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ハワイ旅行記9 ビショップミュージアムで学ぶハワイの悲惨な歴史

5日目はインドアに次ぐインドア。今回の旅行中、唯一、ビーチに足を踏み入れない一日になりました。

 
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朝の清々しい空気の中、カラカウア通りの東の外れにあるカピオラニ公園まで行きました。もしかしたら、HAWAII FIVE-Oの撮影隊にまた会えるかな?と淡い期待があったんですが、さすがに二度目はありませんでしたね。
 

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朝食は絶品エッグベネディクト

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カピオラニ公園の海側にある、ニューオータニ カイマナビーチホテル。あんまり宿泊したという人の話を聞いたことはありませんが、ちょっとしたハワイ好きならみんな来たことがあるんですよね。朝食のエッグベネディクトが有名な老舗『Hau Tree Lanai』があるからです。
 
ハウツリーラナイは、小説『宝島』の作者、ロバート・ルイス・スティーヴンソンが作品の構想を練ったとされる場所に建つ、由緒正しいレストランです。と言っても、ロバート・ルイス・スティーヴンソンがハワイに滞在していたのは、1889年と1893年のわずかな期間だけ。亡くなったのが1894年ですから、「構想を練った」は眉唾ですね(笑)。ここにある樹齢数百年と言われるハウツリーの近くを好んでいたのは確かなようです。
 
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ピンクのテーブルクロスと、頭上を覆うハウツリー。そしてビーチ。これでゆったりした雰囲気なら最高としか言いようがないんですが、意外と騒がしいというか慌ただしいです(笑)。とにかくお店が予約でいっぱいで、常に忙しいからです。この店だけは、朝食であっても予約が必須です。
 
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エッグベネディクト。何種類かありますが、「クラシック」というスタンダードなやつがお気に入りです。他の店でも相当な数、食べ比べましたが、ハウツリーラナイが一番美味しいと思います。眺望とか、そういうのにも引っ張られてるのかもしれませんが。
 
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店の前の通りの公園側に、コインパーキングがずらりと並んでいるので、レンタカーで来るならここに駐車できます。朝10時までは無料です。
 

Hau Tree Lanai

2863 Kalakaua Ave, Honolulu, HI 96815
朝7:00〜10:45 昼11:45〜14:00 夜17:30〜21:00
 

Bishop Museumへ

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朝食後、たまには文化的な施設にも行ってみよう! ということで、一度も行ったことがなかった『Bishop Museum』に行ってきました。芸術の素養・教養がゼロなので、美術館より博物館が好きです。ハワイの歴史にも興味がありますしね。
 
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カメハメハ王家と深いつながりをもつ博物館 ビショップ・ミュージアムは、ホノルル郊外にあるハワイ州最大の博物館です。設立は日本が近代国家への扉を開いたばかりの明治時代、1889年にさかのぼります。カメハメハ王家最後の直系子孫であるバニース・パウアヒ王女が亡くなり、夫であるチャールズ・リード・ビショップ氏がその追悼のために設立しました。http://jp.bishopmuseum.org/aboutus.html

今現在ハワイ州の至る所にある、FIrst Hawaiian Bank という銀行も、チャールズ・リード・ビショップ氏が設立したんですよね。

 
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日本語館内案内がよかった

階段の途中にある肖像画がビショップさん。10:30から日本語による館内案内があるとのことだったので、ここでガイドさんを待ちました。日本人のガイドさんが付いてくれて、たくさんの話を聞けました。めっちゃ興味深かったですね。この案内は絶対受けておいた方がいいと思います。ちなみに客は私たち夫婦二人だけだったので、完全にマンツーマンの授業です(笑)。
 
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これがカメハメハ1世(カメハメハ大王)の肖像。身長2mの大男だったそうです。武力でハワイ諸島を統一した人ですから、本人もさぞや強かったんだと思われます。
 
ちょっとハワイに詳しい人なら「あれ? なんか、カメハメハ大王像と、顔違くない? 」と思う人もいるかもしれません。正しいのはこっち。あの銅像は、第7代の王カラカウアが「君、格好いいからカメハメハ大王のモデルになって」と宮廷勤めの男に頼んで作らせたものであり、カメハメハ大王本人とは似ても似つかないんだそうです。なんだそれ(笑)。
 

選挙で選ばれた王様

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これが問題の第7代の王カラカウア。通りの名前にもなっている有名な王様ですが、なんとカメハメハ大王とは血縁関係になく、選挙で選ばれた王様です。選挙って! それもう王家とか関係ないじゃないですか! びっくりですよね。カメハメハ王家は5世で血筋が途絶え、6代のルナリロからは選挙によって王様を決めていました。
 
