ANAとマイルのパパじゃない

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全然違うよ! 航空会社のラウンジとカード会社のラウンジ

最終更新日:2017年4月18日

羽田空港国際線ターミナルANAラウンジへの案内板

 
ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)を入手すれば、たとえエコノミークラス搭乗時でも、ANAラウンジや、スターアライアンス加盟航空会社のラウンジに入ることができるようになります。
 
私がマイルを使って(無料で)SFC取得を目指そうと思ったのは、やはりこれが大きな理由のひとつです。でも先日、飛行機にもマイルにも興味ない人と、こんな話になったんですよ。
 

空港のラウンジには2種類ある 

「空港のラウンジってアレでしょ? クレジットカードの、ゴールドカード持ってると入れるとこ。一回入ったことあるけど、もう次はいいかなー(笑)。狭いししょぼいし混み合ってるし、ソフトドリンク飲み放題って言ってもそんなに飲めないし。搭乗時間までは空港内の飲食店にいた方がくつろげるし楽じゃない?」と……。
 
「ああ、やっぱりそう思われてるんだ……。違う……。違うんだよ。それはカード会社寄り合いのしょぼしょぼラウンジであって、上級会員が入れる航空会社ラウンジとは全く違うんだよ……」
 
この違いを知らずに、航空会社ラウンジの受付で、意気揚々とゴールドのクレジットカードを提示して、「入れません」と追い返されてしまったという人の話を結構聞きます。
 
ちなみに下の横長写真は、各社クレジットカードのゴールドを持っていると入れる、成田空港第2ターミナルのIASSエグゼクティブラウンジです。これがいわゆるカードラウンジですね。「か、会議室?」感が否めません。羽田のスカイラウンジはかなりマシですが。
 
成田空港IASSラウンジ
 
そして次の2枚は、羽田空港国際線ターミナルのANAラウンジです。
 

羽田空港国際線ターミナルANAラウンジ

羽田空港国際線ターミナルANAラウンジダイニングバー

 
もう見た感じからして全然違いますが、他にもいろいろ違います。国際線ラウンジの、それぞれの特徴をリストアップしてみます。各空港、各航空会社、各ラウンジでも違いがあるので、大まかな特徴と思ってください。例外もたくさんあります。
 

国際線カードラウンジの特徴

  • 航空券とゴールドカードを持っていると入れる。どこの航空会社の便でも、どの搭乗クラスでも無関係。
  • 航空券のチェックが甘くて、飛行機に乗らない見送りの人まで一緒に入れてしまうことも……
  • ソフトドリンクは飲み放題。アルコール類は缶ビール1本だけ無料というところもあれば、全て有料というところもある。中部セントレア空港等、まれにアルコール飲み放題のカードラウンジもあり。
  • 食べ物は全くないか、有料でおにぎり程度があったり。持ち込み禁止だったり。
  • シャワールームはあっても有料。だいたいない。
  • ケータイ電話の通話が禁止というところも。
  • 成田は制限区域(出国手続き後のエリア)にない。羽田は制限区域にある。
  • 狭い。時間帯によってひどい混雑で落ち着けない。内装はマンガ喫茶レベル。
 

国際線航空会社ラウンジの特徴

  • そのラウンジを所有している航空会社のビジネスクラス航空券か、上級会員資格を持っている人しか基本入れない。
  • 事前に予約すればエコノミークラスでも5,000円程度で利用できる。ただしその場合もその航空会社の航空券はもちろん必要。
  • ソフトドリンクも、豊富なアルコール類も無料で飲み放題
  • 食べ物はちょっとしたホテルのビュッフェレベルのものが無料で食べ放題。寿司を目の前で握ってくれるところや、うどんやそばの出来たてを供するところもある。それなりに美味しい。
  • シャワールームも無料。
  • 各席に充電用の電源ソケットがあってデジタルネイティブに優しい。
  • 出国手続き後の制限区域内にあり、なおかつ搭乗口にも近い
  • 時間帯によっては混雑するが、ゆったり広々。それなりの高級感。
 
特に、成田空港のカードラウンジは最悪です。チェックインを済ませて、保安検査所で荷物のチェックとボディチェックも済ませてから、のんびりするのが本来のラウンジの役割ですよね?
 
