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深夜便でも安眠が可能な国際線ビジネスクラス「ANA BUSINESS STAGGERED」搭乗記 シンガポール旅行記2

最終更新日:2017年11月8日

ボーディングブリッジ

 

陸マイラーとなり、マイルを貯めて何をするか。まず真っ先に頭に浮かぶのは、国際線ビジネスクラスに乗ってみるということじゃないでしょうか。海外出張が多い仕事に就き、尚且つそこで、それなりの出世をしなければ、普通は乗れません。そういう職種ではない場合、裕福でなければ、一生乗る機会はないかもしれません。でもマイルを貯めて乗るなら実は簡単。

 

同じビジネスクラスでも、機材(飛行機の種類)によってシートはさまざまです。ただ単にエコノミークラスより広いというだけで、大して快適じゃないものもあれば、「隣席に全く気を遣うことなく、どの席からも通路に出られ、座席がそのままベッドになってしまう」というものまであります。

 

今回ご紹介するのは、ANAの中長距離路線に導入されている、ANA BUSINESS STAGGEREDです。私自身、長く陸マイラーをやっていて、何度もビジネスクラスには乗ってきましたが、フルフラットシートに乗るのは今回が初めてでした。

 

ANA BUSINESS STAGGEREDとは

ANA BUSINESS STAGGERED

 

これがANA BUSINESS STAGGEREDです。見ての通り、座席がベッドのように180度平坦なフルフラットとなり、ぐっすりと眠ることができます。

 

ANA BUSINESS STAGGERED俯瞰

 

座席の配置を上から俯瞰で見たところ。座席が互い違いに配置されていますよね。「STAGGERED」とは、日本語に訳すとそのまんま「互い違い」という意味です。こうすることによって、前の座席のテーブル下にあるデッドスペースに足を突っ込むことができ、少ないスペースでシートをフルフラットにできる仕組みです。どの席からも、隣席を邪魔せずに通路に出ることができます。

 

ちょっと想像してみてください。通常の配置で、隣の人が座席をフルフラットのベッドにして安眠しているとき、そこを跨いで通路にでるところを。無理ですよね(笑)。「フルフラット」と「全席通路側」というのはセットになっていないと都合が悪いんです。

 

このANA BUSINESS STAGGEREDを搭載している機材は、以下の3機種6タイプだけです。

 

  • B777-300ER (264/250/212席仕様)
  • B787-8(169席仕様のみ)
  • B787-9 (246/215席仕様)

 

2016年10月5日現在、ANAの直行便でこの3機種6タイプが飛んでいる路線は以下。

 

  • 欧・米・豪・路線の全て
  • 東南アジア線の多く
  • 香港線の一部

 

マイル特典航空券を狙う際は、是非機材に注意を払ってみてください。B777-300ERとB787-9は全ての機材がスタッガード。注意が必要なのはB787-8です。この機種は169席と240席の2つの仕様があるんですが、169席仕様はANA BUSINESS STAGGERED、240席仕様だとANA BUSINESS CRADLEという、一段落ちるシートになってしまいます。東南アジア路線には、スタッガードとクレードルが混在していますから、よーく調べておく必要があります。

 

羽田-マニラの予約画面

 

自分の乗る機材がスタッガードかどうかは、予約時に出るこの画面の「シートマップ」のリンクで確認できます。上の写真では羽田-マニラ線の機材は787と出ていますが、これだけではわかりません。シートマップを確認して、初めてこれがB787-8の240席仕様(ANA BUSINESS CRADLE)だとようやくわかります。

 

ANA BUSINESS CRADLE

 

これがANA BUSINESS CRADLE。座席を倒すと、背中が後ろに倒れるのではなく、傾きながら座席全体が前にせり出すような仕組みです。後ろの人に気を遣うことなく、最大限まで座席を倒すことができます。これはこれで悪くありませんが、フルフラットにはならないので、よく眠れません。足が下がっていると寝づらいのです。ANA BUSINESS CRADLEの搭乗記は以下の記事を参照してください。

 

 

せっかくビジネスクラスに乗るなら、絶対ANA BUSINESS STAGGEREDの方がいいですよね。2016年10月30日からは、羽田-ホノルル線にもようやくフルフラットを擁するB787-9が導入されます。詳しくは下記記事を参照してください。成田-ホノルル線は今のところ導入の予定が立っていませんから、2016年現在、狙うなら絶対羽田です。

 


