最終更新日:2018年2月9日
飛行機修行をする者の多くが、並行してホテル修行をおこなうと言われています。そりゃそうですよね。飛行機で出かけたら、まず大抵は宿泊を伴いますから。同じ系列ホテルに何度も何度も宿泊して、航空会社だけではなくホテルでも上級会員を目指すのです。
私の場合、連休がなかなか取れない仕事をしているため、2016年の飛行機修行はほとんどが日帰り。いまひとつホテル修行というものがピンと来ていなかったんですが、先輩方の「SPGアメックスはいいぞ……」の声に導かれ、カードだけは作ってありました。
今回はSPGアメックスで貯めたポイントを利用して、上級会員としてセントレジス大阪に宿泊してきました。
SPGアメックスって何?
SPGは Starwood Preferred Guest(スターウッドプリファードゲスト) の略。世界規模で展開するスターウッド ホテル&リゾートの会員組織です。皆さんご存知のシェラトンやウェスティンなんかが、スターウッド系列ホテルです。スターウッドには全部で11ブランドがあります。
- St. Regis セント・レジス
- The Luxury Collection ラグジュアリー・コレクション
- W Hotels ダブリュー
- Westin ウエスティン
- Sheraton シェラトン
- Le Meridian ル・メリディアン
- Design Hotels デザインホテルズ
- Aloft Hotels アロフト
- Four Points by Sheraton フォーポインツ
- Element HOTELS エレメント
- Tribute Portfolio トリビュート・ポートフォリオ
また、スターウッドはマリオットと合併したため、マリオットグループとしては全部で30ブランドにもなります。
スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード(通称SPGアメックス)は、ただ発行するだけで、このSPG(と、マリオット)のゴールド会員になれてしまうという、お手軽上級会員クレジットカードです。
年会費は31,000円(税抜)と、こちらは決してお手軽ではありません。その代わり、発行翌年から、解約しない限りは毎年継続ボーナスとして1泊分の無料宿泊特典が付きます。で、ランクの高いSPG系列ホテルでこの無料宿泊特典を使えば、年会費はサクッと元が取れてしまうんですね。宿泊費が31,000円以上のホテルを狙えばいいわけです。
ただ、どうでしょう? 私みたいな貧乏性からすると、「年に1回、3万円以上のホテルに泊まる」というのは意外とハードル高い気がしてしまうんです。
当ブログの読者の場合、「いやいや、何言ってんの。普通ホテルって言ったら1泊3万くらいでしょ(笑)。それに毎年何回かは旅行に行くんだから、そんなの余裕で元取れるじゃない」という人も多いとは思うんですが、たとえば世帯年収600万円の家族とかだったら、いくらいいホテルに年1回泊まれると言っても、3万円の年会費を払うこと自体に抵抗感が大きいですよね。
SPGアメックスの全てを解説してある記事もありますので、そちらも是非読んでみてください。
セントレジス大阪とは
セントレジスはスターウッド系列の中でもNo.1クラスにラグジュアリーなブランドです。今回宿泊したセントレジス大阪は、SPG内の格付けで言うと、上から2番目に豪華な「カテゴリー6」というところに分類されます(宿泊当時。2018年3月6日からはカテゴリー7に変更)。ちなみに日本には、この上の「カテゴリー7」というSPGホテルは『翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都』のたったひとつだけ(宿泊当時。2018年3月6日からは他にセントレジスとプリンスギャラリーも)。
カテゴリー6のホテルも日本には4つしかありません。これだけです(これも宿泊当時)。
- シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル
