2016年4月にアナウンスがあった「2017年のお好きな1ヶ月間いつでもFLY ONポイント2倍キャンペーン」の詳細が出てきました。JALのFOP大盤振る舞いは、ANAマイラーの常識からすると桁違いの破壊力があります。2016年中にクリスタル以上のFLY ONステイタスを達成した人は絶対に見逃せません。
特にクリスタルまでは達成できたけど、サファイアまでは届かなかったという人、また、毎年ダイヤモンド修行を行なっている人にとっては破壊力抜群です。
キャンペーン概要
- キャンペーン期間
2017年4月1日(土)~2018年3月31日(土)[搭乗日] - キャンペーン登録期間
登録受付開始:2016年12月1日(木)~ - 対象者
2016年1月~12月の搭乗実績で2017年度のFLY ON ステイタスを達成したJALマイレージバンク(JMB)会員 - 対象路線
JALグループ国内線 全路線全便
※他社が運航するコードシェア便は、JAL便名で搭乗時のみ対象。
ただし、ジェットスター・ジャパン(GK)が運航するコードシェア便は対象外。 - 対象運賃
フライトマイル積算対象運賃 - ※選択できる月は1つ。一度選択すると変更不可。複数の申し込みをした場合、最後の選択内容が優先。
キャンペーン登録期限
希望の月 | 登録期限 |
2017年4月 | 2017年3月23日(木) |
2017年5月 | 2017年4月20日(木) |
2017年6月 | 2017年5月25日(木) |
2017年7月 | 2017年6月22日(木) |
2017年8月 | 2017年7月20日(木) |
2017年9月~2018年3月 | 2017年7月31日(月) |
選択できる月は1つだけであること、9月以降に2倍を適用させたい場合は、7月末までに申込をする必要があることに注意が必要です。
しかし、最大の問題は対象者ですね。2016年中にFLY ONステイタス「クリスタル」以上を達成していないといけないため、このキャンペーンに乗れる人は限られます。
私の場合、2016年にステイタスを達成しているため、キャンペーン参加資格はあるんですが、「JALはあまり乗らないからなあ……」と思っています。既にJGCは発行してあるため、このキャンペーンに参加するなら、最低でもJGCプレミア、できればJGCダイヤモンドを目指さないと意味がありません。さてどうしたものか……。実際に計算してみないとピンときませんね。
キャンペーン内容
上図では、羽田-新千歳を普通運賃で乗った場合、キャンペーン適用で片道いったいどれだけのFOPがもらえるかが書かれています。注意すべきは「FLY ONポイントプレゼントキャンペーン」の400ポイントは2倍にはならないということです。FLY ON ポイントプレゼントとは、ANAで言う搭乗ポイントのことです。
ANAと違ってJALの場合、この400ポイントは毎年継続されてはいるものの、あくまでもキャンペーンポイントとして扱われており、いつかはなくなる可能性のあるものになっています。これは2倍になりません。
この、「400ポイントは2倍にならない」ということが何を意味するかというと、「長距離であればあるほど、運賃種別“先得”のFOP単価とFOP量が良好になる」ということに他なりません。
実際に、羽田-那覇線のFOPをシミュレーションしてみましょう。
FOP2倍キャンペーンシミュレーション
那覇-新千歳があるANAと違い、JALにおいては羽田-那覇線が国内長距離路線の主力となります(羽田-石垣が最長路線ですので、こちらで往復するのもおすすめです)。通常時ですと、この路線を特便割引21のファーストクラスやクラスJで往復するというのが費用と搭乗回数のバランスが良いFOP修行スタイルとなりますが、2倍キャンペーン時はどうなるんでしょう?
試みに、2017年1月9日(月)のJAL901とJAL908の運賃を調べてみましょう。ウルトラ先得に関しては2月9日(木)で調べてあります。
冬ダイヤのファーストクラス往復を狙うなら、羽田-那覇線の便に選択肢はありません。必然的に往路はJAL901便(6:20-9:25*1)、復路はJAL908便(13:40-15:50)となります。
ファースト | クラスJ | 普通席 | |
普通運賃 | 54,090円 | 47,090円 | 46,090円 |
特便割引 | 26,090円 | 19,090円 | 18,090円 |
先得 | 16,790円 | 15,790円 |
パッと見てわかるのは、普通席とクラスJの差額が1,000円しかないこと。これは通年固定の差額ですね。そして、この時期は特便割引と先得の差が2,300円であることですね。特便割引だと搭乗ボーナスの400FOPがもらえ、先得ではもらえません。つまりこの場合、400FOPを2,300円で買うかどうかという選択になります。搭乗ボーナスだけに限ったFOP単価は5.75円となります。5.75円なら普通は買いますよね。
もちろん、もっと先得が安くなり、特便割引との差額が大きくなる時期もあります。その場合は、高い差額を出してまで400FOPを買う意味がなくなってきます。
FOP表(括弧内はキャンペーン非適用時)
ファースト | クラスJ | 普通席 | |
普通運賃 | 6,304(3,352) | 4,728(2,564) | 3,936(2,368) |
特便割引 | 5,320(2,860) | 3,744(2,072) | 3,352(1,876) |
