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ホノルル線ビジネスクラスJAL SKY SUITEⅢ搭乗記 世界初の高低差があるヘリンボーン型は窮屈だった

JAL SKY SUITEⅢ

 

この9年間、毎年お金をほとんどかけずに大量マイルを貯めて、ANAのビジネスクラスでハワイ旅行をしてきました。ANAの地獄シート時代は終わりを告げ、2017年9月からは全便フルフラットシートとなっています。これに先んじてフルフラットを導入していたのがJAL。

 

現在JALホノルル線には2種類の機材が運航しています。このうちのひとつ、JAL SKY SUITEⅢ(B777-200ER)のビジネスクラス、フルフラットシートに乗ってきました。詳しくレポートいたします。

 

チェックインからラウンジまでは前回の記事、『成田空港JALファーストクラスラウンジとサクララウンジはこんなところでした』を読んでみてください。

 

 

2種類あるJALホノルル線機材

JALホノルル線は成田4便のうち2便がB777-200ER(以降B772と省略)、2便がB767-300ER(以降B763と省略)となっています。関西と中部発着はB772です。

 

JALホノルル線成田4便

 

黄色く「SS6」と書かれているのが、2013年12月からSKY SUITEⅡが導入されたB763。紫で「SS2」と書かれているのが、2016年6月からSKY SUITEⅢが導入されたB772です。

 

SSはSKY SUITEの略。SSにくっついている数字は機材の新しさを表すものではありません。SS6の6は、B7"6"7-300ERを表し、SS2の2は、B777-"2"00ERを表しています。単純に機種の略号みたいなものです。

 

いずれもフルフラットですが、B772の、SKY SUITEⅢと呼ばれるヘリンボーン型のシートが最新鋭です。どうせなら新しいモノに乗ってみたいですよね。 こちらに乗ってきました。

 

全席通路側

▲公式サイトから

 

SKY SUITEⅢは、1-2-1配列で全席通路側。中央2席のヘリンボーン型のシートは左右で高低差があり、互いの足先が中央で交差するという、世界初の機構となっています。何を言ってるかちょっとわかりにくいですよね。極端に言えば、フルフラットにすると、中央2席の2人はこんな風に寝ることになるんです。

 

高低差のある座席

 

気持ち悪っ!(笑) この画像を作るために、慣れない3D人体モデルのソフト使って1時間かかかりました……。なんとなくJAL SKY SUITEⅢのヘリンボーンの仕組みがおわかりいただけたでしょうか。

 

JALホノルル線の必要マイル

もちろんビジネスクラスに自腹で乗れるようなお金持ちではありませんから、今回の旅行もマイル特典航空券です。マイルの基本的な貯め方については、『年間30万以上の大量ANAマイルの貯め方とは 陸マイラーの現実を公開します』を読んでみてください。ANAについての記事ですが、内容はJALでもほとんど変わりません。

 

JALホノルル線ビジネスクラス特典航空券に必要なマイルは、基本80,000マイル。ANAの場合は65,000マイルで済みますから、ずいぶん高いなという印象ですが、JALのビジネスクラスとファーストクラスには「曜日限定特典」という制度があり、以下の曜日に出発する便に限り、ハワイ往復ビジネスは60,000マイルで済みます。

 

  • 日本発 火・水・木・金
  • 海外発 月・火・水・木

 

自分の場合、誕生日を日本とハワイの2日間にしてみようというちょっと何言ってるかわかんない目的のため、出発日をこの曜日にできなかったので、1人8万マイル、2人で16万マイル丸々取られてしまいました。ハワイには週末を絡めて行く人が多いでしょうから、意外とこの曜日限定特典の恩恵を受けるのは難しいかもしれません。

 

JAL SKY SUITEⅢに潜入

ウェルカムドリンク

 

機内に入ると、まずは安定のプラコップ(笑)で、ウェルカムシャンパンをいただきます。

 

JAL SKY SUITEⅢ機内

 

上の写真は機体右側窓側の1K、2K、3Kを、中央2席の部分から撮ったものです。窓側は当然ながら高低差はありません。高低差があるのは中央2席だけ。

 

JAL SKY SUITEⅢのシート

 

ブログ用に買った新しいカメラは単焦点のため、画角がかなり厳しいです……。もっと広角で撮りたいんですが仕方ありません。

 

液晶パネル

 

中央2席の左側に座るとこんな感じです。正面には17インチの大型モニターがあり、その左手には開閉式のテーブル。このテーブル収納部分が斜めにせり出しているので、前方の圧迫感がかなりありますね。

 

収納テーブルは90度開閉式

復路の左窓側席で、テーブルを開閉してみました。

 

スイッチで開き

90度開いて

手前にスライド

 

ロックを外して、90度開き、手前に少しスライドさせる、という方法でテーブルをセットします。耐荷重は必要充分なんでしょうが、90度開閉式なので、うっかり体重をかけるお客さんがいたりすると、バキッといってしまいそうな恐ろしさがちょっとあります。

 

JAL SKY SUITEⅢの装備品

コントローラー

 

飛行機によく乗る人は皆さんご存知でしょうが、このコントローラーの赤丸で囲んだ部分を押すと、CAさんを呼ぶ事ができます。意味がわからずうっかり押して呼んでしまうというのは、飛行機初心者にありがちなことですね。私も初めて飛行機に乗ったときはやりました (笑)。

