前回までのあらすじはこちら。
華々しく「1泊3日弾丸ハワイ無料旅!」と銘打っていましたが、実態はお寒い限り。失敗に次ぐ失敗の連続で、道中はテンションだだ下がりでした。
旅の内容を時系列に沿ってお届けします。
空港に着いた瞬間テンションMinimum!
2016年からバカみたいにたくさん飛行機に乗るようになり、ANAとJALの両方でダイヤモンド会員になりましたが、これだけ乗ってもいまだに変わらないことがあります。それは空港に着いたときのワクワク感! これから旅に出るという高揚感で、なんだかフワフワしたような、妙な心持ちになるんですよねー。
「だがしかし、ここがおまえの墓場だ!」
1泊3日弾丸ハワイで羽田空港国際線ターミナルで出国審査を通過した瞬間、私のテンションはMAXからどん底まで落ちました。その原因を見てやってください。
はい壊れた。超お気に入りの迷彩グローブトロッターが壊れた。なんか嫌な予感はしてたんですよね。このグローブトロッターは革ベルトこそついていないものの、オリジナルではなくセンテナリーベースなので、持ち手の部分がこじゃれた木で出来てます。「ここ、壊れるんじゃないかなあ」って。
でもまだ買って半年? それくらいですよ? お値段だって目ン玉飛び出るくらい高かったのに、たった半年で壊れるとか。しかも家を出た後、後戻りのできない出国審査後に壊れるとか。せめて家を出る前に壊れろよっていう。もう家に戻って別のスーツケースに詰め替えるとか、時間的にも完全に無理ですから。これで行くしかありません。
もう一回見ます?
はあ……。もうイヤ。お布団敷いてちょうだい……。もう行かない。帰る。あたし帰る。ラウンジでご飯食べたら帰る。という心持ちでした……。
幸い、1泊だったので荷物自体はそれほど重くないんです。持ち手の部分を引っ込めて手提げトランクみたいに持つこともまあ可能ですし、持ち手を引き出して、壊れた部分を手で押さえてコロコロ転がすこともできました。でもそういうことじゃないんですよ。旅の台無し感がすごいんです。こんなことになるなら、リモワで来ればよかった……。
忘れ物が追い打ちをかける
気分最悪のままANA SUITE LOUNGEに向かったところで、さらにまずいことに気付きました。ブロガー、いやデジタルガジェット世代、いやもはや全人類必須の生命線アイテム、モバイルバッテリーを家に置き忘れてきたんです。なんか機内持込のカバンの中がすっかすかだと思ってたんですよね……。
普段私が使っているのはAnkerのこれ。ちょっとばかりサイズが大きく、重いですけど、iPhone7なら7回フル充電できるという大容量バッテリーです。旅行中の安心感がハンパありません。
Anker PowerCore 20100 (20100mAh 2ポート 超大容量 モバイルバッテリー) iPhone&Android対応 A1271012
- 出版社/メーカー: Anker
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (3件) を見る
私、旅行中は24時間、複数のGPSロガーアプリをぶん回し、ひっきりなしにスマホをいじり倒すので、数時間しか電池が持たないんですよね。1日に3回4回と電池が20%以下になるため、これが欠かせません。まさかこれを忘れるとは……。
Twitterで弱音を吐いていたところ、「空港の制限エリア内にもバッテリーくらいは売ってますから!」と力強いアドバイスをいただき、慌てて買いに行きました。でもまあ、案の定、容量はiPhoneフル充電1回分の小型モバイルバッテリーです。しかしないよりはずっとマシ。なんとかこれでしのぐほかありません。
まずは買ったバッテリー自体をフル充電することにして、羽田空港国際線の夜便の楽しみ、Dining hに行くことにしました。Dining hに関しては以下の記事にも詳しくレポートしてあります。
Dining hでステーキ
「キラキラ感のある写真ばっかりSNSにアップしてる人も、心の中はどんよりどん曇りかもしれない」というお手本みたいな写真ですね!
