ANA国際線特典航空券の空席状況が一覧できる、「ANA国際線 特典カレンダー」のページが公式サイトからリリースされていますが、いまだに予約システムも特典カレンダーも問題が多い状態です。ANAマイレージクラブトップページに行き、ANAマイレージクラブ会員専用機能」の「全機能を見る」というところから特典カレンダーのページに行けます。
ANA国際線予約の機能ははグローバル化で貧弱になった
ANAは2015年4月12日から、国際線予約システムを自前のable-Iから、スペイン企業アマデウス社のAltiaに移行し、それに伴ってマイル特典航空券の空席状況も非常にわかりにくくなっていたんですよね。他にも今までできていた様々なことが軒並みできなくなって、ANAに問い合わせが殺到したというのは記憶に新しいところです。
なんでわざわざそんなしょぼいシステムにしてしまったの? と思ってしまいますが、世界的にはこれがスタンダード、当たり前のシステムであり、逆に世界から見るとANAのシステムこそ独自すぎて連携が取りづらいということになっていました。スターアライアンス加盟各社もAltiaを使っていますし、他社との連携のしにくさ、そして自前主義によるITコストの負担を考えると、システム変更は避けられないことだったと思います。実際、Altiaの導入が決まったのはもう4年も前の話ですし。
「自前のable-Iでは当たり前にできていたことが、世界的スタンダードであるAltiaではできなくなった」というのはケータイからスマホへの過渡期にちょっと似ていますね。ガラケーで当たり前にできていたおサイフケータイが、iPhoneではできないというような。いつかAltiaの機能が、今はなきable-Iに追いつくようなことになるのかもしれません。
特典カレンダーはあくまでも目安にすぎない
今回、新たに提供された特典カレンダーは恐らくAltiaを利用したものではなく、ANAの自前システムなんでしょうが、リアルタイムの情報ではなく、あくまでも目安にしか過ぎません。それでもないよりは幾分マシになりました。
この特典カレンダーはANA運航便に限り、空席状況がわかるようになっています。スターアライアンス等、提携航空会社の空席に関しては、「特典航空券の予約」を実際にしてみないと空席がわかりません。
また、実際の予約画面では、空席がある場合にだけ表示され、ない場合には路線の表示すらされないので、非常にわかりにくい仕様になっています。空席があってもなくても、「提携航空会社にこういう路線がある」という表示くらいはしてもらいたいのですが……。
実際に特典予約を試してみた
ここ最近、ハワイ路線の空席情報を調べ続けているんですが、日付がずっと先のユナイテッド直行便の空席が全然表示されなくなってしまいました。システム変更前は、ユナイテッドの特典航空券は330日前から開放されていたんですが、今は相当近い日付じゃないと表示されません。下の写真は来年の空席を調べたものです。ANA便しか出てきていません。
ANAにも一度問い合わせてみたんですが「それは空席がないから表示されないんです」としか答えてもらえませんでした。いや、そんなはずはないんですよ。今日を起点に300日先〜330日先までの30日間ほどを調べてるのに、ユナイテッドに1つも空席がないなんてことがあるわけないんですから。表面化していないだけで、何かまだ不具合を抱えているのは間違いないんじゃないかと思います。
当面、ハワイ行きのマイル特典航空券はANA便だけでなんとかするしかないようですね。ユナイテッドならファーストクラスが設定されているのに残念です。