でも制限区域の外、まだ出国手続きを済ませる前のエリアにあるので(しかもかなり遠くてわかりにくい場所)、保安検査所が大混雑してたら、最悪の場合搭乗時間に間に合わないといった事態まであり得ます。のんびりなんかしてられません。基本的にカードラウンジの多くは制限区域外にあるので、時間には注意が必要です。
 
その点、ANAやJAL等の航空会社ラウンジは出国手続き後のエリアにあり、なおかつ自社便の搭乗口に近い場所にたいてい陣取っているので、搭乗締め切りのギリギリまでくつろいでいられます。この差は本当に大きいです。
 

国際線の航空会社ラウンジはちょっとした飲食店をしのぐ

私自身、国際線ビジネスクラスに乗ったことがなく、航空会社ラウンジの実態も全く知らなかった頃は、エコノミークラスの機内食が不味いので、いつも出発前の景気付け(?)に、空港内飲食店で普通に食事をして、お酒も飲みまくっていたんですよね。
 
二人で1万円オーバーなんてこともよくありました。しかし、ビジネスクラス搭乗者や、航空会社上級会員であれば、空港飲食店に負けないレベルの食べ物と飲み物が、ラウンジを利用することによって全て無料で食べ放題飲み放題になるわけですから、体感お得度はすごいものがあります。
 

国際線ANAラウンジの食事国際線ANAラウンジのアルコール

 

食事はビュッフェスタイルのものが多数と、カレー、ヌードルバーもあります。ビールや日本酒、焼酎、ウィスキー等も全て飲み放題です。特にお酒好きの人にとっては、ラウンジはたまらない空間になっています。

 

航空会社ラウンジにも2種類あり、最上級の会員(ダイヤモンド会員)や、ファーストクラス利用者だけが入ることのできるラウンジは、食事と飲み物がさらに一段、レベルアップします。以下の記事では、成田空港の最上級ラウンジ、『ANA SUITE LOUNGE』をレポートしています。

 

 

ここに正規に入るのはかなりハードルが高いですが、実はヤフオクで『ラウンジご利用券』を落札すれば、誰でも入ることができます。5,000~6,000円ほどで落札できます。

 

羽田空港のANA SUITE LOUNGEにはdining hというものがあり、深夜便に乗る客のために、本格的なディナーが提供されています。Dining hはビュッフェではなく、テーブルでメニューから選び、シェフが作ってくれる料理です。これが無料なんですから。すごいことです。

 

以下は、dining hで実際に食事をしたレポート記事です。是非読んでみてください。

 

 

航空会社ラウンジは子連れにも絶大なメリット

お子様連れでの海外旅行はなかなかハードルが高いですよね。「空港の待ち時間に飽きてぐずり出したら……」「トイレはちゃんとできるかな……」「機内でギャン泣きしたら……」。心配の種は尽きないと思います。

 

航空会社のゆったりとしたラウンジは、実は子供連れにとっても非常に使い勝手のいい場所です。

 

  • ビュッフェ形式の食事なので、好き嫌いの激しい子供でも何か食べられるものがある。ジュースの種類も豊富。
  • 飛行機やトーイングカーなど、窓から見える風景が珍しく、子供が飽きない。
  • キッズスペースがあるラウンジもある(JALサクララウンジなど)
  • 狭いカードラウンジでは周辺の人に気を遣うが、航空会社ラウンジは広々しているので、よほど子供が騒がない限りは他人に気を遣う必要がない。
  • 空港内で最も清掃が行き届いている、清潔で広いトイレがある。

 

空港レストランでは、注文した料理が実際に供されるまで、子供がそれを食べてくれるかはわかりません。ビュッフェなら、好きなものを選べますよね。種類も豊富です。出国後のエリアにあるため、保安検査を気にして、急いで食べる必要もありません。

 

ラウンジから見える飛行機

 

ラウンジでは、普段は滅多に見られないたくさんの飛行機に、子供のテンションもあがります。カードラウンジからはほとんど飛行機は見えませんから、こうはいきません。また、キッズスペースがある航空会社ラウンジなら、目一杯遊ばせて、疲れさせて、機内ではぐっすりという作戦も使えます。

 

面白いもので、航空会社ラウンジという非日常空間では、子供もなぜか、普段のようには派手に騒いだりしないんですよね。子供心に「ここは紳士淑女の場所」というような何かを感じ取っているんでしょうか。

 

そしてトイレ! 空港のトイレは街中の公衆トイレと比べれば充分にキレイではありますが、それでも子連れで入るには清潔感に難アリの場合もあります。しかし航空会社ラウンジのトイレは、清掃員の方がこれでもか!と頻繁に掃除をしているので、まるで高級ホテルのトイレのように清潔で広々としています。安心して子供と入ることができます。

 

航空券ナシでもラウンジって入れるの?

