ハワイ旅行の前に、円をドルに両替しなきゃいけませんよね。出発直前に、空港内にある銀行で数万円単位で両替する人が多いと思うんですが、ちょっと待ってください。少しでも得したいなら、それは正解とは言えません。
「ハワイに着いてから両替するのがいいの? そもそもいくらくらい両替しておくものなの? クレジットカードがあれば両替は必要ない? 帰りに余ったドルはどうすればいいの? 」。はじめてのハワイ旅行なら当然浮かんでくる疑問を、徹底的に解説します。
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ドルへの両替は選択肢がたくさんある
両替のタイミングと場所は、時系列順に以下のような感じになります。
- 日本の銀行や外貨ショップで予め両替しておく
- 出発直前に空港で両替する
- ダニエル・K・イノウエ空港(旧ホノルル空港)で両替する
- ホテルに着いてから、ホテルで両替する
- 現地ATMを使って、クレジットカードで海外キャッシングする
- ワイキキの両替所で両替する
もう結論から言ってしまいますね。最もお得でおすすめなのは、クレジットカードによる海外キャッシングです。いずれの両替所でも両替レート自体に多額の手数料が上乗せされていますが、海外キャッシングにはこの手数料上乗せがないからです。
https://www.smbc-card.com/mem/loancash/kaigai_cash.jsp
上記の文章は三井住友カード公式サイトに書かれているものです。「海外キャッシュサービスについては、海外利用に係る上記コストは含みません」とありますね。つまりキャッシングなら、余計な手数料が上乗せされず、実勢レートに近いレートでドルが調達できるんです。
キャッシングですから当然金利がかかりますが、帰国後すぐに繰り上げ返済してしまえば、本当にごく少額の金利で済みます。繰り上げ返済を忘れてしまったとしても、自動引き落とし時にかかる金利は1.2%~2.7%(キャッシングした日から締め日までの日数で幅があります)。これでも各両替所で両替するよりお得なのです。銀行や両替所が、レートに上乗せしている手数料分は1.65~4.8%にもなるので。
クレジットカードによる海外キャッシングの金利計算
帰国後すぐに繰り上げ返済すると、具体的に金利がいくらくらいになるか、ANA VISAカードで海外キャッシングしたとして計算してみます。現在の実勢レートからはかけ離れていますが、計算しやすいように1ドル=100円としてみましょう。
現地ATMで$1,000をキャッシングすれば、日本円で10万円ですね。ANA VISAカードの海外キャッシングの金利は年利18%です。4泊6日の旅程の初日に、現地で$1000キャッシングして、帰国後すぐに繰り上げ返済すると、6日間で0.3%しか金利はかかりません。10万円の0.3%は300円。たったの300円です。というか、そもそも$1000も両替しませんよね(笑)。
実際には現地ATM利用手数料として、1万円までの取り扱いで100円(税別)、1万円を超える取り扱いだと200円(税別)がかかり、繰り上げ返済時のATM手数料でも100~200円(税別)がかかるため、総額300円で済むということはありませんが、ほとんど気にしなくていいレベルだと言えるでしょう。
また、カード発行会社によっては、ATM手数料が無料というところもあります。たとえばJCB、ジャックス、セディナ、SBIが発行しているクレジットカードは、海外キャッシングでのATM手数料が無料です。こういった発行会社のクレジットカードを使えば、さらに節約できます。
これに対して、各両替所で$1,000を調達しようとすると、2~5円ほども手数料が上乗せされているので、実勢レートなら10万円のところ、2千円~5千円も余計に支払うことになります。
両替する金額が高額になればなるほど、キャッシングと通常の両替との手数料の差は開きます。少額ならばそれほどの差はありません。逆に少額をちょこちょことキャッシングしていくと、ATM手数料が無料でない場合、バカになりませんので注意しくてださい。
各両替法にあえて順位をつけてみる
何も考えずにクレジットカードによる海外キャッシングを使えばいいんですが、先ほどの時系列順のリストを、手数料のお得な順に並べかえてみます。
- 現地ATMを使って、クレジットカードで海外キャッシングする(手数料ゼロでわずかな金利)
- ワイキキの両替所で両替する(日本よりいいレート)
- 日本の外貨ショップ等で予め両替しておく(わずかに手数料が高いがクレカが使えるところがある)
- 出発直前に空港で両替する(手数料が少し高い)
- ダニエル・K・イノウエ空港で両替する(手数料が非常に高い)
- ホテルに着いてから、ホテルで両替する(手数料がバカ高い)
とにかく覚えておくことは、「両替するなら現地ATM+クレカの海外キャッシング」「ダニエル・K・イノウエ空港と現地ホテルでは両替しない」。この2つに尽きます。
DFS(Tギャラリア)付近に点在する政府公認両替所は、意外に良心的なレートの所が多いので、「クレジットカードの海外キャッシング枠がない! でも日本円なら持ってる」という場合は、数店舗回ってレートを調べて、安いところを利用する、というのは大いにアリです。この界隈の両替所は大体日本語が通じますから、「1万円で何ドルになりますか?」と直接聞けばいいんです。
現地に着くまでドルなしで本当に平気か?
