「マリオット、ザ・リッツ・カールトン、スターウッド」は世界最大のホテルグループを形成しています。この全てでゴールド会員資格を得られるクレジットカードが、SPGアメックス。年会費は3万円超とお高いですが、このホテルグループでゴールド会員となるメリットは計り知れません。
さらに上のステータスであるプラチナ会員資格を取得すると、いったいどんな特典が受けられるのか、まとめてみました。併せてホテル修行についても解説しています。
- SPGプラチナ会員とゴールド会員の特典比較
- プラチナ特典のスイートルームとクラブラウンジ
- ホテル修行の内容とSPGプラチナの達成条件
- プラチナチャレンジという裏ワザなら最速で会員資格取得
- プラチナ会員になるとSPG公式サイトが変化する
- まとめ
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SPGプラチナ会員とゴールド会員の特典比較
ゴールド | プラチナ | |
---|---|---|
スターポイント(1米ドル) | 3 | 宿泊数に応じて3または4 |
ポイント利用での宿泊実績 | ● | ● |
レイトチェックアウト | ● | ● |
無料の客室アップグレード | ● | ● |
無料の客室内WiFi | ● | ●(高速) |
専用デスク | ゴールド専用 | プラチナ専用 |
ウェルカムギフト | 250pt | 500pt |
マイル交換の下限制限 | ×(1,500ptから) | ●(制限なし) |
部屋確保の可能性 | × | ● |
無料の朝食 | × | ● |
スイートへのアップグレード | × | ● |
無料のラウンジ利用 | × | ● |
SPGゴールドで得られる「ボーナスポイント」「レイトチェックアウト」「無料の客室WiFi」「ボトルウォーター」等の特典は、全てプラチナでも得られます。それに加えて、プラチナでは以下の特典が追加となります。
- 客室WiFiの高速化
SPG公式サイトから予約した場合、客室内無料インターネットのプレミアム版が利用できる。 - プラチナ専用デスク
0120-92-5958。月~金の9:00~22:00。土曜日は9:00~17:00。日祝年末年始は休み。 - ウェルカムギフトの充実
500ボーナススターポイントのウェルカムギフト(アロフト、エレメント、フォーポイントでは250ポイント)、ローカルアメニティまたはコンチネンタルブレックファストから選択。(ゴールド会員のウェルカムギフトは250スターポイント、無料Wi-Fi、無料ドリンクからの選択制) - マイルへの交換下限がない
ゴールド会員は1,500スターポイントから交換が可能だが、プラチナ会員は下限がない。 - 部屋確保
到着72時間前までの現地時間午後3時までに予約した場合、部屋を必ず確保。 - 無料の朝食
ホテルレストランでの朝食ビュッフェやラウンジでの朝食が無料。(ゴールド会員は有料) - スイートへのアップグレード
チェックイン時に、スタンダードスイートを含む空きのある部屋の中で、最も良い部屋へのアップグレードを提供。(ゴールド会員の「より良い部屋へのアップグレード」ではスイートは含まれない) - 無料のラウンジ利用
無料のヘルスクラブ、クラブレベル、エグゼクティブレベルのラウンジ利用(設備がある施設のみ)。(ゴールド会員ではいずれも有料)
赤字で書いた3つ、「無料の朝食」「スイートを含むアップグレード」「無料のラウンジ利用」が最も大きな特典ですね。この3つを得るために、プラチナ修行をするかどうか決めるという感じになります。
SPGアメックスを保有すると自動的にSPGゴールド会員となり、アカウントリンクでマリットやザ・リッツ・カールトンでもゴールド会員になれますが、マリオットゴールドにはある「無料の朝食」「無料のラウンジ利用」が、SPGゴールドにはありません。SPGプラチナ会員にならないとこの特典は受けられないのです。
SPGゴールド会員でも無料の客室アップグレードはありますが、細かくSPGの規約を精査すると、ゴールド会員の客室アップグレードは「より良いお部屋」、プラチナ会員のアップグレードは「スタンダードスイートを含む、空きのある客室の中で最も良いお部屋」と書かれています。内容がかなり違うんですね。
ゴールド会員の客室アップグレードは、同一グレードの中で眺望がいいとか、エレベーターに近いとか、いわゆる「エンハンスドアップグレード」も含まれてしまいます。しかしプラチナでは、スイートルームも含めた本当の意味での客室アップグレードとなります。
まずはSPGアメックスを発行してみて、「やはりもう一段上の、プラチナ特典も受けてみたいな」と思ったら、いわゆるホテル修行に突入です。SPGアメックスに関しては以下の記事で詳しく解説してあります。
プラチナ特典のスイートルームとクラブラウンジ
プラチナ会員になると「スイートルームへのアップグレード」や「無料のラウンジ利用」という特典が受けられます。それぞれ具体的にはどんなものなのか、写真で少しご紹介します。
以下の動画と写真は、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町の「紀尾井スイート」という部屋(95平米)と、クラブラウンジの様子です。
広々としたベッドルーム。角に位置しているので壁2面が全面窓です。ベッドルームと言ってもただベッドがあるだけではなく、かなり大きいソファセットとデスクもあります。
バスルームにはテレビ、そして全面ガラス窓から東京の絶景が望めます。
紀尾井町という場所柄か、ベッドルームとは独立しているこちらのリビングルームには、応接セットの他に6名が座れるテーブルと椅子もありました。プラチナ会員になると、このスイートルームにアップグレードされる可能性があるわけです。
こちらはカクテルタイムに訪れたクラブラウンジ。アルコールやおつまみが無料なのはもちろん、素晴らしい夜景を堪能できるのが素晴らしいですね。とても贅沢な気分に浸れます。
朝食 7:00A.M. - 10:00A.M.