先得 | 設定なし | 3,344(1,672) | 2,952(1,476) |
FOP単価表(括弧内はキャンペーン非適用時)
ファースト | クラスJ | 普通席 | |
普通運賃 | 8.58(16.13) | 9.95(18.36) | 11.70(19.46) |
特便割引 | 4.94(9.12) | 5.09(9.21) | 5.39(9.64) |
先得 | 5.02(10.04) | 5.34(10.69) |
上の表はもらえる羽田-那覇線でもらえるFOPをあらわしています。左の太字がFOP2倍キャンペーン時、括弧内が通常時(キャンペーン非適用時)のFOPです。下の表は先ほどの運賃を元にFOP単価を計算したものです。括弧内は通常時のFOP単価です。
FOP2倍期間中は長距離クラスJの先得が相対的にお得
赤字にあるように、先得がそれほど安くないこの時期においては、通常時であっても2倍キャンペーン時であっても、特便21のファーストクラスがコストパフォーマンスが高く、且つ大量のFOPを稼げます。狙えるならば、積極的に狙っていきたいところです。
しかし、現実にはファーストクラスの席数には限りがあり、修行僧や一般ビジネス客との争奪戦はなかなか厳しいものがありますよね。その場合は必然的にクラスJを狙っていくことになります。
表中のクラスJの特便割引と先得とのFOPの違いに注目してください。先得の価格が高止まりしている通常時期においては、前述の通り、先得ではなく、差額を少し払ってでも特便割引にして、400FOPを取りにいった方がお得になるケースが多いです。しかし2倍キャンペーン時は青字にあるように、たとえ差額が少なくても、先得を使った方がFOPが良くなるという逆転現象が起きています。
重要なのでもう一度言います。ファーストクラスが取れず、やむなくクラスJを狙うのであれば、2倍キャンペーン時は搭乗ボーナスを捨て、先得を利用した方がFOP単価が良く、尚且つもらえるFOPの量も特便割引とそれほど差がないということです。短距離路線ではこうはいきません。搭乗ボーナスの400FOPは非常に大きいです。しかし長距離路線なら相対的に搭乗ボーナスの重要性が薄れるわけですね。
「いくらFOP単価が良くても、結果的に搭乗回数が増えてしまうので先得は避けたい」という人でも、FOP2倍期間中ならどんどん狙いに行くべきと言えるでしょう。
クラスJ先得は安いときで10,000円ほどになります。しかし2倍期間中にもらえるFOPは通常時のファーストクラス特便より多い3,344。その場合のFOP単価は驚愕の2.99です。とんでもない破壊力ですね……。昨年あったバンコク線ビジネスクラスのFOP2倍より断然こちらの方がFOP単価を抑えられます。
何回搭乗すればJGC解脱できるのか
クラスJ先得でいったい何回搭乗すればいいのかということについては、以前の記事で計算しています。
上の記事では株主優待を使った例を挙げていますが、先ほどの考察の通り、2倍キャンペーン時の長距離路線では、先得の相場に関わらず、搭乗ボーナスの400FOPはあえて狙いにいくまでもありませんので、株主優待を使うメリットは「キャンセルができる」「便の変更ができる」ということだけになります。コストを重視するなら、先得がおすすめです。
先得クラスJでの搭乗回数を計算してみましょう。2017年も初回搭乗ボーナスの5,000FOPが決定したため、JGCに必要な実質FOPは45,000です。
45000÷3344=13.45
14レグ、7往復で解脱可能です。先得クラスJによる那覇往復が、FOP2倍キャンペーン時に最も実現性が高く、コストパフォーマンスにも優れる修行スタイルになるかと思われます。1日2往復ずつだと4日間修行に費やすだけですね。もちろん、さらに距離の長い羽田-石垣なら搭乗回数をもっと減らすことができます。
ダイヤモンドの必要FOPは初回搭乗ボーナスを考えると95,000ですから、倍の28レグ、14往復が必要になってくるので、1ヶ月間では少し苦しいかもしれません。ダイヤモンドを狙う場合はファーストクラスを予約できるが鍵になってくると思います。
追記
お金に余裕がある人なら、2倍キャンペーン時にあえて普通運賃で羽田-那覇のファーストクラス往復を繰り返すという方法も視野に入ってきます。キャンペーン時なら普通運賃ですらFOP単価は8円台。修行僧の感覚としては単価10円を切ったら御の字ですからね。こうなるとJALダイヤ修行の総費用は82万円ほどで済みます。しかも搭乗回数は約15回。富豪の自腹修行僧にとっては非常に楽なDIA修行ができることになります。
まとめ
今回のキャンペーンでは、搭乗ボーナス400FOPを除いた部分が2倍となるため、長距離路線の先得が非常にお得にFOPを稼げます。先得がそれほど安くない時期であっても、特便割引を使う必要性は薄いです。
あとはいったいどの月にこのキャンペーンを適用させるべきかということですね。これはライバルの動向にも注意を払う必要があります。同じ月にライバルが集中すると、座席の争奪戦が激しくなりそうです。特にファーストクラスは例年以上に予約が難しくなるでしょう。
私自身は、羽田-那覇線の先得の価格を睨みながら、じっくりと適用月を見定めたいと思います。(またJAL修行やるのかよ
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*1:時期によって時間は多少ズレがあります