- ウェスティンホテル東京
- セントレジス大阪
- ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町 ラグジュアリーコレクションホテル
セントレジスは1904年にニューヨークで創業した高級ホテルを源流とするブランドネームで、通常のホテル格付けで言えば5つ星になります。何が言いたいかというと、「とにかくすげえ豪華だよ!」ってことです(笑)。
セントレジスの宿泊料金
私が宿泊したのは年末で、恐らく非常に宿泊代も高くなっていたと思われる12月30日。その日の料金をキャプチャしておきました。
おわかりいただけただろうか……。税込86,945円! これ、名前こそ「デラックスルーム」というカテゴリになってますけど、セントレジス大阪の中で最も安い部屋のことですからね。最も安い部屋でこれです。目ン玉飛び出ます。ちなみに1月の平日だと4万円くらいでした。1泊4万円でも二の足踏むのに、8万超えは私なんかでは到底自腹で支払える金額ではありません。
しかし、上の方に「25,000スターポイント」と書かれていますよね。SPGアメックスで貯められるスターポイントを使えば、25,000ポイントでこの部屋に泊まれてしまうということです(平日だと20,000ptで泊まれるようです)。逆に言うと、ポイントや無料宿泊特典で泊まるなら、繁忙期や土日など、料金の高い日付を狙った方がお得ということでもあります。
私はまだSPGアメックスを発行して1年経っていないため、無料宿泊特典は使えず、スターポイントを利用して泊まってきました。
この場合のスターポイントの価値は、86,945÷25,000=3.47円。1ポイント3.47円で利用することができました。ANAマイルでビジネスクラス特典航空券を取得したような感覚のポイント価値です。無料宿泊特典としてこの時期に泊まれば、年会費は一気に回収できますね。
ドキドキしながらセントレジスに潜入
これだけの高級ホテルに駅から徒歩で入っていくのもアレなので、あえてタクシーで乗りつけてみました。いくらポイント利用で宿泊費無料でも、こういう見栄で余計な出費がかさみます(笑)。到着は14時。
降りるとすぐにドアマンが荷物を運んでくれて、1階のフロントらしき場所に連れていってくれました。ここでベルマンに引き継ぎ。「あれ? フロントってこんな程度? 全然豪華じゃないんだけど……」と思いましたが、実はその場所はフロントではありませんでした。12階にフロントがあります。とりあえず1階でベルマンとやり取りがありました。
「まだお部屋がご用意できていないようです。荷物をお預かりしましょうか?」
「いや、予約の際に14時のアーリーチェックインをリクエストしていたんですが、調べてみてくれませんか?」
すぐさまフロントに連絡してくれ、なんだかんだですぐに12階のフロントまで案内されました。こういう融通が利きやすいのもSPGアメックスによるゴールド会員資格のおかげと思います。フロントでレセプショニストに引き継ぎ。さすがにフロントはゆったりと着席で応対があり、ラグジュアリー感があります。
アーリーチェックインが認められ、さらに「お部屋はアップグレードされています」とのこと。やったー。これがSPGゴールド会員資格の威力なのかどうかはわかりませんが。でも後で客室の写真を比べてみても、通された部屋がアップグレードされたものだったのかどうか、よくわかりませんでした(笑)。
12階のフロントを過ぎた後、上の写真の場所を通って、客室に通じるエレベーターに乗り込みます。窓の外には日本庭園。写真右手奥にはバーがあります。
これがバー。そんなに広くはありません。夜になってここも利用したんですが、値段にびっくりしました。
セントレジス大阪の客室
一人で泊まるんですが、大きめベッドが2つ。
ソファーもあり、大きな窓からは大阪の街が一望できます。夕陽と空がきれいなこと……。
買ったばかりのグローブトロッター20インチトロリー、スピットファイア75周年記念迷彩モデル。スッとこの所定の場所に置かれました。ベルマンの動きに無駄がない!