いよいよB777-300ERのスタッガードに搭乗

2016年9月29日。NH801。成田(NRT)-シンガポール(SIN)。18:05-00:15。

 

前置きが非常に長くなりましたが、いよいよ人生初のフルフラット機、B777-300ERに搭乗します。今回のシンガポール旅行では運良く、往路がB777-300ER、復路がB787-8(169席仕様)となり、2機種のスタッガードを楽しめることになりました。

 

ANA WiFiサービスの表示

 

往路で乗ったB777-300ERは、ドル箱路線のニューヨーク線にも投入されているANAのフラッグシップ機ですから、当然ながらWi-Fiも搭載されています。しかし、残念ながらB777のWi-Fiはイマイチなんですよねー。下記記事に詳しく書きましたが、$19.95支払ってフルフライトプランにしても、100MBの上限があるんです。100MBなんてあっという間に使い切ってしまいますよ。しかも速度も遅いです。

 


B787-9のWi-Fiはこの上限がなく、非常に使いやすくなっています。今回は往路がB777のしょぼいWi-Fi、復路がB787-8(169席仕様)でWi-Fiナシですから、次のハワイ旅行(B787-9)に期待です。

 

B777-300ERのきn

 

機内に乗り込みました。今回指定しておいたのは右側窓際の6K。一つ前の5Hに妻が座りました。少し中腰で立つような感じになれば、前後の席で話すのはなんとか可能です。

 

B777-300ERのシートマップ

 

6Kだと、座席の横がすぐ窓になっています。一つ前の5Hだと、座席→サイドテーブル→窓という形になります。外の景色をよく見たかったので私が6Kにしたんですが、よく考えたら夜なのでほとんど何も見えないのでした(笑)。

 

ちなみにB787と違い、B777-300ERにはファーストクラスの設定もあります。私たち夫婦の目の前、1列目と2列目がファーストクラスなんですが、仕切られているのでどういう様子かは全く見ることができません。いつかはそちらにも乗ってみたいものです。

 

追記:ANAファーストクラス、乗ってみました! →『人生初のANAファーストクラス搭乗記 13時間のフライトもFクラスなら楽チンでした

 

B777-300ER スタッガードの設備

B777-300ERの窓

 

窓はさすがにこのB777より、B787の大きな方がいいですね。手動で降ろすタイプのシェードに時代を感じます。

 

シート

オットマンに足を入れたところ

モニター、テーブル、オットマン

 

座席に着くと、目の前には17インチタッチパネルの大型液晶モニター、その下にスライディングテーブル、その下は空間があいており、着席中はオットマンのように使うことができます。座席をフルフラットにすると、この中の奥まで足を突っ込んで寝るという感じです。身長182cmの私だと、フルフラットにしても頭と足がつっかえるということはありませんでした。もっと背の高い人だとちょっと長さが足りないかもしれません。

 

コントローラと操作スイッチ

 

座席の肘掛け横にはモニターのコントローラと、シートの操作スイッチ。Don't disturbボタンと、サイドテーブルライトのボタンもあります。あまり小さい人だと、スライディングテーブルを最大まで引いても距離ができてしまうので、背もたれを立てたまま前に座席を移動させることができます。

 

オットマンの下のスペース

正しい靴収納スペース

 

オットマンの下にはスペースがあるのでバッグと靴を突っ込んでみたんですが、これは不正解でした。正解は2枚目のANA公式写真。座席の下、足元の方にちゃんと靴を入れる場所があるんです。私は寝ぼけて、ここに靴を入れたことを忘れ、スリッパのまま降機しようとしました(笑)。学校の上履きのまま帰宅して以来の恥ずかしさです。

 

謎の小物入れ

 

サイドテーブルの上にある謎の小物入れ。飛行中は常にペットボトルの水を2本ほどもらっておくので、これは便利でした。その横には機内誌や機内販売の冊子が置いてあります。

 

ウェルカムシャンパン

 

サイドテーブルは充分な広さがあります。フレームにLEDライトがついているので、機内が消灯されても大丈夫。右側の水色の光がそれです。

 

ウェルカムドリンクでシャンパンをいただきました。プラコップなのがちょっと味気ないですね。

 

読書灯

 

読書灯もサイドテーブルの上についています。

 

コネクタパネル

 

モニター下には各種コネクタ。今後USB-Cが主流になると、いろいろ問題になりそうですね、これは。

 

トイレ

トイレ内のアメニティ

 

トイレも撮ってきました。アメニティはフェイス&ボディシート、マウスウォッシュ、歯ブラシが置いてあります。これは別にエコノミーでも同じですかね。食事後にさっぱりしてから眠ることができます。