あんまり早くラウンジに着くと、Dining hオープンまでの間に、ビュッフェでお腹いっぱいになってしまうということを前回の訪問で学びましたので、今回は19:30オープンの少し前に着くようにしました。出発時刻は21:55。今回は1人旅ですから、ゆっくりお酒を飲みながら食事してもせいぜい1時間というところでしょう。時間の余裕はたっぷりあります。
シャンパンを注文し、アミューズを。「本格ディナー」と銘打ってはいても、前菜はセルフサービスです。
2月に来たときの限定メニューは「赤城山麓牛のロースステーキ」でしたが、4月の今回は「茨城県産牛のロースステーキ」になっていました。写真の肉の断面から見えるシズル感で美味しさが想像できると思います。見た目通りめっちゃ美味しかったです。
こういうとき、比較すべきは、ビジネスクラス機内食のステーキですよね。地上の高級ステーキ店と比べても意味はないと思います。そういう意味で、本当に満足のいく肉質でした。ようやくだだ下がりだったテンションも少し上向いてきました!
私自身は全く詳しくないのですが、酒販店でバイトしている甥っ子から「ANA SUITE LOUNGEに響17年あったでしょ? あれ絶対飲んだ方がいいよ。あれはレアだよ」とアドバイスを受けていたため、今回は忘れずに飲んでみました。
「んむ……。確かにノンエイジの響とは別物だ……。こんなに美味くなるものなのか……」となりました。若干20歳の甥っ子にウィスキーの教えを乞うとか、今までどれだけ貧しい人間だったんだという感じですが(笑)。
怪しい機内へ
2017年9月1日から、ANAホノルル線は全てがB787-9での運航になります。もちろん今回の羽田-ホノルル線にはすでにこの機材が使用されていされていますから、ビジネスクラスなら、フルフラットでハワイに行けちゃいます。前回、2月末に乗ったフルフラット機材B787-9の記事も是非読んでみてください。
今回の機内はこんな感じでした。
ピンク! 完全に怪しい店に入り込んじゃった感です。ショータイムが始まるとしか思えません。
こんな感じで、機内のLEDがレインボーカラーになっていたんですね。私の座っていた前方がピンク。後ろの方は緑や青になっています。これ、どうなんでしょう。やめた方がいいのでは(笑)。
Dining hでステーキを食べたのにも関わらず、さらに機内食でハンバーグを。読書灯で照らしているのであんまり美味しそうに見えませんが。
この日は気流の関係で機内食のサービス時間がかなり遅れました。せっかくのフルフラットなのに、睡眠時間が削られるのはちょっとつらいですね。ハンバーグを食べて、ビールと焼酎を飲んだ後は、すぐさま座席をフルフラットにして眠りました。充電が心許ないですから、機内のUSB端子にしっかりiPhoneを繋いで。おやすみなさい。
寝起きで大失態をやらかす
あまりに焦っていたため、写真を全く撮っていないんですが、着陸40分前の起床時、とんでもない大失敗をしました。
睡眠時間はおよそ3時間ちょっとという感じで、お酒もまだ完全に抜けていなかったので、寝ぼけてたんですよね。機内USB端子で充電しつつ、枕元に置いてあったiPhoneのことを忘れて、フルフラットの座席を元に戻しちゃったんです。
ケーブルから抜けたiPhoneがゴトンと座席の下? 内部? 背もたれの裏? に落ちる音がしました。やっべ……。
慌てて座席の内部に手を突っ込みますが、狭くて手が下まで届きません。さらに内部の油で手がべっとり。迫り来る着陸時刻。流れ出る冷や汗。もしもiPhoneがないままハワイに到着してしまったら、現地では調べものもできず、Uberを呼ぶこともできず、Twitterも見られません(Twitterそんなに大事?