現地ATMでの海外キャッシングだけで全部済ますのがいいんですが、はじめてのハワイ旅行なら、現地ATMの扱いに不安もあるでしょうし、最低$100くらいは予め日本で用意しておいた方がいいと思います。
空港からタクシーに乗る場合もクレジットカードが使えないことがありますし、ホテルに着いた際、ポーターが荷物を部屋まで運んでくれたときにチップのドル札がないと「常識知らず」と思われて恥ずかしいですからね。
日本国内でドルを調達する場合、オススメなのはJTBの外貨両替です。
https://exchange.jtb.co.jp/Gaika/Main/Top.aspx
銀行での両替と比べても遜色のないレートですし、何より「クレジットカードで外貨を買える」ということが最大のアドバンテージです。見かけの交換レートはほんの少し銀行レートより不利なんですが、クレジットカードでドルを買えばポイントが付きます。ポイント還元率を考慮すると、銀行で現金を両替するよりお得です。
ただし、クレジットカードをJTB外貨両替で使う場合、最低3万円からとなっています。受け取りは自宅への宅配、または出発時の空港受け取りのいずれか。JTB店舗では受け取れません。また、送料や取り扱い手数料はかかりません。
2015年10月3日のJTBレートは1ドル=123.16円なので、3万円なら$244買えますね。
こんな感じで、JTB外貨両替では3万円分のドル札の内訳を、細かく指定できます。現地で必要になるのはチップやなんかの小額紙幣ですから、全部20ドル札以下にしましょう。50ドル札100ドル札は要りません。というか、100ドル札は嫌がられるので避けた方がいいです。
$244あると、現地での過ごし方にもよりますが、ATMでのキャッシングは使わずに済む可能性もあります。基本的には現金は使わず、クレジットカードを使える場面では全部クレジットカードを使うようにした方が、ポイント還元がある分、お得です。
ちなみに、トラベラーズチェックのことは忘れてください。もう過去の遺物です。アメリカン・エキスプレスも取り扱いをやめてしまいました。クレジットカードの方が圧倒的にお得で使い勝手が良いため、トラベラーズチェックの取り扱い量はどんどん減り、もう世界的になくなる運命にあります。
両替による現金使用と、クレジットカード決済の差
海外キャッシングは、ほぼ実勢レート同等であり、手数料はかからないと述べました。かかるのはわずかな金利だけです。だからと言って、現地でかかる実費全てを現金(ドル札)で支払おうと考えるのはバカげています。絶対にやめた方がいいです。
- 多額の現金を持ち歩くのは身の危険がある
- 紛失・盗難の際はまず返ってこない
- ドルが大量に余ったとき、円に戻すと非常に効率が悪い
クレジットカード決済だと、為替レートに含まれる手数料分は、おおむね1.65%程度になっています。キャッシングと比べれば負けていますが、日本の銀行で両替するのとほぼ同じレートです。しかもカード決済にはポイント還元がありますから、還元率が最大1.72%になるANA VISA ワイドゴールドカードを使用すれば、手数料分を完全に相殺することもできます。
また、余ったドルを再び日本円に両替するのは手数料を行きと帰りで二重に取られ、ものすごく損をすることになるのでやめた方がいいです。日本円に戻すくらいなら、次回のハワイ旅行のためにドルのまま取っておいた方がいいでしょう。「この余ったドルを使い切るためにも、またハワイに来るぞ!」っていうモチベーションにもつながりますしね。
チャージ式の海外プリペイドカードはどうなの?
