できるので、それぞれが少ないマイルしか貯めていなくても、1人分くらいは楽に発券できるようになるという感じですね。
本会員と家族カードはどう使い分けるべきか
ANAカードファミリーマイルは、家族全員それぞれがカード本会員というパターンでもいいですし、本会員+家族会員というパターンでもOKです。いったいどっちが得なんでしょうか? それぞれメリットとデメリットがあります。
家族カードを発行すると、カード年会費の総額が安く済みます。その代わり、家族カードには継続マイルがありません。また、家族カードではできないことがいくつかあります。
重要な結論だけを言いましょう。こうです。
- 家族全員がそれなりの決済額ならば、決済カード(ANA VISAワイドゴール推奨)は家族カードを発行すべし。
- ソラチカは家族それぞれが本会員になるべし。
決済に最適なANA VISAワイドゴールドの年会費は、他のANAゴールドカードと比べれば安い方ですが、それでも本会員だと最低1万円かかります。これを家族全員分発行する意味は全くありませんよね。年会費が安い家族カードで充分です。決済する人があなた一人だけ、あるいは他の家族は滅多に決済しないという場合は家族カードを発行する必要すらありません。どうせ決済で貯まるマイルは微々たるものですから、無視しても構いません。
しかしソラチカに関しては、家族それぞれが本会員となるべき理由があります。
ソラチカの家族カードに貯まったメトロポイントは、ANAマイルに移行できないからです。これ、ものすごく重要ですから覚えておいてくださいね。
家族全員がソラチカ本会員カードを発行する意味
勘のいい方や、日頃からマイルの貯め方を考えている方なら、もうおわかりですよね。家族それぞれが、毎月メトロポイント2万を貯められるようになれば、それぞれがソラチカ本会員カードを使って、18,000マイルを生み出せるようになるわけです。
ANAカードファミリーマイルに登録すれば、これを全て合算することが可能になります。夫婦2人なら毎月36,000マイル。年間で432,000マイルが手に入ります。
ここから先の文章は訳あって少し内容をぼかします。察してください。
たとえばあなたのブログでの紹介が上手くいき、紹介人数が100人を超えれば、毎月の獲得ポイントも3万を超えるようになるでしょう。そのままブログで紹介を続けて、200人、300人、1000人となっていったらどうなるでしょうか? いくら大量のポイントが獲得できても、ソラチカルートでマイルにできるのは月に18,000マイルまでです。
しかも、紹介しているサイトに毎月の交換上限があったとしたら? 毎月20万、30万とポイントが貯まっても、これでは使いようがありません。ただポイント口座の数字が爆発的に増えていくのを指をくわえて見ているしかないのです。
紹介ポイントが交換上限を毎月確実に超えるようになったら、紹介IDを家族名義のものに書き換えましょう。そうすれば、それぞれの名義で18,000マイルずつを生み出すことができるようになります。ただしその場合、厳密にはあなたのブログを、家族との共同名義で運営する必要があります。たまに家族に記事を書いてもらうとか、文章はあなたが考え、更新作業は家族にやってもらうとか、方法はいろいろ考えられます。
ANAカードファミリーマイルを利用するときの注意点
- 対象となる特典は「ANA国内線特典航空券」「ANA国際線特典航空券」「ANA国際線アップグレード特典」「提携航空会社特典航空券」「ANA SKY コイン」のみ。
- バニラエア特典航空券、「いっしょにマイル割」には使えない。
- ファミリーマイルとして合算せず、個人のマイルだけを利用する選択肢もある。
- 全ての会員のマイルのうち、有効期限の短いマイルから先に減算されていく。
最後が若干わかりにくいと思います。たとえば、「ファミリー会員である配偶者のマイルはちょっとしか貯まっていないので、合算してこちらから先に使い切ってしまいたい」というようなことはできないということです。あくまでも家族全員のマイルを合算したうち、有効期限の短いものから減算されていきます。
まとめ
ANAカードファミリーマイルは本来、少ないマイルしか貯められない人が、家族みんなからマイルを合算して特典航空券を取りやすくするための仕組みです。
しかし陸マイラーにとっては全く違った意味を持つことになります。年間216,000マイルを、家族の人数分合算することができる、恐ろしい最終兵器なのです(ANAにとって)。