 

国際線ビジネスクラスの機内食

今回搭乗したNH801は18:05発の便なので、ちょうどいい頃合いに機内食となります。さんざんラウンジでも食べましたが、ビジネスクラスの機内食は別腹です。

 

機内食の一杯目にシャンパン

 

まず1杯目はシャンパン。銘柄は、シャンパーニュ・カナール・デュシェーヌ・キュヴェ・レオニー・ブリュット。と言われてもよくわかりません。グラスにはステム(脚)がありませんでした。ステムがあっても、フォーマルな席ではステムではなくボウル部分を持つのが実は正式らしいですね。ANAでは「ボウル部分を持つのが日本でも一般的になってきたので、シャンパングラスもステムレスにしました」と公式にアナウンスしていますが、単純に機内で割れる数を減らしたいだけではないかと思いました(笑)。

 

アミューズ

 

アミューズ。フォアグラムースとマンゴージュレ、ハムとトマトのアスピックとコルニッション、合鴨とリンゴのタルトタタン風、くるみの飴、2種のオリーブとチーズ。美しく盛られています。機内のため、ちょっと色が変ですが……。ラウンジでも飲み、機内でも飲み、この辺から記憶があやふやです。

 

アペタイザー

 

アペタイザーはミラノサラミで巻いたリエットと鰯のスモーク。これと、パンが出ます。正直な話、この写真は撮った記憶がありません(笑)。これ以降は全部記憶なしです。

 

2杯目から赤ワイン

 

無意識に赤ワインをいただき、ちゃんとCAさんに写真を撮りたいと告げたようです。

 

メインの牛フィレ肉のステーキ

 

メインは牛フィレ肉のステーキだったようです。全く覚えていません。多分ものすごく美味しかったんだと思います。デザートの写真がないので、恐らく「もう寝るから食べられないよぉ……ムニャムニャ……」とかになったんだと思います。

 

食事を終えた後はちょっとだけ記憶が残ってます。座席をフルフラットにしたんです。でもこれ、どうやるのが正解なのかよくわからなくて、私は座ったままの状態から、電動でフルフラットにしたんですが、そうすると途中でものすごく変な格好になるんですよね(笑)。本当は席から立ち上がり、体を横にどけてからやるんだと思います。

 

あと、ベッドパッドも、どうセッティングしたらいいのかよくわからず、ベッドパッドの上に乗った状態から無理矢理広げるという、自分で説明しててもよくわからないアクロバティックな方法で仕上げました。動画で撮っていたら、相当みっともない事になっていたと思います。

 

フルフラットで寝ているところ

 

遺体袋からバラバラの腕がはみ出てる風ですが、生きてます。目に腕を当てるのが癖で、いつもこの格好で寝てるらしいです。本当は一風堂コラボのとんこつラーメンなどを食べてレポートする予定だったんですが、即座に爆睡です。フルフラットなので一瞬で眠りに落ちましたね。

 

途中トイレに行きたくなったり、喉が渇いたりして、何度か目が覚めました。ビジネスホテルのシングルベッドより狭いんですが、四方を壁に囲まれているので、なんと言うんでしょう? コンパクトにまとまる安心感のようなものがあり、またすぐ眠ることができます。子供の頃に、狭い押し入れにわざわざ入って寝たりしたことを思い出しました。意外とあれ、悪くないですよね。

 

寝返りが打てないこともないですし、体を横にして眠ることもできます。枕はさすがに薄いので、2つ目を持ってきてもらって、重ねて使いました。

 

シンガポールチャンギ空港到着

チャンギ空港

 

現地時間00:15、あっという間にシンガポール、チャンギ空港に到着。18時に乗って、深夜0時に着く便ですから、本当は機内では寝るのを我慢して、到着後すぐにホテルで寝るのがベストだったんですが、フルフラットの魅力には勝てませんでした。

 

狭いエコノミー席で、満足にリクライニングすることもできず、トイレに立つにも隣に気を遣い、ただひたすら窮屈に耐えるだけの時間だった海外旅行のフライトが、ビジネスクラスではこんなにも快適になります。

 

マイルをたくさん貯めることができたなら、是非一度は中長距離路線のビジネスクラス、それもフルフラットのANA BUSINESS STAGGEREDに乗ってみてください。空港と機内での過ごし方が劇的に変わります。マイルの貯め方は下記記事を是非読んでみてください。

 


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