 

ユニバーサル電源

 

ユニバーサル電源とUSBポートがサイドにあり、充電もらくらく。でもハイパワーなモバイルバッテリーに慣れていると、機内USBポートでのスマホの充電は遅すぎて使い物になりません。機内Wi-FiでTwitter等を見ていると、USBポートに繋いでいても電池が減ります。

 

小物入れ

 

電源の上には少し小さめですが、三角コーナーのような収納があります。これは意外と便利ですね。扉には鏡もついています。

 

座席のサイド

 

全体的にはこんな感じ。左下に電源、その上に収納、右上に読書灯、その下にコントローラーです。

 

シートのコントローラー

 

 シートのコントローラー。青いボタンで背中というか腰の部分を盛り上げ、仙骨を支えることができるようになっています。しかし、これ、フルフラットにするときは完全に下げておかないと、腰が浮いて体がへの字になってしまいます(笑)。ものすごく寝づらいので注意。

 

シートベルト

 

 ギョッとしたのはこれ。まるでジェットコースターに乗るかのようなごついシートベルト。恐らくフルフラットで寝ているときの安全性を高める意味があるんだと思います。かなりの分厚さで、クッション性高いです。安心感もあります。

 

実際にフルフラットにして寝てみた感想

JALホノルル線のSKY SUITEⅢ(B777-200ER)に対して、前評判は既に目にしており、それほど期待はしていませんでした。しかし想像以上にこれはつらいですね。本当につらい。何が一番つらいって、足ですね。足が入る部分が狭く、低く、深いんです。実際の写真ではかえって分かりづらいので、イメージで見ていただきましょう。

 

足先のイメージ

 

これは横から見たイメージ。何が一番問題かわかりますでしょうか。高さがなく、膝まですっぽり入ってしまう深さのせいで、膝を立てる事がほぼ不可能なんです。立てようとすると、つっかえます。足を組むことすら困難です。

 

足先の俯瞰図

 

これは足が入る部分の俯瞰イメージ。左右で違いますが、足先はどちらかが斜めに削られているようになっており、窮屈且つ非常に違和感があります。

 

上半身の部分もベッド幅が52cmしかないため、身長182cm、70kgの私の体格だと、ギリッギリです。身動きはほとんど取れません。

 

さらに、JAL SKY SUITEⅢの中央2席ヘリンボーンは高低差があり、低い方の座席でフルフラットにすると、床からの距離がとても近く、落ち着きません。うーん、これは完全にANAのBUSINESS STAGGERED圧勝という感じがします……。

 

唯一いいところは、中央2席のディバイダーが全席可動式なので、隣席との会話がしやすいというところでしょうか。ANAのB787-9には可動式になっている席が2カ所しかありません。

 

JALホノルル線ビジネスクラスの機内食

フルフラットシートの寝心地はかなり残念な結果となってしまいました。しかしビジネスクラスの評価はそれだけでは決められませんよね。機内食も見ていきましょう。

 

シャンパン

シャンパン

 

まずは食前にシャンパンを一杯。シャルル エドシック ブリュット レゼルヴ N.V.。Amazonで5,800円くらいで売ってます(笑)。

 

和食

台の物

 

私は往路、和食をチョイス。というか最近は和食ばっかりになりました。鴨の治部煮と金目の煮付け。五月雨式に出てくるのではなく、ワンプレートでいっぺんに供されたからでしょうか、ご飯がカピカピに乾いていましたね……。「JALの機内食はいつも美味しい」というイメージだったので、ことさらがっかりでした。

 

まあ、たまにはそういうこともあったりするのかな……とも思いましたが、復路ではさらにがっかりな事態に。

 

和洋混在

 

復路の和食です。こちらもご飯が往路以上にカッピカピ……。さらに、和食の数が足りなかったようで、メインはあったんですが、前菜だけ洋食から引っ張ってきて、和洋折衷な食事になってしまいました。まあ美味しければどっちだっていいんですけどね……。

 

洋食

 

妻が食べた往路の洋食はこんな感じ。こちらはとても美味しかったそうです。

 

機内食に関してはANAもJALもそれほど差はないように思います。というか、JALの場合は国内線Fクラスの方が、国際線ビジネスクラスより美味しいのではないでしょうか? バンコク線でJALのビジネスクラスに乗ったときもそう感じました。不思議な逆転現象です。

 

日本酒

焼酎ロック

 

日本酒と焼酎もいただきました。焼酎も、国内線Fには森伊蔵があるのに、国際線には富乃宝山。うーん……。

 

まとめ

ホノルル線ビジネスクラス JAL SKY SUITEⅢは、評判通りの棺桶スタイルでした。小柄な女性なら問題ないでしょうが、私のような少し身長のある男性だと、かなり窮屈です。

 

JALのホノルル線B777-200ERは客室幅が5.86m。対するANAのホノルル線B787-9は5.49m。この公称スペックからはわからない何かがあるのかもしれませんが、なぜにこれほどまでに居住性に差ができてしまったのか、不思議でなりません。SKY SUITEⅡやANA BUSINESS STAGGEREDと同様に、ヘリンボーン型ではなくスタッガード型ではいけなかったのかなという疑問が拭えません。

 

ビジネスクラスのフルフラットシート比較だけでは片手落ちのため、エコノミーやプレミアムエコノミーも含めての座席の比較を次回行ないます。

 

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