検索からこのブログに来られる人のなかに、よく「航空券がない ANAカードだけで ラウンジ」「航空券がなくても ラウンジ 入れる」といった検索をしてこられる方がいます。結論から言うと、無理です。ラウンジは、あくまでも今からフライトを控えた人がくつろぐ場所ですから、飛行機に乗らない人は入れません。特にANAラウンジなど、航空会社が運営するラウンジは航空券のチェックをしっかりしますから、持っていなかったら絶対入れません。
 
ただし、非常にずるい裏ワザがないわけでもありません。普通運賃の航空券を買ってラウンジに入り、フライト直前にキャンセルして出てくるという方法です。国際線なら手数料無料で全額、国内線なら430円の手数料を引かれて払い戻してもらえます。が、非常に悪質なので、皆さんは絶対にやらないでくださいね。
 
以前この仕組みを悪用した中国人のニュースがありました。その悪人はファーストクラスのチケット(1年間有効)を購入した後、ラウンジでお腹いっぱい飲食をして、フライトをキャンセルするのではなく、翌日に予約変更しました。有効期間365日のそのチケットで、なんと300回以上もフライトの予約を先延ばしにするという方法で、約一年間ラウンジに入り浸ってタダ飯を食べ続けたんです。
 
やられた航空会社は中国東方航空。中国西安市のラウンジです。結局最後にはチケットをキャンセルして、全額払い戻しまで受けたそうです。世の中すごいやつがいるものですね。 
 

ANAラウンジに入ることができる条件

ANAラウンジに入る必須条件は「当日フライト予定の航空券を持っていること」。さらに、基本的には以下のいずれかを満たす必要があります。
 
  1. 国際線ならビジネスクラス、国内線ならプレミアムクラスの搭乗券を持っている。
  2. プレミアムメンバーサービスでプラチナ以上、あるいはANAスーパーフライヤーズカードを持っている。あるいはミリオンマイラー200万の資格を持っている。
  3. スターアライアンスゴールドメンバー資格を持っている。
  4. ANAカードプレミアムを持っている(国内線ANAラウンジのみ)。

 

国内線ANAラウンジに限られますが、上記のうち、最も安上がりとなりそうなのはANAカードプレミアムですね。ANA JCBカードプレミアムなら年会費70,000円(税別)で持つことができるので、国内線に何度も乗る人にはいいかもしれませんが、ラウンジのためにこんな高い年会費を払う必要があるかと言ったら疑問です。そんなにたくさん乗る人なら、むしろSFC(スーパーフライヤーズカード)を目指した方がいいでしょう。

 
上記の条件を満たしていない平会員のエコノミークラス搭乗者であっても、実はいろんな方法でANAラウンジに入ることができます。以下のような方法です。
 
  • ANAラウンジご利用券をヤフオクやメルカリで入手する(この方法だと、最上級のANA SUITE LOUNGEにも入れるようになります)。
  • ANA MY CHOICEで5,150円支払う。(国内線は3,100円)
  • SFC、プラチナ、ダイヤモンド、ミリオンマイラー200万の同行者として入る。
  • ブロンズステータスの人がマイルかアップグレードポイントを利用して入る。

 

お金さえ払えば誰でも入ることはできますが、値段分の価値があるかと言ったら、それは人それぞれ。しかし、人生で、一度は経験してみてもいいんじゃないでしょうか? それで「別に高いお金払って来るほどの場所じゃないな」と思うもよし、「こんなに快適な場所が空港の中にはあったのか……」と価値観を揺さぶられるもよしです。
 

ANAスーパーフライヤーズカードを持てば一生ANAラウンジに入れる

ANAスーパーフライヤーズカード

 

人生の中で、たった一回でもANAプラチナステータスにまで到達すれば、ANAスーパーフライヤーズカードを発行することができ、カード年会費を払い続ける限り、ANAラウンジにフリーパスで入れるようになります(もちろん搭乗券は必要です)。

 

だから皆、なんとかしてプラチナステータスに到達しようと、いわゆる「修行」を頑張るんですね。幸いANAの場合、マイルをたくさん貯めれば、この修行費用をほぼ無料にすることができます。この記事を書いている私自身も、ANA SFC修行は完全に無料で済ますことができました。お金を使わずに大量のANAマイレージを貯めたからこそです。

 

誰でも可能な大量マイルの貯め方は、以下の記事に詳しいです。

 

 

まとめ

航空会社ラウンジは、カード会社が寄り合いで提供しているいわゆるカードラウンジとは全く違います。ここは、ただ搭乗までの時間を潰すだけの場所ではありません。これから海外旅行に出かけるというワクワクした時間を、さらに盛り上げてくれる上質な空間なのです。

 

「私には縁のない場所」と決めつけず、是非一度、ヤフオクでラウンジ利用券を調達してでも入ってみてください。これも一つの経験です。きっと「毎回あのラウンジに入れるように、上級会員になってみたい」「マイルを貯めてビジネスクラスで海外に行ってみたい」と感じるようになると思います。

 

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