泣きそうになりながら、恥を忍んでCAさんに助けを呼ぶことに。ちなみに搭乗時、チーフパーサー(若くて美人!)から話しかけられ、「今回は何泊ですか?」「お恥ずかしながら1泊です」「1泊! それはそれは。帰りの便、私たちもご一緒です。お帰りの際もよろしくお願いします」「こちらこそよろしくお願いします」みたいなやり取りがあり、完全に印象強くなったところでの、この大失態。
まずはCAさんがビニール手袋をはめて手を突っ込んでみますが、当然取れない。「空港到着後に、整備士がすぐ機内に来るよう手配いたしました。ご不便をおかけして申し訳ありませんが、到着後、しばらくお待ちください」と言われましたが、ご不便おかけして申し訳ないのは全力でこっちですよ! はー、もうANAがあったら入りたい。やばい。この旅行、呪われてる。1泊3日弾丸ハワイ無料旅とか、調子こいたこと言ってるから罰が当たったんだ。神様ANA様すいません。
着陸後、次々降機する人たちを横目で見つつ
本来であれば、ビジネスクラス搭乗客は真っ先に降機するものですが、整備士さんのお仕事を待つ私は、少し離れた席に座ったままじっとしているほかありません。
「ママー、なんであのおじさん、降りないでバカみたいに座って脂汗かいてるのー?」「しっ、見ちゃいけません!」
みたいな妄想で針のむしろ状態。しかし、神様はいました。整備士さんは神速でiPhoneを取り出してくれたんです。いやー、本当に早かった。まだ全員が降機し終わる前に終わりましたから。全員降機したあと、10分も20分も機内で待つことになっていたら、さすがに精神崩壊します。
聞くところによると、こういったスマホの座席内落下はよくあることのようで、取り出しのノウハウや道具がちゃんとあるそうなんですね。しかし、大迷惑であることに変わりはないので、今後は絶対に同じ事をしないように気をつけようと思いました。CAさん、整備士さん、ごめんなさい。反省しています。
ハワイに到着するも入国審査で引っかかる
自業自得や、不可抗力の事件に次々遭遇しつつも、何とかハワイまでたどり着けました。もう19回目となるハワイなので、一人旅でも緊張感はほとんどありません。素晴らしい天気にも恵まれ、ようやく息がつけると思ったのもつかの間、さらに冷や汗をかくことが待っていました。もういや。
ここ1~2年で、ハワイの入国審査はすっかり様変わりしたのはご存知でしょうか? 機械化され、基本的には端末操作をするだけで終わるようになったんです。結構スピーディになりました。ただ最後の最後で、端末から出てきた紙を職員に手渡すところは残っています。完全に自動化はせず、最後は人の目でしっかりチェックしようということですね。
ここで引っかかりました。すんなり通してくれないんです。どうやら「1泊」というところが、彼の心証に引っかかったみたいです。「なぜ1泊なんだ」「どこに泊まるんだ」「誰かと会うのか」「本当は仕事じゃないのか?」としつこく詰問されます。挙げ句の果てに、荷物を開いて見せろと。もういや……。もう弱りきってるから堪忍して……。
ここで、めんどくさいからと言ってほんの少しでも適当な嘘をつくと、本当にややこしいことになり、二度とアメリカの地に足を踏み入れることが出来なくなる可能性もありますから、嘘はつけません。ただ、正直に言えば言うほど、怪しいんですよね(笑)。普通はこういう旅程ってほとんどありませんから。まいりました。
結局10分ほど押し問答をした後、やっと通してくれました。もうぐったりです。タイ旅行の地獄を思い出しました。
クロムハーツの内外価格差を調査
空港からはUberを利用して、つつがなくロイヤルハワイアンに到着しました。ホテルチェックイン時も特に問題なかったので、やっと安心しましたねー。Uberとロイヤルハワイアンに関しては前回の記事に詳しく書きました。
チェックイン後は客室内を動画撮影し、すぐにショッピングにでかけました。今回の旅の目的のひとつ「クロムハーツホノルルは、日本で買うよりどれだけ安いのか?」を検証するためです。
