ANAとマイルのパパじゃない

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ANAとJALの両方で修行して2年連続最上級会員になりました【狂気の証・紫ダイヤ】

紫ダイヤ

 

マイラー界隈ではANA派を青組、JAL派を赤組、分け隔てなく乗る人を紫組、SFC修行とJGC修行の両方を行なうことを紫修行と、いうとかいわないとか……。

 

この書き出し、昨年12月に書いた『【狂気の証 紫ダイヤ】ANAとJALの両方でダイヤモンド修行を解脱しました』と同じです。2017年もやりました! 2年連続となるダイヤモンド修行を!

 

 

そもそも修行とは何なのか

鉄道の場合、たとえばJRの新幹線に年間100回乗る人と、年間1回しか乗らない人の扱いは同じです。たくさん乗ったからと言って、鉄道会社から優遇されることはありません。

 

これに対して飛行機の場合、同じ航空会社の飛行機にたくさん乗ると、会員ランクが上がっていき、どんどんVIP待遇になっていくんですよね。しかも航空会社は3つの大きな連合に分かれており、同じ連合内でもVIP待遇になります。ANAで上級会員になると、同じスターアライアンスという名の連合に所属している、シンガポール航空やユナイテッド航空でも上級会員として扱われるということです。

 

ANA(スターアライアンス)もJAL(ワンワールド)もだいたい似たような上級会員制度を持っていて、それぞれでステータスの呼び名はこんな感じになっています。左に書いてある数値は、その会員資格を得るために必要なポイント数です。

 

  ANA JAL
100,000 ダイヤモンド ダイヤモンド
80,000   JGCプレミア
50,000 プラチナ サファイア
30,000 ブロンズ クリスタル

 

名前がとにかくややこしいですが、ひとつ簡単にわかることは、ANAもJALも最上級会員資格は「ダイヤモンド」と呼ばれていることです。どちらも、搭乗によって貯められるポイントを10万貯めなくては資格を得られないので、ハードルは非常に高いです。

 

修行」とは、この上級会員資格を得るために、特に用事もないのに(笑)、無理矢理飛行機に乗る事をいいます。「マイル修行」と称されることもあるため、「マイルを貯めるための修行」と誤解されがちですが、「上級会員資格を取得、あるいは維持するための修行」と言った方が実態に近いです。

 

上級会員資格はどれも1年間限定です。せっかく5万ポイント貯めてプラチナ会員になったとしても、翌年全く飛行機に乗らなかったら、翌々年はただの平会員に戻ってしまいます。

 

これを防ぐ唯一の方法が、ANAならスーパーフライヤーズカード(SFC)という名のクレジットカードを発行すること。JALならJALグローバルクラブカード(JGC)を発行することです。これらを発行することによって、翌年からは特にたくさん飛行機に乗らなくても、上級会員資格を維持できるようになっています。

 

通常は修行といったら、このSFCやJGCといったクレジットカードの発行資格を得るため、5万ポイントを貯めることを指します。SFC修行、そしてJGC修行ですね。特典の内容など、詳しくは以下の記事を読んでみてください。とにかく、一生のうち、一度だけ5万ポイント貯めてしまえば、あとはずっと上級会員資格を保持する事ができるのです。

 


では、私は一体なぜ、たったの1年間しか資格が続かないダイヤモンド会員になるために、わざわざ修行などしたのか? なぜANAとJALの両方でダイヤモンド会員になる必要があったのか?

 

答えは「もはやそれが趣味だから」です。必要など全くありません。

 

本来ダイヤモンド会員とは、航空会社が、上顧客である出張族を自社に囲い込むために設けた制度です。「会社の経費でたくさん飛ばれる人ですよね? 是非うちの飛行機に乗り続けてください。そうしたら、さらに、さらにVIP待遇にしますよ」というものです。

 

2社で修行をしたら、囲い込まれてすらいません。しかも、会社の経費でもなく、自腹で無意味に飛行機に乗るなど、傍から見れば狂気の沙汰です。

 

でもね、趣味って、結局はみんなそういうものなんですよね。その趣味を持たない人から「なんという無駄な金(と時間)の使い方だ」と思われることこそが、正に趣味の要件なんだと思います。

 

2016年の修行は沼にずぶずぶはまり込むかのようだったが

私が修行を決意したのは2015年。当初は「ANAのSFCを取得する(5万プレミアムポイントを貯める)」ということが目標でした。必要なお金はざっくり約50万円。ただし、陸マイラーとして、ほとんどお金をかけずに貯めたマイルを、ANA SKYコインに交換することによって修行を行なったため、航空券に関してのキャッシュアウトはありませんでした。ほぼ無料で上級会員となったのです。