というか、王家の人たち、みんな短命なんですよね。1世、61歳。2世、27歳。3世、41歳。4世、29歳。5世、42歳。やっぱり西欧から持ち込まれた病原菌が原因なんでしょうか。これじゃ血筋も途絶えるわけです。
 

白人に蹂躙されたハワイ王国の歴史

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前後しますが、この人が王家の血筋最後の人、カメハメハ5世。生涯独身のまま、世継ぎを作ることなく亡くなったんですが、婚約者は居たそうなんです。じゃあなんで結婚しなかったの?って話なんですが、これがひどい。ビショップミュージアムの設立者、ビショップさんにその婚約者バニース・パウアヒ王女を横取りされたからです(笑)。結局白人によって王家は滅ぼされたってことになりますよね……。
 
この後、選挙による王様選びが始まるわけですが、それも6代のルナリロ、7代のカラカウアで終わり。カラカウアが後継指名していた、妹のリリウオカラニは女王に即位しましたが、アメリカ合衆国から大量に入植していた親米的な人たちによるクーデターにより、女王は幽閉。選挙権がほぼ白人にしかないという異常な状況で共和制に移行。
 
初代大統領が選出されるも、すぐにアメリカ合衆国への併合条約を作り、この成立をもって、大統領はハワイ準州の初代知事におさまります。王国は打倒され、ハワイはアメリカ合衆国の一部となったのでした。めでたしめでたし。ってそんなわけあるかー! って話ですね。1993年にはアメリカ合衆国議会が、ハワイ併合は違法だったと認めて公式に謝罪しています。もう無茶苦茶ですよ。
 
そもそもカメハメハ大王が、白人から武器を提供してもらってハワイを統一したところから、既に王国は滅びる運命だったのかな……とか、最後の女王リリウオカラニの娘カイウラニと、日本の皇族との縁談が、7代の王カラカウアの希望通りまとまっていたら、歴史は少し変わったのかな……とか、いろんな思いが去来するハワイの歴史話でした。
 

館内の様子

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2枚目の大きなTikiは世界に3体しか現存しない貴重なもの。戦いの神Ku(クー)の像です。すぐに戦いに飛び出せるように、膝を曲げているのだとガイドの方が教えてくれました。迫力あります。3枚目のヘイアウは、明日本物を見に行く予定です。
 

ハワイの人は偏執的に鳥の羽を収集していた

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館内の展示物で特に興味深かったのが、鳥の羽を使ったマントなどの装飾品です。このマント一枚作るのに、何万という鳥の羽が必要になってくるんですが、 ハワイの人たちは鳥を殺すことなく、羽だけを数枚むしって逃がしていたんだそうです。そうしないと、鳥が絶滅してしまうと直感的に理解していたんですかね。
 
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黄色の羽はこの鳥から取るんですが、見ての通り、一羽に数枚しか生えていません。何万枚も必要なマント作りには一体どれほどの時間が必要だったことか。マント職人は親から子へ、何世代も収集した鳥の羽を受け継いで作っていたそうです。カメハメハ大王など王族が着るものはさらに巨大なマントでした。
 

犬がご馳走だった

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装飾品には犬の歯を使ったものがたくさんありました。大昔は、犬は食糧とされていて、食べた犬の歯を抜いて、首飾りなどにしていたそうです。ちょっとおっかない感じがあります。他に、鯨のヒゲを使った装飾品もたくさんありました。
 

ガイドさんもノリノリに

私たちがあまりにも熱心に説明を聞き、質問を浴びせるので、ガイドさんも興が乗ってきたのか、予定の時間を大幅にオーバーして熱弁をふるってくれました(笑)。本当に楽しかったです。他にもたくさんいろんなものを見て写真を撮ったんですが、長くなったのでこの辺で。
 
ガイドさんから「ハワイは何回目ですか? ビショップミュージアムに来たことは?」と質問され、「ハワイは16回目なんですが、ミュージアムに来たのは今日が初めてです(笑)」と答えたら、「えーーーっ!! もったいない!」と驚かれました。その通りだと思いましたね。なんで今まで来なかったんだろうと。
 

BISHOP MUSEUM

1525 Bernice St, Honolulu, HI 96817
9:00〜17:00
 
 
次回は5日目後半。と言っても、ランチとディナーだけなんですが。その代わり、強力なお店を開拓してきました。

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