ANAとマイルのパパじゃない

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あなたの知らないクレジットカード多重申込の世界

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陸でマイルを貯めるなら、まずはクレジットカード発行案件が、最もお手軽に大量マイルを生み出せることはもう皆さんおわかりですよね。条件のいいものだと9,000~13,500マイルほどが、安全に獲得できることは当ブログでも幾度となくご紹介してきました。

 

「クレジットカードをそんなに何枚も発行して、何かデメリットはないの?」「クレヒスが傷つくんじゃないの?」と心配される方も多いようですが、正直な話、実害はほぼありません。ただし、以下のことに気をつけておく必要はあります。

 

  • 審査結果が出ないうちに次のカードを申し込まない。
  • 審査落ちしたら、それから6ヶ月間は申し込まない。
  • 同じ3枚発行でも、1ヶ月間で立て続けに3枚発行するのと、1ヶ月に1枚ずつ3ヶ月かけて発行するのとでは審査の通りやすさが全く違う。
  • 多くても半年間で5枚程度までにしておく。
  • 発行時、キャッシング枠の希望をゼロ円にする(ポイント付与条件としてキャッシング枠の設定が必要な場合は条件を満たす最低額を設定し、ポイントが付与された後にゼロ円にする)。
  • 保有しているクレジットカードのキャッシング枠は基本的に全てゼロ円にしておく。

 

これらを守っている限り問題はありません。さらに詳しく解説してみましょう。

 

多重申込とは何か

短期間に何枚ものクレジットカード発行申込をすると、カード会社から借り逃げの可能性を疑われ、審査に通る確率がゼロに近づきます。いわゆる「多重申込」です。クレヲタの中には20枚30枚といった大量のクレカを保有する人もいますが、これらは長い年月をかけた成果であり、短期間にこれだけの枚数を発行することは不可能です。

 

特に、「どうしてもカードが欲しい!」という気持ちから、審査落ちしたばかりなのに、次から次へと申込することは事態を悪化させるだけです。審査に落ちれば落ちるほど、クレヒスは傷つき、ますます審査に通りにくくなります。

 

CICについて知ろう

クレジットカード多重申込について知るには、まずは個人信用情報機関、CICに関する知識が必要です。
 

 

 クレジットカード発行会社や信販会社はこのCICに登録されている個人信用情報を参照して、クレカの発行審査やローンの審査を行います。ここに異動記録(返済の延滞や、破産等の情報)が記載されていると、俗に言う「ブラックリスト*1」という扱いになり、たとえ完済したとしてもそれから5年間は記録が消えないので、新たにクレジットカードの発行やローンを組むことが一切できなくなります。

 

自分の信用情報を調べてみよう

情報の中身は本人なら開示が可能なので、ぜひ一度やってみましょう。以前はわざわざ新宿のCIC窓口まで出向いて書面でもらうか、郵送してもらっていたんですが、今はPCやスマホ(Android)からもPDFでデジタル開示できるようになりました。手数料が1000円かかりますが(クレカ決済のみ)、社会勉強としても面白いですし、今後のクレカ発行に必ず参考になると思います。ただし、iPhone、iPadからは残念ながらできません。開示報告書の見方はCICのサイトにPDFが用意されています。

 

http://www.cic.co.jp/mydata/report/documents/kaijimikata.pdf 

 

開示によって私たちも見ることができる、CIC保有の個人信用情報は大きく分けて3つあります。

 

  1. 氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、勤務先、運転免許証番号等の、個人を特定する基本的な情報
  2. 申込日、契約日、契約金額、支払い回数、契約終了予定日、貸付金額等の、クレカやローンの契約に関する情報
  3.  請求額、入金日、入金額、異動の有無、完済日等の、支払い実績に関する情報
 
つまり、カード発行会社には、あなたが現在どこでどれだけお金を借りているか、毎月きっちりと支払いをしているか、そして、最近何枚のクレジットカードを申し込んだか、そのうち何枚が審査に落ちたか、筒抜けなんですね。
 

CICで開示できる申込情報

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実際に開示してみた私の申込情報です。左上に「1/1件目」とあります。これは私が過去半年間で1枚だけクレジットカードを申し込んだということです。 ここにもしも5件とか10件という申込情報が載っている場合、カード発行会社からは「次々にクレジットカードを発行している人=危険人物」と見做されるわけです。
 
