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ポイントサイトの危険性 ポイントサイトって危険なの? 詐欺?

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先日、陸マイラー活動を始めたばかりの女性が、旦那さんに「ポイントサイト経由で年会費無料のクレジットカードを発行するだけで、1万円のお小遣いもらえるんだよ!」と話したら、「世の中そんなうまい話があるものか。胡散臭い。詐欺だろ。やめておけ」と言われ、全然理解してもらえなかったという話を聞きました。

 

我々陸マイラーにとっては、もうポイントサイトの利用は呼吸をするごとく当たり前になってしまっていて、安全性などまず考えることもありませんが、世間一般の反応としては危険に思うのは当たり前ですよね。「無料でお小遣い稼ぎ!」みたいな事を言われれば言われるほど、ますます怪しい雰囲気が漂い、危険なように思えてしまいます。

 

正直な話、私自身も7年前に陸マイラーになり、初めてポイントサイトの存在を知ったときは、同じような思いを抱いたことを記憶しています。「本当に大丈夫なんだろうか? 何か致命的なデメリットはないんだろうか?」と、一生懸命ネットで調べてみたり。

 

結局仕組みがわからないから、「タダより高いものはない!」と、危険に思えてしまうんだと思います。今回は、お金の流れを中心にして、ポイントサイトの仕組みを解説したいと思います。

 

 

懐かしの0円ケータイの仕組み

以前よくあった「0円ケータイ」を思い出してください。あれ、初めて出てきたときはギョッとしましたよね。「0円で売って、どうやって儲けるの? うさんくさい!」と。

 

あれは、docomoやauといったケータイキャリアが、新規契約獲得のために、ケータイ本体代金よりも高い報奨金を、販売代理店に対して出していたために実現可能なシステムだったということはよくご存知だと思います。

 

この高い報奨金の分は、キャリアが月々の通話料金等に上乗せしているので、結局のところユーザーが負担していることになるんですが、見かけ上タダでケータイが手に入るのでたくさんの人が飛びつきましたよね。

 

ではあの当時0円ケータイを買った人は損をしたんでしょうか? そんなことはありません。0円ケータイを買った人も、3万円のケータイを買った人も、通話料に上乗せされている報奨金は等しく負担していたのですから。機種にこだわりがなければ0円の方がお得に決まってます。報奨金の負担をもろにかぶっていたのは、どちらかと言えば新機種が出るたびに3万円のケータイを買っていた人の方と言えるわけですね。もちろん、「ケータイは買わない使わない」と決めた人なら負担はゼロだったわけですが。

 

ポイントサイトへのお金の流れ

これに対して、ポイントサイトが私たちにもたらすポイントは、誰が元になるお金を出しているんでしょうか。たとえば、一撃で1万マイルほどが手に入るクレジットカードの発行案件。年会費無料のカードを作るだけで1万円も手に入るなんて、ユーザーにとっては濡れ手に粟もいいところですよね。

 

最初にお金を出すのはもちろんカード発行会社です。カード発行会社は、新規入会者を喉から手が出るほど欲しがっています。そのために必要な予算もしっかり組んでいます。新規入会者獲得の方法としては、「TVでCMを流す」「雑誌に広告を載せる」「空港やショッピングモールなど、入会してほしい顧客がいそうな場所で勧誘する」など。どれもかなりお金がかかることです。

 

こういった、たくさんある宣伝広告や販売促進のひとつとして、アフィリエイトプログラムがあります。自社のカードを宣伝して新規入会を獲得してくれたら、その報酬としてお金を払うというシステムですね。

 

TVCMに巨額のお金を投じると、企業イメージはアップするかもしれませんが、何人の人が入会してくれるかはわかりません。これに対してアフィリエイトは、入会してくれた人数に応じて報酬を支払うという仕組みのため、効果の測定が容易、且つ極めて正確です。企業にとって、費用対効果が高いのです。

 

そのため、年々アフィリエイト市場の規模は拡大してるんですね。下のグラフは2012年に矢野経済研究所が発表したアフィリエイト市場規模推移予測です。

 

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カード発行会社は、効果のよくわからないTVCMや、雑誌広告、街中での勧誘と平行して、確実な販促方法であるアフィリエイトも行なっているわけです。