ティータイム 2:30P.M. - 4:30P.M.
カクテルタイム 5:00P.M. - 7:00P.M.
クラブラウンジでは、朝は朝食、昼はスイーツとお茶も供されます。通常は「クラブフロア」と呼ばれる、少しグレードの高い部屋に宿泊しないとこのクラブラウンジには入れませんが、プラチナ会員なら、一番安い部屋に宿泊していても、無料で入ることができます。
これだけ素晴らしい特典を受けられるプラチナ会員には、どうやったらなることができるんでしょうか。プラチナ会員になるための条件を見てみましょう。
ホテル修行の内容とSPGプラチナの達成条件
- 暦年で25滞在
- 暦年で50泊
上記2条件のいずれかを満たすと、スターウッドプリファードゲスト(SPG)ではプラチナ会員となります。しかし、SPGアメックスを保有していると、毎年宿泊実績に2滞在と5泊がボーナスとして加算されるため、実際には23滞在もしくは45泊で大丈夫です。SPGアメックス様様ですね……。
また、無料宿泊アワードや、スターポイントを利用した無料宿泊、キャッシュ&ポイントでの宿泊でも、宿泊実績はカウントされます。
暦年というのは1月1日から12月31日までの間のこと。「25滞在」と「50泊」は何がどう違うのか、ちょっとわかりにくいですよね。
「滞在」というのはチェックインからチェックアウトを1滞在と数えます。同一ホテルに5連泊しても1滞在です。ですから、「滞在」でプラチナを狙う場合、なるべく少ない泊数(できれば1泊)で次々と違うホテルを渡り歩いた方が、費用が少なくて済むということになります。
「泊」の方はそのまま宿泊日数のことです。たとえば、1回の滞在で同一ホテルに50連泊(!)すれば、プラチナ条件達成となります。50日間かかってしまいますが、何度も何度もいろんな場所に出かけるのが面倒な人は「泊」でプラチナを狙った方が楽かもしれません。
上記画像のように、セントレジス、ウェスティン、シェラトン、という全てSPGグループに属するホテルを1泊ずつ渡り歩くと、「3滞在3泊」という宿泊実績となります。同じホテルを別切りで予約しても、日付が連続していると連泊扱いとされてしまうことがあるため、安全に滞在数を稼ぐには毎日ホテルを変える必要があります。
しかしSPGでは、同一日程・同一予約者・同一支払者という3条件を満たすと、3室までは宿泊実績としてカウントされます。3室いっぺんに予約して3室分支払えば、たった1日でも3滞在3泊とすることができるんです。SPGではこれができるため、比較的ホテル修行が簡単になっています。他のホテルグループではもっと大変です。余った2部屋には家族や友人に泊まってもらいましょう。大喜びしてもらえるはずです。
ちょっと複雑ですが、上記画像のように、セントレジスで3室1泊、ウェスティンで1室3泊、シェラトンで1室1泊と渡り歩くと、「5滞在7泊」ということになります。
極端な例が出てきました(笑)。上記画像のように、3室1泊で渡り歩けば、たったの3日間で「9滞在9泊」が可能となります。やろうと思えばSPGアメックスを保有した状態でのプラチナ修行は、たったの8日間で23滞在を達成することができるということです。
もちろん宿泊にはそれなりのお金がかかりますから簡単なことではありませんが、1泊1万円程度のホテルを狙い撃ちすれば、SPGでのホテル修行は、ANAやJALでダイヤモンド修行をするよりは、日数も費用も体力も使わずに済むと言えるのかもしれません。スターポイントがたくさんある人なら、ポイントでの無料宿泊も併せて実績を稼げば、費用はさらに抑えられます。
プラチナチャレンジという裏ワザなら最速で会員資格取得
SPGには、公然の裏ワザとして、「ステータスチャレンジ」というものがあります。
https://www.spgpromos.com/statuschallenge/
この制度を利用すると、たったの18泊でプラチナ会員になることができますが、いくつか条件があります。
- 既にゴールド会員であること。(SPGアメックスを保有していればOK)
- SPGゴールドデスク(0120-92-5759 日本語)に電話をしてプラチナへのステータスチャレンジをしたい旨伝える。あるいはplatinum.liaison@starwoodhotels.com まで、英語で「ステータスチャレンジをしたい」旨と、「会員番号」を明記してメールすると、プラチナチャレンジが登録される。電話が簡単なのでおすすめ。登録後はメールでお知らせが来る。
-