また申込情報とは別に、各カード毎の支払い実績も見られるので、当該カードの支払い情報が載っていないと、「申込情報はあるのに支払い情報がないということは、審査に落ちたのだな」とすぐバレてしまうのです。
 
7番目の「照会日時」というのは、カード申込をした際、カード発行会社がCICに情報を照会した日ということです。カード審査時には必ず発行会社が情報を照会し、その日時が申込情報として記録されます。
 

カード審査に落ちたら

いかにも通りやすそうなカードの審査に落ちたら、次のカード発行申込まで、最低6ヶ月は期間を空けること
 
もしあなたがカード会社で審査を担当する社員だったとしてちょっと考えてみてください。他社のゆるゆるカード審査に落ちた信用度の低い人を、あなたの会社では通過させます? させませんよね。
 
そして、審査に落ちたという記録(申込をしたという記録だけがあり、成約したという情報がない状態)は、CICに6ヶ月間だけ保存されます。正確に言うと、カード申込をして6ヶ月目の最初の日に申込情報は消えます。
 
たとえば6月26日にカード申込をしたとしましょう。すると即座にカード発行会社はCICに信用情報を照会します。それが申込情報として記録に残ります。6ヶ月後の最初の日、12月1日にはこの申込情報は消えてなくなるのです。
 
つまり、6ヶ月以上前のクレカ発行申込の記録は、カード会社からは参照のしようがないんですね。
  

多重申込で審査に落ちたら、半年我慢する必要があるというのはこういう仕組みがあるからなんです。

 

クレジットカードの使用は信用を生む

ちょっと話がズレますが、一度もクレカを発行したことがなく、ローンも組んだことがなく、ケータイ電話も割賦ではなく現金一括で購入しているような現金主義の人の場合、CICに一切の個人信用情報が記録されないことになります。

 

「俺は人生で一度も借金をしたことがない」と言えば聞こえはいいですが、カード発行会社や信販会社から見ると、情報がないので、逆にものすごく危険な人物に映るんですね。「6年前に一度自己破産したことがあり、その後全くクレカ発行もローンを組むこともできなかったせいで、CICに情報が一切ない完全ブラックな人物」と全く見分けがつかないわけですから。なので、30歳過ぎの現金主義者は、いざ陸マイラーを始めようという段になっても、肝心要のANAカードの発行そのものが不可能という悲惨な状況に陥るのです。怖いですね。

 

こういう人は、まずは最も審査が通りやすいケータイの割賦購入をして、半年以上延滞なく支払いを続けてクレジットヒストリー(クレヒス)を積んでから、審査がゆるゆるのクレジットカード発行に挑むしかありません。1枚でもクレカが発行できたら、そこでのクレヒスが次のカード発行のための信用となります。

 

クレカを発行したら心がけること

話を元に戻します。長期にわたるしっかりとしたクレヒスがあったとしても、クレカの多重申込には限界があります。それをリセットするには、最後の申込から最低6ヶ月間空けてください。逆に言うと、「どうしてもこのクレカが欲しい!」というモノがある場合は、他のクレカ発行を控えるべきです。

 

また、使うつもりが全くなく、純粋にポイント目的でクレジットカードの発行を申し込む場合は以下のことを心がけてください。

 

  • 発行後約1年は解約しない方がいい。年会費がかかるクレカの場合、年会費発生月をメモしておき、その前月あたりに解約する。
  • 解約まで、一度も利用しなかったということは避けた方がいい。
  • 100円程度の少額でも構わないので、できれば毎月1回は利用したほうがいい。利用履歴はCICに記録されクレヒスとなり、「毎月きっちり支払いをする人」という信用が生まれる。次回のクレカ発行に有利に働く。
 
破産や3ヶ月以上の延滞と違って、多重申込の記録はそれほど深刻な問題ではありません。半年で5枚程度まではあまり気にしなくていいと思います。審査に落ちてしまったら、6ヶ月間あける、ということだけ心がければ大丈夫です。
 

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*1:実際にはブラックリストというものは存在しません