 

カード発行会社は広告宣伝費の一部として、たとえば500万円をポイントサイトに渡します。ポイントサイトはその500万円を元手にカード入会者を募ります。1枚カードが発行されるたびに1万円を入会者に渡していき、250人集まったところでやめます。すると、ポイントサイトは250万円儲かり、250人のユーザーはそれぞれ1万円ずつ儲かり、カード発行会社は250人の新規顧客を獲得して儲かるわけです。

 

見事に三者が儲かりましたね。

 

実際にはカード発行会社とポイントサイトの間には、さらにASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)というアフィリエイトの元締めが入って中抜きをしているんですが、上記のように、お金を出す広告主と、ポイントサイトが直接契約を結んでいる場合もあります。

 

これ、ちょっと考えてください。もしもカード発行会社が直接ユーザーに対して「このカードに入会してくれたら3万円差し上げます!」ってやったらどう思います? 「おいおい必死すぎるだろ……。胡散臭すぎて絶対入会したくないわ」と思いますよね(笑)。イメージが悪すぎます。でもポイントサイトを経由するワンクッションが入ると、それが和らぐんですよね。

 

新規客が欲しい企業→ASP→ポイントサイト→ユーザー

 

ここまでの流れにはなんら疑問点はないと思います。「新規客が欲しい企業」が、宣伝広告費を出し、それがちょっとずつ中抜きされながら、ユーザーにも渡るという図式ですね。是非はともかく、お金の流れとしては理解できるし、納得できます。うさんくさいところも危険なところも特にありません。

 

 

広告費の原資はどこからきているのか

問題は、「新規客が欲しい企業」が、一体どうやって巨額の宣伝広告費以上の利益を確保しているかということです。出ていく広告費以上に儲からなくてはやる意味がありません。0円ケータイにおける通話料金上乗せのように、我々末端ユーザーに負担のしわ寄せがきているんでしょうか?

 

これは、しわ寄せがきているとも言えるし、きていないとも言えるんです。カード会社の儲けというものは、加盟店からの手数料収入と、カード年会費と、ユーザーからの金利で成り立っています。金利というのは、リボ払いやキャッシングの金利ですね。もしも全ユーザーが一切リボやキャッシングをせず、一回払いしかしてくれなかったら、カード会社の収入源は年会費と加盟店からの手数料だけになります。これだけでは大して儲かりません。

 

でも実際には、カード発行した人のうち、必ず何割かはリボ払いや、キャッシングで多額の金利を払ってくれるようになります。これが実に大きい。カード会社が儲かるためには、リボ払いを利用する人を増やすのが一番の近道なんです。

 

つまり、こう言えるでしょう。「カード発行会社が出す巨額の広告費は、リボやキャッシング利用者がそのほとんどを負担している」と。「リボやキャッシングをせず、年会費を払うこともないのであれば、ポイントサイトからもらえる1万円は丸儲け」と。

 

広告費が含まれていないものなどない 

いずれにしても、資本主義社会に生きている限り、商品やサービスの価格に予め含まれている宣伝広告費からは絶対に逃れることができません。ならば、少しでもそれを取り戻す努力はあって然るべき。その方法のひとつがクレジットカード決済によるポイントバック、ポイントサイト利用によるポイントバックです。

 

「タダより高いものはない!」と言ってポイントサイトを経由せずにクレジットカードを発行している人。

 

「リボ払いなら月々の支払いがらっくらく!」と言って、知らず知らず多額の金利を支払っている人。

 

「いつもニコニコ現金払い!」と言って、カード加盟店でも現金払いする人。

 

「初年度年会費無料であの憧れのカードが持てちゃうの?」と言って翌年までに解約し忘れる人。

 

こういった人たちが、より多くの広告費を間接的に負担してくれているおかげで、私たち陸マイラーやポイントサイト利用者は、お得な暮らしを享受できていると言えます。

 

まとめ

ポイントサイトは、お金の流れの仕組みさえわかってしまえば、特にうさんくさいところも危険なところもありません。少なくとも、あなたが持っている現金が奪われるということ(詐欺)は、原理的にあり得ません。あなたが気をつけるべき事は、ポイント欲しさに無駄遣いをしてしまわないように、ということだけです。

 

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