3ヶ月で18泊するとチャレンジ成功でプラチナステータスとなる。開始希望の月は、登録の前月、登録月、登録の翌月からのいずれかから指定できる。開始希望の月の1日から、2ヶ月後の月末までが対象(約90日間)。
-
失敗しても何度でもチャレンジできるが、チャレンジの登録は1ヶ月に1回のみ。
-
無料宿泊、キャッシュ&ポイントはチャレンジの宿泊実績としてはカウントされない。
- 18泊目の滞在から1週間程度でプラチナ資格を付与。
- 過去5年間にプラチナステータスを獲得した人は登録できない。
まずはSPGアメックスを保有して、そののちプラチナチャレンジを行うというのが、最速でSPGプラチナになる方法です。
しかし過去5年間に一度でもプラチナステータスを獲得した人はチャレンジに登録できなくなりますから、2年目以降もプラチナ会員資格を継続したかったら、あとは正攻法の「25滞在もしくは50泊」をやり続けるしかありません。
ちなみに私自身は、2017年中に、いきなり最初から正攻法でプラチナ達成してしまいました。
もったいないので、初めてプラチナを目指す人は、ステータスチャレンジを利用した方がいいです。
同様のステータスチャレンジはマリオットにもあり、そちらは18泊ではなく、3ヶ月で9滞在なので、比較的楽に行えます。もちろんマリオットでプラチナチャレンジを達成すれば、アカウントリンクでSPG側でもプラチナとなります。
プラチナ会員になるとSPG公式サイトが変化する
プラチナ会員になると、早速SPG公式サイトでの予約画面に変化が現れます。上記画像に「プラチナ会員様のアップグレード」という見慣れない項目があるのが見えますよね。プルダウンをペロンとめくってみましょう。
新たなリクエストが可能となり、以下の5つから選択することになります。
- アップグレードの希望なし
- 最上階の部屋
- 最も眺望のよい部屋
- 最も広い部屋
- アップグレードの有無は問わず、一番早く空室になる部屋を希望
ゴールド会員時に予約してあった部屋も、プラチナ会員になると同時にこのリクエストを入れ直すことができます。ここはやはり、「最上階」「最も眺望のよい」「最も広い」から選びたいところですね。
なお、このアップグレードは、原則、会員本人が宿泊する部屋のみ適用となります。たとえば、家族用に2室4名で予約していた場合、本人以外が宿泊する片方の部屋は原則アップグレードされません。ですから、2室4名で予約する場合は、プラチナ会員本人が宿泊しない方をより高いグレードで予約しておき、会員本人が宿泊する部屋は下のグレードで予約しておく方がおトクになります。もちろん、空室状況によってはろくにアップグレードされないということもあり得ますが。
「会員本人が宿泊する部屋のみアップグレードされる」という原則は、プラチナ会員だけでなくゴールド会員においても同様です。
ただ、アップグレードは各ホテルの裁量によるところが非常に大きいですから、場合によっては家族の方もあわせてアップグレードされたり、ゴールド会員なのにスイートにアップグレードされるということもあり得ます。以下の記事では、私がSPGゴールド会員時、ウェスティンホテル大阪で受けたスイートへのアップグレードについて書いています。しかし、例外と考えておいた方がいいです。
まとめ
SPGプラチナ会員になると、「無料の朝食」「スイートを含めた最も良い部屋へのアップグレード」「無料のラウンジ利用」という豪華な特典が得られます。
初めてのプラチナ会員取得では、「3ヶ月で18泊」というステータスチャレンジを利用するのが費用も時間も抑えられておすすめです。まずはSPGアメックスを発行し、ゴールド会員になっておかないと、プラチナへのステータスチャレンジはできません。
一度プラチナ会員になってしまうと、翌年からは正攻法のホテル修行「25滞在50泊」を続けないと、ゴールド会員に陥落してしまいます。正攻法のホテル修行においては、同一日程・同一予約者・同一支払い者という3条件を満たし、3室いっぺんに宿泊実績を積むことが、プラチナ資格維持の最短コースとなります。
また、SPGアメックス保有者は毎年「2滞在5泊」の宿泊実績がボーナスとしてもらえるので、実際には23滞在でプラチナ資格が維持できます。ANAやJALでダイヤモンド会員資格を維持するよりは、費用、時間、体力の全てにおいて楽なのがホテル修行です。
ホテル修行に興味を持たれたら、SPGアメックスを発行し、まずはゴールド特典を受けてみてください。SPGアメックスに関しては以下の記事に詳しく解説してあります。