 

マイルがたくさんあれば、上級会員修行は無料で行なうこともできます。大量マイルの貯め方については、『年間30万以上の大量ANAマイルの貯め方とは 陸マイラーの現実を公開します』という記事を読んでみてください。嘘のような本当の話です。

 

 

しかしSFC修行は沼への入り口でした。当初は「翌年から享受出来るさまざまな特典」という実利を追求するための修行だったんですが、そのうち、手段と目的が逆転し、ただただ飛行機に乗る事が楽しくなってしまったのです。こうなるともうイメージとしては修行という感じでは全然ありません。経緯としてはこんな感じでした。

 

  1. SFC取得のためプラチナ会員を目指す。
  2. JALが「簡単にサファイア会員になれるキャンペーン」を始めたため、そちらにも手を出す。
  3. ANAでプラチナ会員となり、SFCを取得したが、物足りなくなり、さらにダイヤモンド会員を目指す。
  4. JALでサファイア会員となり、JGCを取得したが、物足りなくなり、さらにダイヤモンド会員を目指す。
  5. ANAでダイヤモンド会員になったが、物足りなくなり、さらに5万ポイントを上乗せして、無意味なバゲージタグをもらう。

 

目標値の上方修正に次ぐ上方修正。能力バトルのインフレに次ぐインフレ。ちょっとやりすぎですよね。

 

2017年、今年のダイヤモンド修行は、これ以上は絶対やらないぞという上限を決めて、計画的に行ないました。

 

2017年紫ダイヤ修行全フライト記録

修行以外の、純粋な特典フライトも全て記載しています。特典航空券で飛んでも、上級会員資格に必要なポイントは全く貯まらないんですが。

 

PPはプレミアムポイントの略で、ANAで上級会員資格を得るために必要なポイントの名前です。JALの場合はFOP。FLY ONポイントの略です。これらはマイルとは別に貯まっていき、年初になるとゼロにリセットされます。

 

PP単価、FOP単価というのは、「1PP(FOP)を得るために何円かかるか」を表しています。PP単価やFOP単価は、一般的に10円を切ると、よく頑張った! という感じになります。

 

2017年ANAダイヤモンド修行

  ルート 運賃 マイル PP PP単価
1 HND-CTS ¥26,040 1,402 1,675 15.55
2 CTS-OKA ¥38,850 3,841 3,892 9.98
3 OKA-HND ¥30,190 2,706 2,860 10.56
4 ITM-HND ¥10,890 770 700 15.56
5 HND-ITM ¥11,990 770 700 17.13
6 HND-CTS ¥26,040 1,402 1,675 15.55
7 CTS-OKA ¥38,850 3,841 3,892 9.98
8 OKA-HND ¥30,190 2,706 2,860 10.56
9 HND-TSA ¥0 0 0 0.00
10 TSA-HND ¥0 0 0 0.00
11 HND-OKA ¥30,190 2,706 2,860 10.56
12 OKA-HND ¥30,190 2,706 2,860 10.56
13 HND-FUK ¥19,490 935 850 22.93
14 FUK-HND ¥13,790 935 850 16.22
15 HND-ITM ¥11,890 462 420 28.31
16 ITM-HND ¥0 0 0 0.00
17 HND-HNL ¥0 0 0 0.00
18 HNL-HND ¥0 0 0 0.00
19 HND-KOJ ¥24,990 990 901 27.74
20 KOJ-HND ¥17,090 990 901 18.97
21 HND-CTS ¥12,190 841 765 15.93
22 HKD-HND ¥0 0 0 0.00
23 HND-OKA ¥24,990 2,706 2,860 8.74
24 OKA-CTS ¥38,850 3,841 3,892 9.98
25 CTS-HND ¥18,290 1,402 1,275 14.35
26 HND-ITM ¥10,890 462 820 13.28
27 ITM-SDJ ¥19,800 1,089 1,390 14.24
28 SDJ-OKA ¥33,900 3,107 3,225 10.51
29 OKA-HND ¥30,190 2,706 2,860 10.56
30 HND-ITM ¥20,790 770 1,100 18.90
31 ITM-HND ¥0 0 0 0.00
32 HND-HNL ¥0 0 0 0.00
33 HNL-HND ¥0 0 0 0.00
34 HND-TSA ¥0 0 0 0.00
35 TSA-HND ¥0 0 0 0.00
36 HND-ITM ¥0 0 0 0.00
37 ITM-HND ¥0 0 0 0.00
38 HND-SIN ¥59,855 7,286 5,368 11.15
39 SIN-HND ¥59,855 7,286 5,368 11.15
40 ITM-HND ¥0 0 0 0.00
41 HND-OKA ¥26,790 2,706 2,860 9.37
42 OKA-CTS ¥37,200 3,841 3,892 9.56
43 CTS-HND ¥33,090 1,402 1,675 19.76
44 HND-MMY ¥26,990 3,184 3,295 8.19
45 MMY-HND ¥26,990 3,184 3,295 8.19
46 HND-OKA ¥31,340 2,706 2,860 10.96
47 OKA-HND ¥31,340 2,706 2,860 10.96
48 HND-ITM ¥10,690 462 420 25.45
49 ITM-HND ¥0 0 0 0.00
50 HND-ITM ¥20,790 770 1,100 18.90
51 ITM-HND ¥20,790 770 1,100 18.90
52 HND-HNL ¥0 0 0 0.00
53 HNL-HND ¥0 0 0 0.00
54 HND-ITM ¥0 0 0 0.00
55 ITM-HND ¥12,390 462 420 29.50
56 HND-ITM ¥12,590 462 420 29.98
57 ITM-HND ¥0 0 0 0.00
58 NRT-JFK ¥0 0 0 0.00
59 JFK-HND ¥0 0 0 0.00
60 HND-ITM ¥11,190 462 420 26.64
61 ITM-HND ¥0 0 0 0.00
62 NRT-BKK ¥65,305 6,311 4,703 13.89
63 BKK-NRT ¥60,305 6,311 4,703 12.82
64 HND-ITM ¥10,990 462 420 26.16
65 ITM-HND ¥12,890 462 1,100 15.71
66 HND-ITM ¥11,890 462 820 15.71
67 ITM-HND ¥0 0 0 0.00
68 HND-SYD ¥67,870 10,698 7,694 8.82
69 SYD-HND ¥70,090 10,698 7,694 9.11
70 HND-ITM ¥17,590 462 820 21.45
71 ITM-HND ¥15,390 462 820 18.77
    ¥1,324,770 118,103 110,210 11.22