ちなみに20インチトロリーというのは21インチの間違いではなく、このモデルだけの特別仕様なんですよね。オリジナルではなくセンテナリーベースで四隅が革なんですが、21インチと違って革ベルトは付いていないド渋い仕様です。気に入ってます。
特筆すべきは、朝陽が射し込むバスルームでしょうか。朝風呂派でなおかつ窓のある風呂が死ぬほど大好きな自分には最高に快適でした。防水リモコンが置いてあって、バスタブにつかったままテレビも見られます。
無駄におしゃれなヘルスメーター。Twitterにこの写真をアップしたら「他のホテルでも見た!」という方が多数いらっしゃいました。有名ブランドなんですかね。
一番驚いたのはこれです。灰皿置いてありました。「えっ!?」と思って思わずフロントに電話してしまいました。「この部屋は喫煙可なんですか?」と。ラウンジやバーでは禁煙らしいんですが、いくつか喫煙可能な客室があるようです。びっくりしました。
部屋の広さは45平米程度。ハワイのせせこましい30平米レベルばかり泊まっているので充分な広さです。また、セントレジスにはバトラーサービスというものがあります。
セント レジス バトラーサービス
セントレジスバトラーサービスは、100年以上もの間、セントレジスのお客様に大切にお届けし続けてきたサービスです。 重要な会議の前の、スーツの完全なアイロン掛けから、夜にお読みになるお好みの本のお届け、愛する方への贈り物の迅速な調達まで、どのようなご要望にも時間を問わずお応えいたします。 セントレジスバトラーサービスは、個々のお客様の特別なお好みを控え置き、世界中のセントレジスで完璧に対応いたします。
ご到着時に、セント レジス バトラーが、お客様のお部屋にて、コーヒーまたは紅茶のサービスをご提供。 ご希望の場合は、セント レジス バトラーがモーニングコールを差し上げた後、お部屋に伺い、シェードを開けて、モーニングコーヒー/ティーとともに新聞とお天気予報をお届けいたします。
ひー。人を使うことに慣れてないので、こういうサービス一番厳しいです。「はなだこでたこ焼き買ってきて」くらいしか思い浮かびません!(笑)
上記引用の他に、荷解き荷造りから、衣類のアイロン掛け、さらにどんなご希望ご用命にもお応えしますとあります。
しかし結局バトラーサービスは、到着時の紅茶のサービスも含め、一切利用しませんでした。いつか涼しい顔で「21時頃戻る予定なんで、悪いけど、それまでに〇〇しておいてもらえますか」とか言ってみたいものですね。セレブに生まれ変わって来世あたりにでも……。
『和洋酒菜ひで』で忘年会
今回の大阪訪問のメインは、セントレジス宿泊ではなく、はてなダイアリー時代からの友人たちとの忘年会です。メンバーにはあの、ニューヨークファーストクラス特典航空券を取得した、陸分度器さんも入ってます。
忘年会会場は心斎橋の知る人ぞ知る名店『和洋酒菜ひで』。ここは、今、日本で一番予約が取りにくいとも言われる超人気店『肉山』のオーナー光山英明さんのお兄さん、英俊さんがやってる店です。カウンター8席しかないお店ですがめちゃくちゃ美味いです。
光山ブラザーズには、近鉄バファローズ時代に野茂英雄投手の球を受けていた、光山英和捕手もいらっしゃるんですよね。 なにもんなんだ光山ブラザーズ。
光山ブラザーズ長兄ひでさん(兄弟全員ひでさんだけど)。
この写真で、美味しさの十分の一も伝わるかどうか……。ひでさんには普通にメニューもありますが、「一人7,000円で飲み放題でおまかせ」とか、そういう注文の仕方がおすすめです。予算に合わせて、いろんなものをちょっとずつ食べられるように提供していただけます。メニューに書いてある好みのものを指定して「コースの中にこれも入れてください」というような頼み方もできます。
ここは予約しないと絶対入れません。それと、店の場所が死ぬほどわかりづらいので、迷わないように注意。
- 和洋酒菜ひで(わようしゅさいひで)
- 06-6211-3391
- 大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-1-3
再びセントレジスへ
ひでさんで美味しいものをたくさん食べて、美味しいお酒をたくさん飲んだ後は、再び忘年会メンバー全員でセントレジスに向かいました。1年に1回くらい、普段は二の足踏んでしまうような豪華なバーに入ってみましょうよということで。
調子に乗ってシャンパンのボトルを開けるなど……。一番安かったヴーヴ・クリコでも「こ、これは……」というすごいお値段でした(笑)。メニューには1本116万円ってやつもありました。誰が飲むねん。値段に目が釘付けになってしまい、なんというお酒だったか忘れてしまうくらいのインパクトありましたね。
そんなこんなで夜は更けて。今まで全く経験してこなかった豪華ホテルでの滞在に、目を白黒させながらも、「たまにはいいかもしれないな……」という思いに至ったセントレジス潜入でした。SPGアメックスがあれば、こういうことも可能だとわかりましたから。
2016年には、ホテル自体なかなか宿泊機会がありませんでしたが、2017年はホテルのことも書いて行けたらいいなと思ってます。