日本円をチャージしておき、現地ではクレジットカードのようにショッピングにも使えるし、ATMで現地通貨を引き出すこともできるという、海外専用プリペイドカードというものが最近少しだけ流行ってきています。
たとえばクレディセゾンの『NEO MONEY』、Masterカードの『キャッシュパスポート』、JTBの『Money T Global』などです。メリットは以下。
- 基本、審査なしで誰でも発行できる。
- 現金と違い、紛失、盗難に強い。
- クレジットカードの決済システムを流用しているので、クレジットカードが使える店舗ならどこでも使える。
しかしこれ、ATMでのキャッシュ引き出しでも、店舗での直接的なショッピングでも、肝心要の手数料が4~5%もかかるんですよね。うたい文句としてはどのカードも「日本国内で両替するよりお得!」と言っていますが、クレジットカードによるキャッシングとは比較対象にすらなりません。完全にクレカキャッシングの圧勝です。他にこんなデメリットもあります。
- プリペイドチャージなので、余ったときに困る。払い戻しには手数料がかかる。
- 余ったお金を放置しておくと、1年後から口座維持手数料がかかる。(NEO MONEYはかかりません)
- 入金限度額もあり、クレジットカードより引き出せる金額が相対的に少ない。
- クレジットカードと違い、ポイント還元がない。(キャッシュパスポートは辛うじてTポイントを貯めることができます)
クレジットカードが使える店舗では、わざわざこれらのプリペイドカードを使うメリットは皆無と言っていいでしょう。還元率の高いクレジットカードでショッピングをして、現金が必要な時はクレジットカードでキャッシングした方が断然お得です。
あくまでもこれは、クレジットヒストリーがブラックで、クレジットカードが発行できない人向けの救済策といった位置付けです。ただし、NEO MONEYはアジア通貨に関しては少しお得なので、アジア旅行の際はいいかもしれません。
「そもそも1回のハワイ旅行で、ドル(現金)ってどれくらい使うものなの?」
ハワイ旅行で使う現金問題は非常に難しいんですよねー。こればっかりは、「人による」としか言いようがありません。私の場合で言うと、夫婦二人で大体$200~$400くらい現金で使います。それ以外の出費は全てクレジットカード。
ハワイで、どうしてもクレジットカードが使えず、現金を使うしかないという場面をリストアップしてみます。
- ポーターに渡すチップ
- バレーパーキングで渡すチップ
- プレートランチ屋など一部の飲食店、フードトラック等の屋台
- タクシーやシャトルバス(クレカが使えるものもあります)
- THE BUS
- 自然公園などの入場料や駐車場料金
- コインパーキング
- コインランドリー(クレカが使えるものもあります)
- 現地ツアー等のアクティビティ(クレカが使えるものも多いです)
- 現地ツアーのチップ
- ベッドメイキングに対するチップ
結構ありますよね。でも全く利用しないという項目もあるはずですし、人それぞれとしか言いようがありません。このリストのうち、最も高額となるのは現地ツアー等のアクティビティ料金です。
たとえば上記リンク。ココヘッド近くの屋外でライフルを撃てるガンシューティングがあるんですが、ここなどは1人$220もするコースがありますが、支払いはキャッシュオンリーです。2人で楽しもうと思ったら、$440もの現金が必要となります。アクティビティに関しては、予めクレジットカードが利用可能かどうかを問い合わせるなりしておき、必要な現金はATMでキャッシングしておきましょう。
飲食店の有名どころだと、ワイキキのコリアン弁当屋『Me B-B-Q』、同じくワイキキのプレートランチ屋『Steak Shack』、ビーチウォークの『高橋果実店』、カイルアの人気パンケーキ屋『Boot's and Kimo's』、ノースショアのガーリックシュリンプ屋台『GIOVANNI'S Shrimp Truck』あたりがキャッシュオンリーです。高額にはなりませんが、一人$10~$15くらいは最低でもかかりますね。
気付いたら1ドル札と5ドル札が尽きた
最も小額紙幣が減っていくのは、バレーパーキングのチップと、ベッドメイキングのチップです。あっという間に1ドル札と5ドル札がなくなり、手元には10ドル札20ドル札ばかり。こういうこと、よくあります。これでは肝心なときにチップが出せません。
ABCストアで食べたくもないお菓子を買って20ドル札を崩す、というのもアリですが、ホテルのフロントに頼めば簡単に両替してもらえます。ドル札を見せながらこう言えば通じるはずです。
"Could you break this? All in singles, please. "
全部5ドル札にしたいなら " All in five-dollor bills, please."