 

ANAに関しては国際線のフライトが18レグ。「レグ」というのは搭乗回数のことで、離陸してから着陸するまでを1レグと数えます。往復なら2レグ。大阪→東京→ハワイ→タヒチと乗継いだら3レグとなります。

 

今年はANAで9回海外に行きました。内訳は、台湾、ハワイ、ハワイ、台湾、シンガポール、ハワイ、ニューヨーク、バンコク、シドニー。ちょっとずつ海外に慣れてきたような、まだ全然慣れてないような……。

 

国内線も含めるとANAは全部で71レグ。年初は効率を求めて沖縄を絡めていましたが、その後は国際線でポイントを稼ぐというスタイルでした。やたら伊丹空港に行っているのは、上級会員修行とは関係なくて、単なるたこやき修行です(笑)。羽田-伊丹線は、もらえるポイントの割に運賃が高すぎる(PP単価やFOP単価が高い)ので、普通は航空修行では使いません。月に1回は大阪でたこ焼きを食べないと気が済まない感じになっていたのです(笑)。

 

修行にかかった総費用(運賃合計額)は恐ろしい金額になっていますが、そのほとんどをマイルからSKYコインに交換することによって賄っているため、キャッシュアウトはほぼありませんでした。

 

2017年JALダイヤモンド修行

  ルート 運賃 マイル FOP FOP単価
1 OKD-HKD ¥10,900 178 136 80.14
  搭乗ボーナス   5,000 5,000  
2 HND-OKA ¥27,490 2,829 5,320 5.17
3 OKA-HND ¥16,190 1,923 3,744 4.32
4 HND-OKA ¥30,790 2,829 5,320 5.79
5 OKA-HND ¥31,090 2,829 5,320 5.84
6 HND-OKA ¥30,790 2,829 5,320 5.79
7 OKA-HND ¥31,090 2,829 5,320 5.84
8 HND-OKA ¥24,390 2,829 5,320 4.58
9 OKA-HND ¥23,890 2,829 5,320 4.49
10 HND-OKA ¥30,790 2,829 5,320 5.79
11 OKA-HND ¥31,090 2,829 5,320 5.84
12 HND-OKA ¥30,790 2,829 5,320 5.79
13 OKA-HND ¥31,090 2,829 5,320 5.84
14 HND-OKA ¥30,790 2,829 5,320 5.79
15 OKA-HND ¥54,090 3,395 6,304 8.58
16 HND-OKA ¥23,890 2,829 5,320 4.49
17 OKA-HND ¥31,090 2,829 5,320 5.84
18 HND-OKA ¥49,490 3,395 6,304 7.85
19 OKA-HND ¥49,490 3,395 6,304 7.85
20 HND-ITM ¥22,590 805 1,100 20.54
21 NRT-HNL ¥0 0 0 0.00
22 HNL-NRT ¥0 0 0 0.00
    ¥611,810 57,697 103,372 5.92

