最終更新日:2017年6月9日
「ANAマイルの貯め方はよくわかった。でも私はポイントサイトは使いたくない。あくまでも、クレジットカードの決済だけでコツコツ貯めたい」という人向けに、当ブログではANA VISA ワイドゴールドカードをいつもオススメしています。利用法さえ覚えれば、最大マイル還元率1.72%となり、移行費用なしでいつでも好きなときにマイルにできるからです。年間決済額が多い人に特におすすめのクレジットカードです。
「いや、でもゴールドカードって、年会費高いでしょ?」
確かに14,000円+税は高いかもしれません。でも、WEB明細書サービスとマイ・ペイすリボに登録すれば、9,500円+税に割引されますよ?
「いや、それでも充分高いんだって。クレジットカードにお金なんてかけたくないのこっちは」
わかりました。では年会費無料でマイル還元率1.35%を誇る、JACCS Extreme Card(ジャックス エクストリームカード)について、詳しく解説いたします。
エクストリームカードは本当に最強?
「ANA エクストリームカード」のような検索語で検索すると、多くのサイトが「ソラチカとエクストリームカードの2枚を組み合わせるのが最強。還元率1%のANAカードよりマイルが貯まる」と解説しています。
ポイント交換にはソラチカを使い、日々の決済には、マイル還元率1.35%のエクストリームカードを使うという戦略ですね。これは果たして最強なのか? 検証してみましょう。
エクストリームカードの基本データとメリット
- 初年度年会費無料。年間30万円以上の決済で翌年も年会費無料。
- 貯まったポイントをGポイントに交換すると還元率は1.5%。交換費用無料。
- さらにGポイントからソラチカルートを使えば、マイル還元率は1.35%。
Gポイントについての詳しい解説は以下の記事を参照してください。
エクストリームカードを日々の決済に使うと、1,000円につき、10ポイントの「Extreme Cardポイント」がもらえます。毎回の決済時ではなく、月間の請求額に対して、1,000円毎に10ポイントです。なので、買い物のたびに「1,000円以上使わなきゃポイントがつかないかもしれない?」という心配は要りません。
このExtreme Cardポイントは、最低2,000ポイントから他のポイントに交換できるようになっています。順次交換して行き、最終的にはANAマイルにします。こんな感じです。
Extreme Cardポイント 2,000 → Gポイント 3,000
Gポイント 3,000 → メトロポイント 3,000
メトロポイント 3,000 → ANAマイル 2,700
エクストリームカードは、Gポイントに交換するととてもレートが良いんですね。還元率1.5%になります。その後はソラチカルートを使って、ANAマイルにするので、1.5×0.9=1.35 。つまり、実質マイル還元率は1.35%となるわけです。ポイ探を使って確かめてみましょう。
確かに、エクストリームカードで100万円決済すると得られる10,000ポイントは、ソラチカルートで13,500マイルになりますね。また、決済を全てこのカードに集中させれば、ほぼ誰でも翌年度の年会費無料はクリアできそうです。
ANA一般カードと違い、マイル移行費用が無料なのも非常に大きなメリットです。ANA一般カードのJCBの場合、年間5000円+税、VISA/Masterの場合、年間6,000円+税のマイル移行費用がかかってしまいますから。(ゴールドカードだと、年会費が高い代わりにマイル移行費用は無料です)
ANA VISA Suicaカードは対抗馬となりえるか計算
しかし、多くのサイトが謳う「ソラチカとエクストリームカードの2枚を組み合わせるのが最強。還元率1%のANAカードよりマイルが貯まる」という言葉は事実と違いますよね。三井住友カードが発行するVISA/MasterやSuicaカードには、マイ・ペイすリボという裏技があり、還元率は1%を大きく超えるわけですから。マイ・ペイすリボの正しい使い方は以前の記事を参照してください。
マイ・ペイすリボと決済額によるボーナスポイントを加味した場合、VISA/MasterとSuicaカードのマイル還元率は以下になります。
前年利用額 | 50万円未満 | 50万円以上 | 100万円以上 | 300万円以上 |
---|---|---|---|---|
マイル還元率 | 1.45% | 1.495% | 1.5175% | 1.585% |
初年度こそ1.45%止まりですが、翌年からは決済額に応じて還元率が上がります。エクストリームカードでは100万円決済すると13,500マイルになるという計算でした。三井住友のANA一般カードでは、100万円決済で15,175マイルになります。さらに毎年継続ボーナスとして1,000マイルもらえるので、合計16,175マイルと言っていいでしょう。
16,175-13,500=2,675
エクストリームカードとの差は、2,675マイルですね。年会費とマイル移行費用のことを考えると、躊躇してしまう差です。年間300万円以上決済する人なら、ゴールドカードを持った方がいいし、極力カード保有コストを抑えたいひとにとっては、ANA一般カードには出番はなさそうです。
だがしかし、もう少し待ってほしい。
ANA Suicaの移行費用と年会費を抑えるテクニック
通常、三井住友のANA一般カード決済で得られたポイントをマイルにするには、年間6000円+税の移行費用がかかります。しかしこれは、毎年必ずかかるというわけではありません。マイルに移行せず、ポイントのままにしておけばいいんです。ポイントの有効期限ギリギリまでマイル移行せずに、3年に1回だけ移行するようにすれば、実質的な年間移行費用は約1/3に減らせます。
さらにANA VISA Suicaは、マイ・ペイすリボに登録して年間最低1回決済に使えば、年会費は751円+税で済みます。
エクストリームカードの数少ない弱点、デメリット
エクストリームカードで、あえて弱点を探すとするならば、最近のJACCSカードの動きでしょうか。漢方スタイルカードとREXカードの還元率は改悪が決定しています。エクストリームカードもいつまで今の還元率が維持できるかはわかりません。
また、あくまでもエクストリームカードは、ソラチカの保有が大前提です。単体では何の力も発揮できません。これは注意しておく必要があります。
さらに、ハピタス等のポイントサイトから、毎月2万ポイントをソラチカルートでマイル化している人にとっては、エクストリームカードを持つ意味はほとんどないと言えます。ソラチカからANAへの移行は毎月20,000ポイント(18,000マイル)までですから、上限いっぱいまで毎月移行させている人は、エクストリームカードで貯めたGポイントをソラチカルートに上乗せすることはできません。
これら全てを加味した上でも、やはりエクストリームカードの保有コストの低さは大きな魅力です。年間決済額が30万円〜50万円の人にとっては、最強とは言えないまでも、カード決済でANAマイルを貯める上で、最も手堅いクレジットカードと言えるでしょう。
まとめ
エクストリームカードは、ソラチカと2枚持ちすることによって、マイル還元率1.35%を実現する最小コストカード。ポイントサイトで毎月2万ポイント以上稼ぐ人や、クレジットカードの年間決済額が100万円を超えるような人の場合は、エクストリームカードよりも、ANA VISA ワイドゴールドカードを決済用として保有した方がいいでしょう。
重要な追記
2017年9月をもって、エクストリームカードは消滅することになりました。詳細は以下の記事を参照してください。
エクストリームカードの代わりとなるような「年会費無料、マイル移行費無料の高還元率決済用カード」は、ありません。年会費無料で1%程度の還元率を狙うか、もしくはANA VISAワイドゴールドカードで1.45~1.72%を目指すことになります。