チップは全て現金?
クレジットカードが使える飲食店でのチップは現金で払う必要はありません。チップもクレジットカードで支払います。ほとんどの飲食店がクレジットカードを使えますから、食事のチップに関しては現金をたくさん用意しておく必要はないと言えます。
流れとしてはこんな感じ。
- "Check please."と言って会計をお願いする。
- 店員がバインダーに挟んだ伝票をテーブルに持ってきてくれる。
- そのバインダーに自分のクレジットカードを挟んで放置。
- 店員が来てバインダーを持ち去る。
- クレジットの処理をした店員が再びバインダーを持ってくると、中のレシートにチップの額を書き込む欄があるので、15%~20%を目安にチップを計算。チップと合計額の両方を書き込み、サインをする。店用と、客用控えの2枚があるので両方に書き込んで、控えはもらう。
- 客用控えとクレジットカードを忘れずに回収して、テーブルにバインダーを置いたまま帰る。
なんだかまどろっこしいような、レジに行って直接現金で支払いたいような、儀式的なやりとりに思えるかもしれませんが、慣れるとこれほど楽な方法はないなと感じます。日本でも高級店だとこんな感じですが、安い店でもレジ会計はやめて、全部この方式にしてほしいなと思いますねー。
たまに、日本人客が相手だと予めチップ金額が書き込まれている場合があります。その場合は二重にチップを支払ってしまわないように注意が必要です。
クレジットカードの選定
現地ATMでキャッシングするにしても、飲食店で支払うにしても、結局ハワイで最も重要なのはクレジットカードです。クレカがないと始まりません。いったいどのクレジットカードを持っていったらいいんでしょう?
- 決済のメインカードはVISA/Masterの使い勝手がいい
- JCBも侮れない
- ダイナースならレアレアトロリーに乗れる
結論としては、複数のクレジットカードを持っていきましょう、ということです。1枚だけしか持っていかなかったら、紛失した際に非常に困ります。
決済で万能なのはVISA/Masterですが、JCBはワイキキ・トロリーのピンクラインに乗れたり、JCBプラザラウンジが利用できます。特にJCBプラザラウンジは、個人旅行で何か困ったことが起きた際、日本語が通じるのがとても安心です。スタッフが非常に親身になってくれます。パッケージツアーならツアーデスクに頼れますが、マイルを使っての個人旅行ではそうもいきませんからね。
私の場合、ダウンタウンで駐車違反のキップを切られた際、JCBラウンジのスタッフの方に書類作成で助けてもらいました。ハワイの駐車違反金はクレジットカードで支払えるんですが、実はJCBでの支払いはできないんです(笑)。にも関わらず、嫌な顔ひとつせずに、VISAでの支払いの書類作成を手伝ってくれましたからね。足を向けて寝られません。
また、JCBを持っているだけで、いろんな店舗で各種割引を受けられたりもするので、ハワイに行くならJCBは絶対に持っていった方がいいです。陸マイラーなら迷わずソラチカですね。ダイナースのレアレアトロリーに関しては関連記事を参照してください。
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まとめ
- 出発前にある程度はドルを用意しておくべき(JTB外貨両替で小額紙幣多めがおすすめ)。
- 現地で現金が必要になったらクレジットカードで海外キャッシング。
- 帰国したら即繰り上げ返済する。
- 現金は必要最小限で。クレカが使えるところは全てクレカで支払う。
- 飲食店のチップもクレカで。
- クレジットカードは国際ブランドを変えて複数枚持っていくべき。
- 海外専用プリペイドカードは利用価値なし。
無駄な出費は極力抑え、楽しむべきところでは惜しまずお金を使う。そういうお金の使い方がいいのかな、と思います。