 

JALでは気が狂ったように沖縄往復を繰り返しています。これは2017年から始まった「お好きな1ヶ月間JAL国内線でFOP2倍」というキャンペーンを利用し、1ヶ月間で9回、羽田-那覇のファーストクラスに乗ったからです。JALダイヤモンドはこれだけで達成しました。

 

このキャンペーンは2018年も行なわれることがアナウンスされています。まだ決心はついていませんが、来年もやる場合、JALダイヤモンド修行は簡単に終えることができそうです。

 

国際線は、初めてJALでハワイに行ってみました。その辺のお話は、2017年11月に集中して書いています。それにしても、JALにはほとんど乗っていないので、せっかくのダイヤモンド特典も活かせてない感がすごいです。

 

ANAとJAL両方合わせた総搭乗回数は93レグ。ちなみに昨年の修行は111レグでした。仕事でもないのに、1年間に100回飛行機に乗るって、冷静に考えたら完全に狂ってますよね。

 

ダイヤモンド到達画面

JALダイヤ到達

 

JALでダイヤモンドに必要な10万FLY ONポイントに到達したのは2017年5月31日。

 

ANAダイヤ到達

 

ANAでダイヤモンドに必要な10万プレミアムポイントに到達したのは2017年11月26日でした。12月はたこやき修行を残すのみとなっております(笑)。 

 

ダイヤモンド会員になると何がどう変わるのか

ANAとJALでそれぞれ微妙に違いますが、ダイヤモンド会員になることで得られる特典は、基本的な部分はほとんど一緒です。主要なものとしては以下のような特典があります。

 

  • ダイヤモンド会員専用の電話サービスデスク。
  • ダイヤモンド会員とファーストクラス搭乗者だけが入ることのできる特別なチェックインカウンターと専用保安検査所。
  • ダイヤモンド会員とファーストクラス搭乗者だけが入ることのできる特別なラウンジ。
  • 予約の優先、空席待ちの優先、特典航空券開放枠の優先。
  • 手荷物許容量の増量。
  • 機内への優先搭乗。
  • 手荷物受取の優先。バゲージクレームに最速で出てくる。
  • フライトマイルの増量。平会員の倍以上のマイルがもらえる。
  • 有資格中はマイルの有効期限が無期限になる。
  • 数万円相当のギフトがもらえる。

 

この他にも細々とした優遇措置がたくさんあります。いずれにしても、飛行機に乗らない限りはこういった特典のほとんどは受けられませんから、結局ますます飛行機に乗るハメに。エンドレスの修行生活に突入することになります。その代わり、空港や機内での快適度は、平会員時代とは比較になりません。一度経験してしまうと、なかなか戻れません。

 

修行に興味を抱いた方へ

航空会社上級会員修行に興味を持たれたなら、まずはSFC、もしくはJGCを取得してみてください。お金はそれなりにかかりますが、スキューバダイビングを趣味とするよりは安く済むはずです。

 

修行を終えて「あ、自分は飛行機それほど好きじゃなかった……」と気付いても、翌年からは手元にSFCもしくはJGCが残りますから、旅行好きなら無駄にはなりません。

 

問題は、「あ、自分はめっちゃ飛行機好きだ……」と気付いてしまったときですね。これは深刻です。いわゆる修行ロスに陥り、「もっと乗りたい! もっと飛びたい!」となってしまいます。普段から飛行機での出張が多い人なら、さらに上のダイヤモンド修行に突入してもいいと思いますが、そうでない場合、1年限りの会員資格のために、膨大な運賃を支払い続ける修羅の道となります。

 

でも私自身はこの趣味、とても気に入っています。数字を追いかけるゲーム性がありますし、実利に結びつく経済性もあります。今まで知りもしなかった、ワンランク上のサービスを受けることができ、家族を喜ばせることもできます。

 

あなたがもしも、飛行機が好き、空港が好き、旅行が好き、という人であるならば、これほど楽しい趣味は他にないと思います。修行に必要な費用は、陸マイラーなら1年もあればマイルを交換することによって捻出できますから、是非検討してみてください。新たな世界が広がりますよ。

 

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