当ブログ読者の皆さん的にはあまり興味のないところかもしれませんが、誰の役に立つかわかりませんから、しっかりご紹介します。
場所はこちら。カラカウア大通りに面しており、ロイヤルハワイアンからは歩いて5分もかかりません。ワイキキのどのホテルから歩いても10分以内という感じです。
店内撮影は青山店では丁重にお断りされたので、ホノルル店でも中は撮影していません。あしからず。もしかしたら東京ほどうるさくないのかもしれませんが、わかりません。
中はさほど広くなく、青山店の1/4もないでしょうか。必然的に、品揃えもそれなりです。展示されていないものは在庫もないといった感じ。
気になるお値段を2点ほど聞いてきました。以下、日本国内、ホノルルともに税込価格です。年に1~2回価格改定されるので、2017年4月時点での価格であることをお断りしておきます。
ウェーブウォレット | #1マルチボールブレス | |
---|---|---|
日本国内 | 205,200円 | 153,360円 |
ホノルル | $1,325 | $1,110 |
1ドル113円計算 | 149,725円 | 125,430円 |
クロムハーツはブランドの方針により、定価をどこにも明記してないんですよね。カタログみたいなものもありません。値段を知りたかったら、店員にアイテム毎、都度聞く以外に方法がないんです。なのでこの情報は、好事家にとってはちょっと貴重かもしれません。
2017年4月中旬のドル円相場は1米ドル=111円程度でしたが、カード決済で2円ほど上がると見込んで113円で計算してあります。これが1米ドル=120円であっても大勢に変わりありません。一目瞭然で圧倒的にホノルルの方が安いです。
クロムハーツ東京の人に聞いてみたところ、これはリチャード・スターク氏の明確な方針だそうです。アメリカ国内で買う方が安いように、あえて価格差をつけているんだそうです。
アイテムによって内外価格差には開きがあり、今回調べた2アイテムの場合、ウェーブウォレットはホノルルの方が27%割安。#1マルチボールブレスは18%割安となっています。傾向として、高いものほど、大物ほど、ホノルルで買う方が割安になります。たとえば日本で2~3万円で買えるようなアイテムだと、ホノルルで買っても大した差はありません。
万が一、クロムハーツの大物を買いたいと思ったら、ハワイ旅行のついでに、もしくはハワイ旅行に行く友人に買ってきてもらうのがベストな選択だと思います。ちなみにホノルル店では日本語は全く通じません。
ウェーブウォレット(カモフラージュ)と、#1マルチボールブレスです。
陸マイラー的贅沢の幸せをかみしめる
その後はサムズキッチンでアヒポケボウルをテイクアウトし(あんまり美味しくなかった(笑))、ロイヤルハワイアンの部屋でハワイ産地ビールのWailua Wheatを鬼ほど開け、「贅沢なことしてるなー」と、じわじわくる幸せを味わいつつ、ソファで寝落ちしました(ベッドで寝ろ
翌朝10時にはホテルチェックアウト。再びUberで空港に向かい、空港内のLOCAL@HNLでご飯を食べ、Wailua Wheatを飲み、即帰国です。
こんな贅沢ができるのも、ANAマイルとスターポイントのおかげ。ソラチカとSPGアメックスがあれば、どんな人でも、年に1回くらいはこうした贅沢ができるようになると思います。改めて思いますが、これってすごいことですよね。ごく限られた一部の人にしかできない方法だったら、こんなお話をしても「ふーん、そりゃすごいね。自分には無理だけど」で終わりです。でもできるんです。最低限、クレジットカードを発行できるだけの社会的属性があるなら、誰にでも。
まとめ
ANAマイルとスターポイントを使い、1泊3日弾丸ハワイ一人旅を無料で済ませました。贅沢すぎる旅行に天罰? が下り、キラキラ写真だけ厳選してアップするSNSからはわからない、様々なトラブルに見舞われましたが、終わってみればそれもまた楽し。
またチャンスがあったら、是非行ってみたいです。